統一地方選前半が終了し、野党では「立憲」が議席を大きく伸ばし、他方「国民」は大幅に議席を減らしました。大きな差が生じた原因は「立憲」が枝野代表のもと「立憲民主党はあなたです」という明確な結党の理念を示して行動してきたのに対し、「国民」は小池都知事の希望の党から変遷してきた経緯もふくめ一般の有権者にはわかりにくい政党だからです。

 

政治部記者や識者の中に安倍一強政権と対峙するため、野党の統合を期待する声があります。しかし広く国民から期待できる政党になるためには単なる数合わせではなく、明確な政治理念の下での統合でなくてはなりません。今回の統一地方選前半の結果で、有権者はその道筋をはっきり示したと思います。国民民主党など旧民進党の政治家は個々の判断で、立憲民主党を中心に再結集に向かってほしいというのが有権者の声です。

 

1年半前の総選挙で希望の党に民進党議員が合流して生まれた国民民主党と新党として誕生した「立憲民主党」とは、当時の政治事情から衆院議員が県ごとに偏在しています。民進党から希望の党に移った候補者の小選挙区には立憲民主党は立候補者を出さなかったからです。そのため立憲には比例区当選の衆議院議員しかいない県が多くあります。

 

7月の参院選では立憲は全選挙区に公認または推薦の候補者を出すことになります。特に一人区では野党統一候補を出すことを野党全体で合意しています。

 

問題は参院比例区です。今回の統一地方選の結果で明らかなように、理念がはっきりしない「国民」は支持を失いました。立憲と国民に関しては立憲を中心に結集するべきというのが野党支持者の声の大勢です。立憲民主党の政策理念に同調いただける方には個々の判断で立憲民主党に参加いただき、立憲民主党の旗の下で一緒に戦ってもらいたいと思っています。

 

国民民主党が「国民」の旗を降ろし、大半の議員が立憲に再結集してくれれば、野党全体の結集力も格段と強くなります。