皆様こんにちは。ナチュロパスの植村和美です。

先日、市川海老蔵さんが記者会見を開き、

奥様の麻央さんが、乳がんであると

公表されているのを、たまたまYoutubeで

見る機会がありました。

まだ麻央さんはお若いし、お二人のお子さんも

まだ小さくてママが恋しい時なのに、

闘病生活やつらい治療を与儀なくされることは

母としてまた、梨園の妻として、大変な思いを

されているのではないかと思います。

また海老蔵さんをはじめご家族の方々も全力で

麻央さんをサポートしておられるご様子、

一日も早いご回復を、祈るばかりです。

 

国立がん研究センターが発表した

2015年度のがん罹患数予測数は、

女性の場合、最も多いがん疾患が乳がんで、

約89,400人だそうです。

アメリカや、イギリス、フランス

またイタリアと比較して、死亡率は小さいものの、

年を追うごとに、その死亡率の増加が見られます。

(参考のため、がん情報サービスのサイトをこちらからどうぞ

オートラリアでも乳がんの患者数は増えており

2015年の統計では、

85歳になるまでに8人に1人が乳がんと診断され、

しかも少数ではあるものの、男性でも

乳がんにかかる人がいるとのこと。

 

乳がんの原因は、生活習慣や、飲酒、環境ホルモン、食生活、

その他出産や授乳の経験がない、初潮が早く、閉経が遅いなど

様々ですが、その中でも、女性ホルモンであるエストロゲンによる

原因もよく知られています。

 

今日は、このエストロゲンに焦点を当てて、書きたいと思います。

(前置き長ーニヤリ

 

月の満ち欠けのように、

女性にとって定期的にやってくる月のものは、

主に、プロゲステロンとエストロゲンという2つのホルモンが

かかわっています。この2つのホルモンが排卵を境に

多くなったり少なくなったりしてバランスをとっているのですが、

エストロゲンの分泌が排卵後も、優位に立ち

多く分泌される場合、

または、それに相対するプロゲステロンの

分泌量が少ないために、

エストロゲンが優位に立つ場合、

エストロゲンは、乳腺を刺激したり、

細胞の増殖を促す作用があるため、

その増殖過程で、細胞の遺伝子に

変異が起こりやすくなると、

癌細胞の発生へとつながっていくことになります。

 

エストロゲンが優位に立つと、乳がんだけではなく、

出血過多や、生理前の乳房の痛みやいらいら感、 

子宮筋腫などの原因にもなります。

 

エストロゲンは実は、3種類あります。

最もエストロゲンとしての作用が強い、エストラジオール(E2)

その次に作用のあるものが、エストロン(E1) そして、最も

エストロゲン作用の弱いストリオール(E3)です。 

エストロン(E1) は、エストラジオール(E2)

エストリオール(E3)に変換し、

エストラジオール(E2)からエストロン(E1)への逆変換も起こります。

そしてエストラジオール(E2)から

エストリオール(E3)への変換もあります。

- カタカナのややこしい名前が並びましたので、

E1、E2, E3で記述していきます。

最も影響力のあるE2は、主に卵巣で作られ、

2番目にエストロゲン作用のあるE1は卵巣や副腎、肝臓、脂肪組織で

つくられますが、閉経後は、脂肪組織と一部、肝臓や副腎で

作られたE1が主要なエストロゲンとなります。E1E2

多少変換されますが、それは変換に必要な酵素次第となります。

 

実は、このエストロン(E1)は、乳腺や子宮の組織を刺激する

エストロゲンで、乳がんや子宮がんのリスクが高くなります。

閉経後に乳がんや子宮がんにかかるリスクが高まるのは

閉経後にエストロン(E1)が主なエストロゲンとなるからです。

 

なお、ある文献によりますと、アルコールを一日2杯飲むことにより、

エストロン(E1)へのシフトが進みやすくなるとの報告があります。

また、エストロン(E1)は、脂肪組織でも作られるため、

肥満は、エストロン(E1)が増える原因となります。

 

エストラジオール(E2)エストロン(E1)も、体内で代謝されますが、

代謝物質と乳がんのリスクとの因果関係が、

最近の研究では証明されています。

 

特に注目すべき代謝物質は、

① 2-水酸化エストロン(2-OHE1)

② 16α‐水酸化エストロン(16α-OHE1)

③ 4-水酸化エストロン(4-OHE1)

なのですが、

このうち①の2OHE1は、エストロゲンが

誘発する癌を抑制する作用があるのに対して、

②の16αOHE1は癌のリスクを高める

可能性があります。

この2つの代謝物質の比率をみることで、

乳がんや、

骨粗しょう症のリスクを予測することができます。

比率が低いほど癌のリスクが高く、

また、比率が高すぎると

骨粗しょう症のリスクが高まります。

 

また③の4OHE1という代謝物質は、

遺伝子にダメージを与えやすい物質であるため、

この値が高いと乳がんをはじめとする

がんのリスクが高まります。

 

これらエストロゲンの代謝物質の値は、

尿検査によって調べることができます。

 

検査についてお問い合わせは

こちらまでダウン ダウン

 

 

エストロゲンのお話は更に

続きますー こちらをどうぞ