今回のタイ、プーケット旅行で私が1番ドキドキしたこと

それは夫が野犬に噛まれたことでした

『タイで野犬に噛まれる=狂犬病=死』

と、ぼんやり知識にあった私にとって

久しぶりに焦りを感じるハプニングでした

 

 

タイはプーケットのシャロン桟橋エリアに

一泊したときのこと

 

離島から戻る際

昼間に飲んだ酔い止め薬の影響で

夫が深夜に寝れないからと散歩に出かけました

 

タイは比較的治安がよく

夜になると野犬がでてくるのは知っていたけれど

今までのタイ旅行でも何回か野犬には遭遇したことがあり

その度に回避してきた経験から

『噛まれることは滅多にない』と思いこんでいました

 

 

だから散歩に行った夫が

『野犬に噛まれた』と言って

ホテルに戻ってきた時は本当に焦りました

 

夫の話では

『Phuket tourist rescues center(ツーリストレスキューセンター)の前あたりに野犬がいて

威嚇してきたけれど通り抜けた

噛まれのは

その先の大通りchaofa e rd.にある市場あたり

成犬の細身の野犬

その犬に威嚇されるわけでもなく

突然うしろからガブッと噛まれた』

とのこと

 

 

今回の旅で私がタイを訪れたのは5回目

その1回づつの旅が長期旅行のため

トータルすると4ヶ月くらいは

タイに滞在していることになる

けれども

野犬との遭遇、威嚇まではあっても

噛まれるのを身近で経験したのは初めてでした

 

夫に関しては私の倍のタイ渡航歴があり滞在も長く

これまで野犬に遭遇、威嚇、

自転車に乗っているところを

追いかけられる経験まではあっても

噛まれたのはさすがに初めてで

本人も動揺していました

 

 

帰宅してまずはシャワーで2、3分傷口を洗いました

 

 

噛まれてからホテルに帰宅する間に出会った地元の人に

その犬は子犬か成犬かを聞いてきたようです

 

なぜなら成犬よりも子犬のほうが

(強い?)ウイルスを持っている率が高いそう

『水で洗って、消毒しなさい』と

その人にアドバイスを受けたので

患部を水で洗った後

夫はコンビニに消毒液を買いに行きました

 

幸いにも私達はレンタルバイクをしていたので

バイクでコンビニまで行くことができました

(歩いて行ける距離だけど野犬がいるため歩きたくない)

 

 

夫が消毒を買いに行っている間に

私は狂犬病について調べまくりました

  

情報が少ない中

どこかのサイトに

〚噛まれた後は水洗いを15分する〛と書いてありました

 

なので夫がコンビニから帰宅後

再度水洗いを15分し

夫がコンビニで買ってきた消毒液を2種類塗り

その後は私が日本から持ってきた傷用の軟膏を塗りました

これがいわゆる応急処置というものでした

 

 

コンビニで夫が買ってきた消毒液2種類

 

コンビニの店員さんに聞いたら

すぐにこの2つを持ってきてくれたそうです

さすがタイ、あるあるなのかな?

 

左がアルコール、右はイソジンだと思われます

 

※ちなみに私達が当日宿泊していたホテルは

深夜になるとフロントは無人になるため

自分達でどうにかするしかなかったのです

 

 

このあとするべきこと

 

噛まれてから24時間以内に

狂犬病の暴露接種(事後接種)を受けなくてはなりません

 

それも

接種1回目を0日とし

3日後、7日後、14日後、21日後、28日後

全部で5回接種しなくてはならないのです

 

これは絶対に!

 

 

なのでまずは病院探し

まず候補に上がったのは

プーケットにある日本人通訳がいる私立病院

海外旅行保険に推奨されているような大きな病院

バンコクプーケット病院

プーケット国際病院

など

 

すぐにネットに出て来たのがこの病院でした

大きいし安心感があるけれど

クチコミを見ると

見事にその評価が

悪いと良いに真っ二つに分かれていました

そのクチコミを見るとなんだか不安になり…

 

その不安要素は

・医療費がすごく高いらしい(とはいえこの緊急事態には金額は問題ではない)

・すごく待つらしい(早く打たなければならないこの緊急事態には引っかかる)

・対応が悪いらしい(不安しかないこの事態、言葉の壁もあるのにさらに冷たく対応されたら心が折れそう)

 

※ちなみに私達夫婦は英語が得意ではありません

いつもなんとなくで済ませています

 

 

次に考えたのが、現在いるところから1番近い病院

それが公立病院のシャロン病院

 

調べた結果良い点は

・公立病院なので私立病院に比べて安いらしい

・待ち時間が長くないらしい

 

一刻も早く接種できるのはこの病院だと思うけれど

私立病院もこちらの公立病院も

私達がこれから滞在するエリアから遠いのが気になる点でした

 

全5回接種しなくてはいけないのを考えると

これから滞在するエリアに

なるべく近い方がいいのではないかと思ったのです

 

 

Googleマップで

これから滞在するエリアの病院を調べました

するといくつかのクリニックと呼ばれる個人病院がありました

 

中でもこれから滞在するホテルに近いクリニックの

クチコミを読むと

『先生が優しく誠実』

『丁寧に説明してくれる』

と先生に対する高い評価の口コミが多く

その中には、猿に噛まれて受診した旅行者の口コミがあり

(狂犬病は犬だけでなくて、猫、猿、コウモリなども同じ)

この病院で暴露後接種が可能なのだと確信し 

直感でこの病院に決めました

 

宿泊予定のホテルからバイクで5分もかからない距離です

診療時間や休診を事前に調べておきました

 

 

まもなく朝を迎え

宿泊していたホテルをチェックアウトした後に

その日泊まるホテルへ移動しチェックイン

その後その病院に向かいました

 

 

お世話になったクリニック

Prasit clinic Cherngtalay Phuket

 

 

(院内は意外と明るい)

 

 

患者さんは1組しかおらず

受け付けで

野犬に噛まれたので

ワクチンを打って欲しい旨を伝えました

 

1分とまたないうちに病室に呼ばれました

口コミ通り優しそうな先生

 

不安な私たちに対し

なんにも大ごとではなさそうな対応が

逆に私たちを安心させてくれました

 

 

 

無事1回目のワクチンを終えたのが

噛まれてから9時間後でした

 

接種の計画表を渡され

この病院で打てるのは4回目まで(4回目の接種がちょうど帰国日)

5回目は帰国後、日本で打つことになりました

 

 

接種の計画表

 

 

費用はワクチンの料金だけで

カウンセリング料や初診料は取られず

650バーツ(2600円)/1回

 

私立病院の約5分の1の料金で

時間はトータル15分で終わりました

 

この病院を選んだ自分の直感を信じて良かった

と思える瞬間でした

 

すごく不安な気持ちを

先生の世間話(奥様が親日家話など)で

和ましてくれたのも感謝しています

 

 

その後、合計4回こちらの病院に通いました

患者さんは地元の方、旅行者もいて

プーケットはスリンで病院を探すなら大変お薦めです

 

 

タイは国民の9割が仏教徒

 

タイの野犬は100万頭もいるらしいです

殺生をしない仏教の教えが息づき

殺処分で減らすことが許されていません

 

まだまだ飼い犬でも

狂犬病のワクチンを打っていない犬が多いと言われるタイ

野犬ならば、なおのこと

昼は怖い思いをしたことがないのですが

夜は気をつけようと再認識した今回のハプニングでした

 

 

発症すると死亡率100%、まだ特効薬などない狂犬病とは

人がウイルスを持っている動物に噛まれることで

狂犬病ウイルスが筋肉から神経に入り

最終的にウイルスが脳まで到達して

生命維持に必要な脳の中枢を破壊し、死に至る病気

狂犬病を発症すると

動物でも人間でも100%死亡するといわれています

 

 
 

【その後のメモ】

●夫が噛まれた箇所はふくらはぎ

脳から遠い箇所だったのでそれは本当に安堵しました

 

●最後5回目の接種は

地元の総合病院の感染症内科で無事接種することができました

個人病院では断られたりしました

 

●タイと日本の接種費用は海外旅行保険適用になりました

 

●野犬はタイに限らず多くの国にいます

今回噛まれたからとはいえタイを怖い国だと思わないでくださいね

『深夜、田舎、歩く』

これがキーワードではないかと思っています

来月、またタイに行くので気をつけて行ってきます

タイは変わらず大好きな国です

 

 

 

【おまけ】

 

見苦しくて申し訳ありません 笑

噛まれて数日後の患部(ふくらはぎ)です

直後は赤く腫れて血がにじんでいました