普通のこと① | トロイメライ
※人形が会話しているかのような表現があります








トモキ「イデデッ…ったくあの馬鹿力…sss

タクミ「お姉さんか?」

トモキ「まだ首いてぇ…あいつまじでゴリラ並だわ。タクミの姉ちゃんの爪の垢でも煎じて飲ませてやりてぇ」









タクミ「でも、何だかんだ仲良いじゃん。いいお姉さんだな」










トモキ「バッカ!あんな狂暴で見境のない女好きゴリラの何処がいい姉なんだよ!?」

タクミ「なるほど、お前とソックリだな」

バンッ!!1

トモキ「一緒にすんな!俺はあいつみたいに見境ないわけじゃなく、恋多き男なの!」

タクミ「ハイハイ」









トモキ「……あいつだって、いつまでもあんなことやってて良いとも思えないし」

タクミ「……どういう意味だ…?」


トモキ「いや、だから」








トモキ「あいつだっていつかは彼氏とか作って、結婚するわけだろ?そんで子供産んで…って、それが普通だろ?」

タクミ「…………。」









トモキ「だから、いつまでも女の子女の子言ってないでとっとと現実見てさ、そんでいい男つかまえて幸せになって欲しいって思ってるし」

タクミ「ふぅん……」

トモキ「…あ、もちろん相手は俺以上にいい男じゃなきゃ許さないけどな!」

タクミ「条件のハードル滅茶苦茶低いな」

トモキ「タクミくんドイヒー!!泣









トモキ「あー、でもタクミくらいのいい男だったら、理想かなー」

タクミ「俺は、お前みたいにうるさい義弟なんて御免だ」

トモキ「あだっ」





******









タクミ「(はぁ…ったくあいつは…言いたい放題言って帰りやがって…)」


タクミ「(……普通…か)」


?「タクミくーん」

タクミ「あ、はーい!」









ジェフ「タクミくん、お友達帰ったの?」










タクミ「あ、ハイ。すみませんマスター…騒がしくて」

ジェフ「いやいや、構わないよ。どうせ他にお客さんなんて居ないんだし・・・寧ろ店が賑わって嬉しいよ」

タクミ「はぁ、ありがとうございます」

ジェフ「もうお客さんもあんまり来ないだろうし、今日はキサラが来てくれるみたいから、タクミくん、もう上がっていいよ」

タクミ「はい、分かりました」

ジェフ「ところで、さっきチラッと聞こえちゃったんだけど、」









ジェフ「『女の子』とか『彼氏』とか、いいねぇ~青春だねぇキラキラ

タクミ「え!いや!そんな、マスターが思ってるような内容の話じゃ…」

ジェフ「いいなぁ、羨ましいよ~おじさんにもそんな眩しい時代があったんだよ~にこ









タクミ「いや!だから…」

ジェフ「そう言えば、タクミくんの方こそどうなの?」

タクミ「え?」









ジェフ「彼女。タクミくんモテそうなのに、そういう浮いた話全然聞かないけど」

タクミ「…はぁ……」









ジェフ「あれ?その顔…、もしかして、もう既に好きな子いる?」

タクミ「え」

ジェフ「あ、図星?えへへ~当たっちゃった?僕、職業柄結構そういうの分かっちゃうんだよねぇきゃは









タクミ「ハァ」

ジェフ「で?告白しないの?タクミくんに好きって言われて、断るような女の子いないと思うけど?」

タクミ「あ、いや…そんなことは」









ジェフ「またまた~謙遜しちゃって~大丈夫だって!タクミくんなら大丈夫!僕が保証するって!」

タクミ「…………。」


かこ「ぱぱー!」

ジェフ「あ、かこが起きた。ハーイ、ちょっと待って~。あ、じゃあタクミくん、上がって大丈夫だからね」

タクミ「あ、はい。じゃあ、上がらせてもらいますね」

ジェフ「うん、お疲れ様~」









タクミ「(『女の子』なら、ね…)」




に続く

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