いよいよ明日から参院選が始まります。参院選の争点は何か。

 

福島原発事故を総理として体験した私にとって、この選挙で日本のエネルギー政策を「原発ゼロ」へ転換させる最大のチャンスだととらえています。今や原発は危険なだけでなく、再生可能エネルギーに比べてコストが高く、経済的にもまったく採算が合わないことが誰の目にも明らかになっているからです。参院選で与党が大きく議席を減らし、原子力ムラと癒着している安倍政権が退陣すれば原発ゼロへの政策転換は大きく進むはずです。

 

加えて、あらゆる政策について、自分に都合の悪い情報は国家権力を使って隠ぺい、改ざんし、日本を情報独裁国家に変貌させている安倍政権の存在自体が最大の争点です。

 

昨日私は忙しい日程をやりくりして映画「新聞記者」を見ました。政権が内閣調査室を使い、官僚への人事権を振りかざして、政権に都合の悪い報道を封じ込め、敵対する者はスキャンダルを捏造して社会的に抹殺を図る。まさに安倍政権が復活してからの数年間、安倍政権が実際にやってきたことが見事に描かれています。

 

私も総理時代、定期的に内閣調査室の報告を受けていました。多くは外国の軍事情報やオウム真理教の残党の動きなど国の安全にかかわる情報でした。少なくとも私が総理の時には政権に都合の悪い情報を報道する記者について調べさせたり、圧力を加えるようなことをやらせたことはありません。

 

安倍総理は体調不良で総理を退陣した後、フェイクニュースで政敵を攻撃することを学んだようです。安倍氏は2011年5月20日付の自らのメルマガで「海水注入を止めたのは菅総理」というフェイクニュースを流し、翌日の読売新聞と産経新聞の一面で大きく報道させ、自らのコメントも載せました。いったん大きく報道されたフェイクニュースはその後誤りであったことが明らかになってもいったん浸透した間違った印象を完全に打ち消すことはむつかしく、私自身政治的ダメージの回復には時間がかかりました。安倍総理はこうした「成功体験」から2度目に総理に復活してから、森友・加計問題はじめ多くの問題で平気で印象操作のためにうそをつくなど悪智恵を駆使してきたことは誰の目にも明らかです。

 

今回の参院選で、独裁国家のように権力を使って情報操作をする安倍政権を退陣に追い込みましょう。