護身術の真髄14理を制す | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

あまりの法の施行の矛盾と業務の大変さにたまりかねて海運支局にお願い陳情に行った。

元よりそんな手続き申請や備品はまったく必要ないことは道理で示せるのだが波風は立てたくない。

余計なことに振り回されず業務が潤滑に進めばそれで良かったのだ。

情け容赦なく完膚なきまでに戦うつもりもなく、特殊な事情なのだから無理なく融通をきかせてもらえば良かった。

風林火山は孫子の兵法であり武田の旗印、疾きも火も山も良いのだが、静かな林では困る。

喋らなければ防御は出来ない。

野人は「風理ん火山」の旗印をパンツの中に忍ばせて決戦に臨んだ。


海猿達と違い省はエリート意識がはるかに高い。

陳情したが、これまで通り四角四面に六法を持ち出しあっけなく断られた。

彼らにとって海事六法は聖書のようなもので状況に応じて融通をきかせる気はないのだ。

異例の前例を認めないことで権威を保とうとしているように見えるが、彼らにとっては必要な秩序なのだろう。

全国で何十年も徹底順守されているしそれは根幹に関わる違法行為と主張した。

そんなことは実際に罪を加算され罰金も払った野人は知っている。

彼らの傲慢さは野人もいささか閉口気味だった。


仕方なくひとつの理を説くと答えに窮した。

それが間違っているとストレートに言えないのだ。

さらにもうひとつの矛盾と、彼らの判断の違法性を説くと顔色が変わった。

海事法を指導する頂点の人間を違法呼ばわりすればそうもなるだろう。

その法の専門担当課長も加わったが野人の相手にならない。

そんなことは考えた事もないようだったのであらためて考えさせてあげた。

過去の敗戦と違って恐喝はしないが、まあ限りなくそれに近い理喝だな。

枝の理は出したが、幹を出せばトドメとなり過剰防衛、そこまではやりたくなかった。

彼らの面目を根こそぎ破壊することになり、その波紋は大きすぎる。

どちらも一理あるという風に場を収めなければ融通はいただけない。

しかしあまりの煮え切らなさとウダウダに痺れを切らした、野人はヒマではないのだ。

反論は出来ないが心では納得しないようなので仕方なくトドメの一撃。

最も基盤となるその条項の「第一条」の目的から、彼ら全員の解釈すべての誤りを指摘した。

野人の説いた三つの理を理で覆せなければ勝ち目はない。

ここでやっと納得したようで勝負はついた。

法は間違っていない、「間違っているのはあんた達全員」・・と言っているようなものだ。

しかしガンとして野人の嘆願を認めようとしない、屈辱はわかるが完敗したのだからもっと素直になったほうがいい。


続く・・