ほにゃーーーん、とね

今日は匂いのはなしをしよう

サケという魚は川で生まれて海で育つ。そして大きくなったらまた生まれた川に戻ってくる。広い海の中でどうやって生まれた川を探すのかというと、匂いで探すんだ。生まれたときに嗅いだ川のにおいを思い出して同じ川に戻ってくるんだ。

アリは遠くまで出かけても必ず自分の巣に戻ってくる。どうやって自分の巣を見つけるかというと匂いで見つけるんだ。アリの巣の仲間はみんな同じ親から生まれているので、同じ匂いがする。土に着いたその匂いをかいで巣に戻ってくるんだ。

オットセイの群れにはお母さんや赤ちゃんがいっぱいいる。どうやって自分のお母さんや赤ちゃんを見つけるかというと匂いで見つけるんだ。お母さんと赤ちゃんは同じ匂いがして、ほかのお母さんや赤ちゃんとは全然違う匂いなんだ。

君の匂いはお父さんとお母さんからもらったものなんだ。だから君はお父さんとお母さんの両方の匂いがする。お父さんかお母さんのどちらかが病気で死んでしまったとき、お父さんは君をギュッと抱きしめて「お母さんの匂いがする」というだろうし、お母さんは「お父さんの匂いがする」というだろう。

つらいとき、悲しいとき、寂しいとき、お父さんやお母さんにだっこされてみよう、赤ちゃんになったつもりで思い切り泣いてみよう。泣き終わったら胸いっぱい匂いをかいでみよう。とても落ち着くよ。

それが親子の匂いなんだ。