先月
「在宅ホスピスボランティアにじいろ」さんが
開催されたセミナー
講師の先生をお招きしての講演会で
ピアノを演奏させていただきました。
講演の内容は
看取りを経験してから
ご自身がどのように立ち直り
前向いて歩いてきたか
という内容でした。
最初、この依頼のお話を聞いたとき
正直「自分にできるのかな？」
という不安がありました。
それは
自分も父を看取り
それを受け入れられない時期があり
嫌でもそれを受け入れなければ
ならない時期があり
非常につらい時期があったからです。
何もしていなくても
涙が止まらなくなったり
身近な人の「死」というものに
過敏に反応をするようになり
コロナ禍になり
毎日死者数が出るようになって
ますます自分の心を
コントロールできなくなった
時期があったのです。
自分が自分でなくなるような
気を抜くと崩れてしまうような感覚が
ここ数年続いていました。
今は随分とラクになり
前ほど落ち込むことも少なくなりましたが
それでも怖いもの、という感覚は
どこかにあると思います。
そんな状態での依頼でしたので
本当に自分にできるのだろうか？
現在看取りが目の前にある人
苦しみの中にいる人
向き合いながらももがいている人
どう立ち直ればよいのかわからない人
サポート団体の人たち
が会場にいて
私はそこで弾くのです。
泣かずにできるの？と
何度も思いました。
それでも
やれるかもしれないし
自分のステップアップにもなるかもしれないし
何より
あなたのピアノで
皆さん涙を流して
癒されると思うのです
という依頼をくださった方の言葉に
断ることはできませんでした。
当日、講演内容を聞くと
「胃がん」で奥様を亡くされた方の
お話でした。
父も「胃がん」
一瞬ドキッとなって
あ、どうしよう。。。
と思ったのですが
すぐに落ち着き
冷静になった自分がいました。
そこからは
お話を聞きながら
聞いておられる皆様を見ながら
どの曲を演奏しようと
考えながらいました。
リクエストをいただいていた曲と
自分なりにこれが良いのではないかと
思う曲を10数曲用意していました。
全てのリクエスト曲を
演奏することは
時間上でも難しかったのですが
私の体験談も
少しだけお話させていただいて
自分ができることは
音楽しかないこと
この日のピアノが
皆さんの中にどう伝わるかは
わからないけれど
ちょっとした励みであったり
前向く気持ちであったり
泣けるタイミングであったり
何かのきっかけになると
嬉しいですとお伝えして
演奏しました。
人はいつか
そのタイミングがきます。
それは早かれ遅かれ
今は順番も納得できる形とは
限りません。
心の準備ができる期間が
あるとも限りません。
長く続く闘病生活で
疲れてしまう形もあると聞きます。
何がその人にとって
一番良い形か
なんてことはわかりませんが
生きているこの瞬間を
この時間を
自分が誰かに気を遣ってとか
我慢をしてとか
何かにとらわれて
とかでなく
少しでも輝く時間であるように。
後悔しないように生きようとは
思っていても
後悔することはきっとあると思うし
やり切った！なんて
思えるか？なんてことは
誰にもわからないけれど
大事にしたいものを大事にして
自分を大事にして
人と自分が違ってても
誰かに何かを言われたところで
自分の人生は自分しか生きられないわけで
命の重みも
感じ方も
死生観も
ひとそれぞれ
そんな中で
自分がどう生きていきたいのか
が大切なのだろうと
あらためて感じました。
それでも
悔やむこともあれば
迷うこともあるし
私自身
父に対して
後悔がないとは言い切れませんが
そこから自分がどう進んでいくのか、は
自分で決めなければならないと思っています。
難しいですね
考えすぎると。
でもね、一つ思ったのが
悩んでいる人
泣いている人
というのは
優しい人なんだな、と
痛感しました。
だから悩んで
苦しいのだろうなって。
強くあろうとすればするほど
優しさがでてしまって
自分が苦しんでしまう、、、
そういう人たちが
たくさんいるんだなと思いました。
私自身、看取りという言葉も
そういう人たちが集まる場所も
正直避けていたのですが
自分にできることがあるのかもしれないと
思わせてもらった
とても貴重な時間でした。
華やかなだけが音楽ではなくて
楽しいだけが音楽ではなくて
本当に癒されたいときとか
泣きたいときにも
音楽は必要とされるのでしょうね。
それを本当に
目の前に見た時間でもありました。
今回のこの依頼は
自分にとっても
大きな大きな一歩となりました。
自分ができることの幅も
自分の思考の中で
広がったようにも思います。
音楽はいろいろなシーンに
寄り添うことができますね。
またこの場所で弾ける日がくるといいなと
思いながら
この記事を書いています。
少々重め？な記事になってしまいましたが
自分が感じること
感じていたことを
そのまま書いてみました。
つらくなった方もいるかもしれません。
みんなが通る道なのかどうか
それさえも私もわかりませんが
いつか前を向いて歩いて行けると
それだけを信じて
今を大切に過ごしてくださいね。
長文を最後まで読んでいただき
ありがとうございました。
講演後、
ご依頼くださった藤原様と
サポートのめぐさんと。
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