本日は、少し重いテーマですが、延命治療について少しだけ。

 

ご両親の介護で、あるいはご自身の老後で、いずれは誰もが

 

向き合わないといけないことですので、誰かのご参考になればと、

 

私の場合を書かせていただこうと思います。

 

 

 

 

 

詳細は避けますが、有料老人ホームに入居していた実家の母が、今週頭に、

 

酸素濃度が急激に70まで下がり、救急車で近隣の病院に運ばれました。

 

救急搬送された病院の担当ドクターの電話による病状説明では、軽度の肺炎との事。

 

治療をして順調に回復すれば、約2週間で退院予定。

 

しかし、元々肺の基礎疾患があり、在宅酸素だった母は、酸素が自力では上手く

 

取り込めない状態にて、医師から急変した場合、人工呼吸器に繋いで

 

延命治療をしますかと、いきなり問われました。

 

 

元々、本人や家族とは、万が一そういう状態に陥った時、90歳を超え、

 

充分長生きをしましたので、もう延命治療をしないという話はしていましたが、

 

いざその場になった場合、かなり慌てますし、迷います。

 

母は既に呆けていて判断は出来ませんし、私の一存では決められませんので、

 

他の家族とも相談の上、お返事を差し上げますと一旦電話を切りました。


 

 

延命治療とは何かと言いますと、

 

ネットから↓をコピーさせていただきました。

 

 

”延命治療は、回復の見込みがなく 死期の迫った患者に点滴で栄養補 給をしたり、機械(人工呼吸器な ど)を装着して心臓や呼吸の動き を維持する処置のことです。 人生の最終段階での終末期医療の決定は、個人の意思が尊重される ようにと、近年、議論がされています。”

 

 

具体的な延命治療とは、

 

「人工呼吸」

 

「人工栄養」

 

「人工透析」

 

の三種類です。

 

 

このうち「人工栄養」は、

 

”口から食事を摂れない方に対して行われます。食事による栄養摂取ができないため、胃ろう、経鼻経管栄養法、中心静脈栄養などの方法で栄養を体内に送ります。”

 

残りの二種類は、文字通りですので、説明しなくてもお分かりになるかと存じます。

 

 

母の場合の延命治療は、このうちの最初の「人工呼吸」

 

自発呼吸が出来なくなり容態が悪化した場合、人工呼吸器につなぐかどうかの

 

選択を迫られた訳です。

 

 

同じ有料老人ホームに入居している父に先ずは電話。

 

母の病状を説明し、急変した場合、人工呼吸器を付けてもらうかどうか問いました。

 

父は、僅かの沈黙の後

 

「可哀想だけれど、人工呼吸器を付けたりの延命治療はせずに、自然に亡くならせて

 

欲しい」と、即答しました。

 

父の返答を聞きながら、電話口で、思わず泣きそうになった私。

 

事前に決めておいても、延命治療の選択って、いざその場になったら、逡巡し、

 

冷静に判断出来ず、かなり迷うものなのですね。

 

 

つい最近放送されたNHKの土曜ドラマ「お別れホスピタル」をご覧になられた

 

方はいらっしゃいますか?

 

 

泉ピン子扮する水谷さんは何年間も自宅で夫の介護をしていたですが、

 

夫は重度の肺炎になり、救急車で病院へ搬送されます。

 

自発呼吸が出来ない夫を前にして取り乱した水谷さん(泉ピン子)は、

 

「人工呼吸器」を付けてもらう選択をします。

 

そして、夫は、そのまま病院のベッドでずっと眠り続けています。

 

ドラマでは、結局水谷さんの方が、夫より先に亡くなってしまうのですが、

 

誰でも、救急車で運ばれ苦しんでいる家族を目の前にしたら、動転してしまうのは

 

当たり前かと思います。

 

人工呼吸器をつけるか、付けないかという選択、どちらが正しいかは、

 

誰にも分かりませんし、人それぞれですが、いざという時慌てないように、

 

前もって考えて、家族間で話し合い、ある程度の合意をしておくと

 

良いような気がします。

 

 

 

 

夜、仕事から戻った妹とも電話で意思確認。

 

結婚してから70年近く、母と生活を共にして来た、最も身近にいる父の意見を

 

尊重し、当初の取り決め通り、「人工呼吸器」は付けず、延命治療をしないと、

 

妹と最終結論に達しました。

 

 

翌日、電話にてその旨を主治医にお伝えしました。

 

更にその翌日、いつ様態が急変するか不明ですので、意識があるうちに

 

母にお別れをと、妹と一緒に急遽実家地方に帰省。

 

病院に母の顔を見に行って来ました。

 

 

担当のドクターとも、初めて直接お会いしました。

 

電話では、「本当にそれで良いですね?」と何度も強い口調で再確認されたドクター

 

ですが、

 

私に向かって、「とても賢明な選択だったと思います。

 

お母さんの場合は、人工呼吸器に繋いでも、離脱の可能性はないので、

 

人工呼吸器に繋がれ意識がないままの状態がずっと続くだけですから。」と

 

言われました。

 

「賢明な選択だった」と医師から言われ、少しほっとした私です。

 

 

今後容態が急変した場合は、いわゆる緩和ケアの一種になるのかしら?

 

本人が苦しまないように、医療用麻薬を投与して、

 

眠るように静かに死を迎えるという事になりそうです。

 

 

 

 

 

 

さて、お見舞いの後は有料老人ホームへ父の面会に。

 

万が一の場合、どんな葬儀にしたいかと、こちらも父の意思を確認しつつ、

 

久し振りの親子3人揃っての水入らず時間

 

女姉妹二人が揃えばそれなりに姦しく、父を囲んで、きゃっきゃっと笑ったり、

 

穏やかな時間を過ごす事が出来ましたよ。

 

 

 

帰りのあずさの車中で、山梨に入り長坂辺りからかしら。

 

何とあずさから、雪に覆われた富士山が、結構大きく鮮明に見えて。

 

日没直前でしたので、淡い茜色に染まった空と真っ白の富士山が、

 

本当にうっとりする程美しいです。

 

長坂から小淵沢、更にその先甲府盆地に入るの手前くらいまで約30分強、

 

ずっとほのかに染まった真っ白な富士山が綺麗に見えて、プチ感動ものでしたよ。

 

写真を撮れば良かったとちょっと後悔ですが、富士山をちらちら見て、

 

その美しさに癒されながら、葬儀社の検索をしたりしている姉妹でした(;^_^A

 

 

 

 

 

現在のところ、病院から急変の連絡もなく。

 

このまま、持ち直して退院出来ればと祈っています。

 

それが無理でも、せめて夫が海外出張から戻るまでの後10日間

 

欲を言えば、確定申告が無事終了し、寒~い実家地方が、少しだけ暖かくなる

 

3月半ば過ぎまで、もって欲しいと願っています。

 

 

とは言え、いつ病院から連絡が来るか分からず、夜も良く眠れず、

 

落ち着かない日々を送っていますよ。

 

 

 

 

 

 

 

お読みいただき、有難うございました。