メリークリスマス☆も、残すところあとちょっと。
今日はキョーコちゃんのお誕生日!ってことで、なにやら素敵で甘いお話とか作れていたら良かったんですけど…………
なーんにも出来てやしませんでしたっ!!
_:(´ཀ`」 ∠):
んで、今宵のこれはですね?
今日の今日に。それも夕方から、ネタもなんにも白紙真っ白状態から即興やっつけ仕事でぽちぽちとしてみた勢いだけの駄文にございますよ。
 いちゃラブ甘い素敵要素はナッシングでよくわからない物体となりはてましたので……
やっつけ仕事もやっつけ仕事な仕上がりにて、こっそりギリギリあっぷです。



お付き合いくださる方は、どうぞお覚悟となまあたたかなまなこでよろしくお願いしまする。
 *猫木めはコッミクス派ですゆえに本誌な流れからちくばくとなってたりするかもしれませぬ。
 
 

 
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最上キョーコ、軟禁なうです!?
 
 
 
 
……いや、『なう』はいくらなんでも古くない?なんて現実逃避なセルフ突っ込みがキョーコの心に虚しく響く。
なにせキョーコの現状は、背後に壁。右側には大きな手、左側には壁に肘をついた腕が……そして、キョーコの目の前には世に抱かれたい男NO.1に君臨なさる妖艶なまでの美貌なお方のその身体がキョーコの逃亡を阻んでいたりするのだ。
所謂、壁ドン。それも、わざとですか?襲ってますか?な超至近距離の。
たいていの女性……いや、もしやしたら性別関係なく強制的にときめかすおつもりですか?な乙女の憧れシチュエーションなのだろうが……
「捕まえた。」
と、実に楽しげな低音で囁かれその腕の中に捕らえられたキョーコといえば、目を合わせたら喰らいつかれるとでも思っているのかキョロキョロと視線を彷徨わせふるふると震えた小動物ばりに怯え切った様子で。
それでもキョーコなりに必死に、どいてくれとばかりにその胸を弱く押しながら抗議の言葉を吐くのだった。
「誤解っ、されます!」
幸いにも周囲に人の気配はないが、それもいつ人がやって来るかもわからないこんな場所で!いくら地味で素うどんな私でもっ!敦賀蓮なのである、どんなスキャンダラスな話題で騒ぎ立てられるや!!
が、そんなキョーコの文句など聞く耳持たないでいやがるのが今宵の蓮だ。
「誤解?あぁ、俺が最上さんを口説いてるって?」
キョーコがやっとこちらを向いてくれたのがさも嬉しいとばかりに、その形の良い唇にキョーコにはいじめっ子の顔に見えてしまうような笑みを浮かべてさらりとのたまう。
「誤解じゃないからいいんじゃないかな。実際に、最上さんを口説こうとしてる訳だし。」
甘くそう告げる。
地獄まで秘めると決めた片想いの相手からの熱烈なアピールに、とうのキョーコはといえばヒィッ!と怯えた悲鳴を上げるのだった。
なにせ、キョーコは自分が蓮の恋愛対象になる筈がないとそうがっちりと思い込んでしまっているありさまで。
その上、キョーコの恋愛思考回路はどうにも斜め上へと捻れにこじれ切ってしまっている。
そんなキョーコの恋愛思考回路が目の前の蓮のおかしな振る舞いに対して、壁ドンシチュの混乱の極みで弾き出した答え。
それがごく一般的な、敦賀さんってもしかして私のこと……な胸キュン方向へと向かう筈もなく。
蓮から顔を隠すように栗色の髪の頭を俯かせたかと思えば、キッと怒りの色を浮かべた瞳で尊敬する先輩俳優を睨み付けると叩きつけるように告げる。
「妥協なさらないでくださいっ!!」
敦賀さんのヘタれ!と、キョーコは心の中で蓮を罵る。
いくら本命彼女に告白出来ないで、ひとりきりなクリスマスだからってなんとも思ってない私を誤魔化しな代用品に口説こうだなんて!と。
もし、この状況下なキョーコの心の声が第三者に聞こえたならば、どうしてそうなった!?となるに違いない。
キョーコでなくとも、最近よく耳にする事があるのではないだろうか?『クリぼっち』なるはやり言葉を。
そう、キョーコはこう考えたのだ。
あちらを向いてもこちらを向いてもカップルばかりが目に付くのがキョーコの誕生日なこの時期なのである。
そして、芸能界なんて特殊な業界においても、ひとりで過ごすのが嫌なばかりに、高嶺の花な本命よりもお断りされやしないだろう安全牌を引っ掛けようとする男の話なども良く良くと聞き及んでいるのだ。
黙って立ってるだけでもわらわらと彼女志願な女の子が群がるモテ男な蓮だとて、ひとりでクリスマスは寂しいのかもしれない。
がっ!!キョーコにしてみれば、こちとら地獄まで秘めると決めた片想い重い重い片想いなのである。
クリスマス限りなその場合わせなんかで口説かれようとも、相手が相手。迂闊にキョーコの蓮への想いがバレようものなら目もあてられやしないし、なにより心が痛い。
グイッと押し除けるように目の前の男の胸を押す。
手のひらに服越しに感じる鍛えられた体温にさえドキドキとなる自分の心臓が滑稽に哀れで、油断すればじわりと涙が滲んでしまいそうだ。
なのに、そんなキョーコに追い討ちをかけるように蓮は甘く言葉を吐くのだ。
「妥協なんかじゃない。最上さんじゃないと駄目なんだ。」
まるで、キョーコへ恋をしてるかのような真剣な瞳をして。
ふつりと、キョーコの中に怒りが湧いた。
そんなだからっ!貴方がそんなだから!!と、湧き上がる感情に突き動かされるようにキョーコの手が蓮のジャケットを掴み取る。
「こんな事ばっかりしてるからっ!隙があるからうっかりキスとかされちゃってスキャンダルになるんです!」
思わせぶりな揶揄いばっかで、その癖にうっかりこんな近づいちゃったりするからっ!と、目に焼き付いたように想い人と女優のキスシーンの場面がキョーコの脳裏に蘇る。じわじわと身を焼くような嫉妬心に、キョーコはまるでチンピラのように蓮の胸ぐらを掴みグイと引き寄せて叱責の言葉を吐き出す。
そんなキョーコに驚いたように、蓮は切れ長の瞳を少し見開くと少し気まずげに言った。
「…………一度だけ、だよ」
と。蓮の言葉に、キョーコの眉が更に吊り上がる。
紅茶色の瞳に浮かぶのはありありとした怒りの感情。
「一度なら、一度きりならっ!楠さんもサラリーマン男性でも私でも誰でも全部一緒ですかっ!!」
役者の心の法則で、一度だけならそれはキスじゃないとでも?口説いてるだなんて言ってこんな無防備に近付いたりするからっ!
ふざけないでください!その唇、噛み付いてやろうか!?と、どうせ一度はヤンマガ兄妹ミッションの中で噛み付いた事だってあるんだから、ちょっと場所が変わるだけじゃない!なんて、いざ蓮にじゃぁどうぞと言われれば途端に逃げ出してしまうだろう癖に、キョーコはそう考えていた、その時だった。
ぽつりと、呟くように低い声が落とされたのは。
「誰でも全部一緒なんかじゃない。最上さんとだけは……きっと、ダメだ。」
聞こえたその蓮の本音だろう声に、キョーコの心臓はキュゥと小さく小さく凍り付いたように痛む。
キョーコの手が蓮のジャケットから離れ、だらりと落ちてゆく。
そんなくっきりはっきりとキョーコだけはと口にするくらいだ。もしかしたら、彼の思い出したくもない思い出の恰幅の良いタラコ唇がチャームなサラリーマン男性よりずっとずっと、蓮にとってキョーコとのキスなんてあり得ないって事だろう。
『なら、私を口説くだなんて悪ふざけはいい加減にしてください。』と、そう恋愛を拒絶する後輩らしくこの隠れ遊び人へ苦言を告げてやろうと思うのに……
声を出すどころか息を吸うのでさえ、涙が溢れ落ちるきっかけになってしまいそうで、キョーコはただただ身を竦めていた。
するりと、キョーコの頬を柔らかな指さきが撫でる。ふわりと、あのセラピーな良い香りとぬくもりがキョーコを包む。
 何故抱き締められているのか、その意味もさっぱりと理解出来ないまま、蓮の腕の中に抱き竦められながらキョーコは低く甘い声を耳にするのだった。
 

 
 
「こんなに好きになった人は君だけなんだ。キスなんて……一度だけで止まれる筈がない。」
 
 
 
 
 
 
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蓮さんの胸ぐらを掴んでお怒りで嫉妬なキョコちゃんが浮かんで書いてみたらどうしてこうなった?お祝いは?告白は?プレゼントは?そんでもって、君たちどこにいるの?なあやふやっぷり。
((((;゚Д゚)))))))



うん。我ながら清々しい程、お祝い要素皆無ですねー☆



キョーコちゃんお誕生日おめでとー!!
 

 

↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。

 


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