127ー98は、100から98を引きその答えを127に加えて100を引けばいい!とあるブログに書いてありました。
この人は、これこそが、概念理解であり、こういう方法を幼少期から学ぶことの大切さを説いていました。
恐ろしい勘違いです。
これは、計算を簡略化して計算するテクニックであって、決して概念ではありません。そもそも、こういう計算方法がなぜ成り立つのかを幼児に理解させることにこそ意味があり、積み木等を使って説明したところで、本質を理解させることができなければ意味がありません。
この問題の本質は、実は、引き算の本質(概念)です。
引き算の本質とは、なんでしょうか?それを幼児に端的に理解させることができますか?
それ以前に本質をご存知ですか?
引き算とは、二つの量の違いです。
12(□)-8(■)=4(△)とは、
□□□□□□□□□□□□
△△△△■■■■■■■■
とあらわすことができます。つまり、4(△)は、12と8の差分を表します。このとき□と■を同じ数増やしても、4(△)は変わりません。
つまり、□と■を2つずつ増やしても答えは変わりません。ですから、2つずつたして、14(□)-10(■)として計算をすることができます。
127ー98の場合は、2つずつ足して、
129-100となり、答えは、29となります。
しかし、こういう特別な場合にだけ使えるテクニックを幼児期に教える必要があるのかはかなり疑問です。
それよりも、いつでも使える万能な引き算を丁寧に教えることの方が大切ではないでしょうか?そうして、どんな場合でもできるようになってからこういうテクニックをマスターすべきではないでしょうか?
本質を理解することと、テクニックをマスターすることを混同しているとしか思えません。冒頭に書いたような解き方は、テクニックであって、本質でも概念でもありません。引き算の本質は、引かれる側と引く側の両方に同じ数を足しても、引いても答えは変わらないということだけです。
その本質を利用して、計算を簡略化するのはテクニックに過ぎません。
同様に、足し算にも、かけ算にも割り算にも本質(概念)があり、それを利用したテクニックもあります。
いくらテクニックをマスターしたところで、そのテクニックを駆使するような場面はそう多くはありません。
本質(概念)を習得することが、先々習う数学でも意味を持ってきます。本質を理解することは、単に数学の応用問題だけにとどまらず、生活するうえでも様々な場面で知らず知らずに使えるものなのです。それは、生活にとどまらず、化学や物理などいたるとことで使えるものなのです。
計算の答えを出すことのみに執着した今の勉強は決して本質には行きつかない最も醜悪な学習方法です。
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