善人の村 | ~原点回帰~

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いらない思考や思い込み、余計な執着を手放して 『原点回帰』 しませんか?

ある所に『善人の村』という所がありました。

 

人口は50人しか居ませんでしたが、そこでは皆が本当に仲良く助け合い、一日中笑顔で過ごしていて、悲しんでいる人や怒っている人、脅えている人・・・などは一人も居ませんでした。

 

ところがある日、『殺人を犯して刑務所に入って居た人たち50人』が一斉に刑期を終えて、善人の村に送られてきました。

信じられないことに、その殺人犯50人たちも、元々は善人の村に住んでいたと言うのです。

 

 

なぜ、善人の村に住んで居た人たちが殺人を犯したのか?

元々は善人の村に住んでいたからと言っても、一度でも殺人を犯した様な人たちが、なぜ善人の村に帰ってくるのか?

 

村人には理解ができませんでした。

 

元々は善人の村に住んでいたからと言っても、一度でも殺人を犯した様な人たちです。怒らせると何をされるか判りません。

相手の顔色を伺いながら、穏やかに接する様にするしかありませんでした。

 

その殺人犯たちが来てからというもの、村人たちは安らぐことが出来ず、夜も恐怖に脅えてろくに睡眠もとれていませんでした。

 

数か月が経ち、村人たちの心も体も限界がきていました。

そしてついに、村人たち全員が集まって会議をすることとなりました。

『あの殺人犯たちがこの村に居る限り、永遠に安らぎは来ない!』

『昔の様な平和な村を取り戻すためには、殺人犯たちに死んでもらうよりほか方法はない』

『ちょうど、相手も50人でこちらも50人!みんな平等に一人ずつ殺そう』・・・

 

50人の村人たちは協力し合い、全員が一人ずつの殺人を犯し、一斉に刑務所に入ることとなりました。

 

善人の村の人たちは全員が模範囚となり、一斉に刑期を終えて全員で『善人の村』に帰ります。

 

『刑期を終えて村に帰れば、昔の様に平和な暮らしに戻れる』・・・全員がそう思っていたことでしょう。

善人の村に新たに住みついた50人から『殺人犯』と言う目で見られて、彼らが脅え・・・ついには・・・と言う事も知らずに。

 

彼らは善人なのでしょうか?悪人なのでしょうか?