白い花の木には白い花が咲く。
象の子供は親に似て鼻が長いし、キリンの子供も親に似にて首が長い。これを「遺伝」という。
でも白い花の木に黒い花が咲くこともある。ほとんどは白い花だけど黒い花が咲くこともある。
まわりの人はその花を見上げて「へんてこだな」「親に似てないなあ」「遺伝の失敗かな」という。
白い花にはたくさんの蜂やちょうちょや鳥が集まって仲良くやってきた。
だから世の中が今まで通りなら白い花を咲かせば良い。
こうして親とそっくりな花を咲かせるのは遺伝の仕事だ。
でもこれからの世の中がどうなるか分からない。
真っ白な世の中が来たら白い花は見えなくなって蜂やちょうちょや鳥は困るだろう。
そんなとき黒い花は見つけやすい。これからは黒い花の時代になるだろう。
だからいくつかに一つは親と全然違う花を咲かせるのも遺伝の仕事なんだ。
黒い花には蜂やちょうちょや鳥がたくさん寄ってきてこういうだろう。
「生まれてきてくれてありがとう」


お父さんとお母さんの子供である君は、お父さんに似て背が高いこともある、お母さんに似て色が白いこともある。これを遺伝という。
でも毛むくじゃらの子供が生まれることもある。ほとんどは親に似ているけど親とは違う子供が生まれることもある。
お医者さんは毛むくじゃらの君を見て「遺伝の病気です」「残念でした」というだろう。
まわりの人は君を見て「へんてこだな」「親に似てないなあ」「遺伝の失敗かな」という。
でも君のお父さんは君をみて「世界一かっこいいよ」、お母さんは君をみて「世界一かわいいわ」というだろう。
お父さんやお母さんはほかの大人達と仲良くやってきた。
だから世の中が今まで通りなら親とそっくりな子供が生まれれば良い。
こうして親とそっくりな子供が生まれるのは遺伝の仕事だ。
でもこれからの世の中がどうなるか分からない。
雪に包まれた寒い世の中になったら、大人達はみんな死んでしまうだろう。
そんなとき毛むくじゃらの君は生き延びて、君に似たたくさんの子供を作るだろう。
だから何人かに一人は親と全然違う子供が生まれるのも遺伝の仕事なんだ。
君のまわりにはたくさんの人が寄ってきてこういうだろう。
「生まれてきてくれてありがとう」