フランスの月刊誌から原発政策に関する寄稿文の依頼が来ました。フランスは発電の75%を原発に頼っている原発大国です。今年2月に「太陽の蓋」の映画上映を兼ねてフランスを訪問し、原発の是非に関する議論が高まっていることを強く感じました。福島原発事故の1年半後に出版した「東電福島原発事故、総理大臣として考えたこと」はその後ドイツ語、英語、韓国語に翻訳されて出版されています。フランス語、中国語への翻訳も検討中です。世界での福島原発事故に関する関心は今も高い水準にあります。

 

福島原発事故は世界の原発政策に大きな変化を起こしました。ドイツのメルケル政権は福島原発事故の直後に、2022年までに原発をゼロにすることを決めました。原発大国であったアメリカやフランスでも原発の数は減りつつあります。中国だけは原発も風力などの再エネ発電も拡大しています。北京の大気汚染が激しいために、石炭火力による発電を削減することが急務と考えているようです。原発に変わって世界は再生可能エネルギーによる発電にかじを切っています。

 

福島原発事故は3基の原発がメルトダウンし、さらに圧力容器を突き抜けてメルトスルーを起こし、1基は格納容器に穴が開くという史上最大で最悪の原発事故です。東日本全体から5千万人の住民が避難が必要となる寸前でした。福島第一原発では廃炉作業が始まっていますが、今世紀中に終わるかどうはっきりしません。

 

今こそ日本が率先して原発ゼロを決断するべきです。