普通のサルナシ
大サルナシ 葉も遅くまで鮮やかな緑
野人が名付けた仮の名は・・
マスカットサルナシ
これからサルナシの季節。
木の実マニアには、山の珍果、美味な国内最高峰の木の実とされるサルナシ。
サルナシは九州から北海道まで全国に分布するマタタビ科のつる性樹木で、キウイもマタタビ科に属する。
たまに山麓でも見かけるが、山奥に多く分布する。
味はキウイをさらに甘酸っぱく濃厚にした旨さ。
輪切りにすると断面はキウイそのもの。
南中国産のシナサルナシがキャプテンクックによってニュージーランドに運ばれ、大きく改良されたのがキウイだ。
シナサルナシと南日本に自生するシマサルナシの皮はキウイ同様に茶色だが、サルナシは緑で薄い皮、皮ごと食べても差し支えない。
野人が本格的に植物の研究に取り組み始めて30年以上。
最初にその味に魅せられた木の実がサルナシで、アケビやマキやイヌビワやキイチゴもサルナシの味には敵わなかった。
甘みと酸味のバランスが絶妙で芳香が強いのだ。
同じ仲間でもキウイは好きではないが、サルナシは一番の大好物、それほどの差がある。
それから三重県内の山を探し回り、時にはバイクで山道を尾根まで登って植物の分布・風向きによる生態を調べ上げた。
一番の目的はサルナシ、2番目がマタタビだった。
皮が薄いサルナシはブヨブヨした頃が食べ頃、美味しいのだがこれではフレッシュでの商品化は難しい。
それに30年探しても大きなものはせいぜい指先の大きさだった。
10年ほど前にそれまでで一番大きな種を発見、晩秋まで皮もしっかりしていたが、それでも食べて楽しむ程度だった。
一昨年前に山奥で発見したサルナシはこれまでとは全く異なり、巨大なだけでなくブドウのように鈴なり、皮もしっかりして抜群に美味しかった。
とても同じ種のサルナシとは思えなかった。
これほどのサルナシはこの木1本しか知らない。
ナツメにも大実ナツメがあるように、別種かもしれないが調べるのも面倒。 翌春に挿し木で増やし、今年は定植に漕ぎつけた。
南西諸島のシマサルナシ同様にこの野生の大実サルナシも協生農法において貢献するかもしれないな。
昔、ちっこい緑のベビーキウイと言うのがあったが、ありゃ不味かったな。
サルナシを交配・栽培したのだろうが肥料で育てれば不味い。
一本でも実がなる大実サルナシと言うのもあるが余計なことはしない半島。
交配アケビは甘味がないし、野生が一番だな。
正式名はそのうち考えるが、大実サルナシでは風情もないので・・
マスカット・サルナシ いや・・
お野生の ウマかッと・ムウイ にするか・・
皆さんの食卓に届くまでまだまだ時間がかかりそうだ。
うまかっと・・・むうい
見事な大サルナシ シワシワで甘酸っぱく 食べ頃