今日は「ボージョレー・ヌーヴォー」のトリビアです。
この記事は去年の11月21日とほぼ同じ内容です。
11月の第3木曜日である明日は、「ボジョレー・ヌーヴォー」の解禁日です。
そのうんちくを今年もご紹介しましょう。
【ボジョレー? ボージョレー?】
生産団体(フランス)では「ボジョレー」(Beaujolais)、
販売団体(日本)では「ボージョレー」が、一般的なようです。
そもそも、ボジョレー地区とは、フランス・ブルゴーニュ地方の
最南端に位置します。
コート・ド・ニュイ地区やコート・ド・ボーヌ地区は、
ピノノワール種だけを原料にしています。
ところが、ボジョレー地区はそれより格下の品種である
ガメイ種が使われています。
また、このボジョレー地区は
クリュボジョレー、ボジョレーヴィラージュ、ボジョレーの
3つのランクに分かれています。
その中で、ヌーボー(新酒)として出荷しているのは、
ボジョレーヴィラージュとボジョレーだけです。
それで、この時期出されるボジョレー・ヌーボーは、
実は味なんかどうでもいい3級品の、ただ酔うためだけの、安酒なんです。
それが証拠に、空輸してきても、
新酒の値段は、数百円~3000円/ボトル でしょう?
そもそも、ボジョレー・ヌーボーは、
かつてはリヨンの居酒屋やビストロで、
がぶ飲み用として売られていました。
100年以上前、11月の時期になると
酒飲みたちがこのワインを求めて、フランスの各地からやってきていました。
そんな客をあてこんで、まだワインとはいえない
未完成品を出荷する悪質業者が横行したため、
政府は粗悪品を出荷しないようにと、解禁日を法律で設定しました。
ワインは本来、2~3年寝かせたほうが、味が良くなるんだそうです。
ところが、ボジョレー地区は素々、ブドウの品種が悪い、
しかも、年が明けると味が落ちてしまうという代物。
それで、早く飲める以外に、何の取り柄もないワインを、
仕込んですぐ売りさばこうという、
醸造家にして実業家のある人物が、50年前に現れました。
彼は早く飲めることを「個性」としてアピールし、
リヨンの3ツ星レストランの「ポール・ボキュース」のメニューに入れ、
高級品として演出しました。
そしてラベルのデザインを毎年変えて、視覚的にアピールし、
生産地にワイン村を開設。
さらにアメリカと日本の有力販売業者への売り込みと
販売市場の拡大を進めました。
また、急増する需要に答えるため、ブドウ農家の組織化と
マセラシオン・カルボニック法と呼ばれる急速発酵技術で、
熟成させる時間すら与えずに資金を確保、
11月の第3木曜日が解禁日であることを広報して、
予約販売を強力に進めました。
こうして、「早く飲めるしか取り柄のない」粗悪な安ワインを
お祭好きな日本人は、「美味い」と言って飲む、
生産管理団体は、在庫を抱えることなく確実に儲けが出せるという、
「キャッシュ・フロー」経営ができる。
こんな商売の裏側を知ってしまうと、
つくづく日本人っておめでたい民族だなと、
苦笑せざるを得ません。
知らないほうが良かった??
私はそんな「粗悪なワイン」飲まないで、明日は「ナポレオン」でも飲みますか。
いつも差し入れありがとうございます
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11月の第3木曜日である明日は、「ボジョレー・ヌーヴォー」の解禁日です。
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【ボジョレー? ボージョレー?】
生産団体(フランス)では「ボジョレー」(Beaujolais)、
販売団体(日本)では「ボージョレー」が、一般的なようです。
そもそも、ボジョレー地区とは、フランス・ブルゴーニュ地方の
最南端に位置します。
コート・ド・ニュイ地区やコート・ド・ボーヌ地区は、
ピノノワール種だけを原料にしています。
ところが、ボジョレー地区はそれより格下の品種である
ガメイ種が使われています。
また、このボジョレー地区は
クリュボジョレー、ボジョレーヴィラージュ、ボジョレーの
3つのランクに分かれています。
その中で、ヌーボー(新酒)として出荷しているのは、
ボジョレーヴィラージュとボジョレーだけです。
それで、この時期出されるボジョレー・ヌーボーは、
実は味なんかどうでもいい3級品の、ただ酔うためだけの、安酒なんです。
それが証拠に、空輸してきても、
新酒の値段は、数百円~3000円/ボトル でしょう?
そもそも、ボジョレー・ヌーボーは、
かつてはリヨンの居酒屋やビストロで、
がぶ飲み用として売られていました。
100年以上前、11月の時期になると
酒飲みたちがこのワインを求めて、フランスの各地からやってきていました。
そんな客をあてこんで、まだワインとはいえない
未完成品を出荷する悪質業者が横行したため、
政府は粗悪品を出荷しないようにと、解禁日を法律で設定しました。
ワインは本来、2~3年寝かせたほうが、味が良くなるんだそうです。
ところが、ボジョレー地区は素々、ブドウの品種が悪い、
しかも、年が明けると味が落ちてしまうという代物。
それで、早く飲める以外に、何の取り柄もないワインを、
仕込んですぐ売りさばこうという、
醸造家にして実業家のある人物が、50年前に現れました。
彼は早く飲めることを「個性」としてアピールし、
リヨンの3ツ星レストランの「ポール・ボキュース」のメニューに入れ、
高級品として演出しました。
そしてラベルのデザインを毎年変えて、視覚的にアピールし、
生産地にワイン村を開設。
さらにアメリカと日本の有力販売業者への売り込みと
販売市場の拡大を進めました。
また、急増する需要に答えるため、ブドウ農家の組織化と
マセラシオン・カルボニック法と呼ばれる急速発酵技術で、
熟成させる時間すら与えずに資金を確保、
11月の第3木曜日が解禁日であることを広報して、
予約販売を強力に進めました。
こうして、「早く飲めるしか取り柄のない」粗悪な安ワインを
お祭好きな日本人は、「美味い」と言って飲む、
生産管理団体は、在庫を抱えることなく確実に儲けが出せるという、
「キャッシュ・フロー」経営ができる。
こんな商売の裏側を知ってしまうと、
つくづく日本人っておめでたい民族だなと、
苦笑せざるを得ません。
知らないほうが良かった??
私はそんな「粗悪なワイン」飲まないで、明日は「ナポレオン」でも飲みますか。
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