おはようございまっす!
ほんのりこだわり5時あっぷ(予約投稿)にございます。
(*⁰▿⁰*) 
 
 
辺境の地な我が家の5周年なお遊び企画っぽいもの『5周年は5歳児でGO☆』なひとりめにてございますよー。
さて、ひとりめは誰ぞでしょうかな?
 
 
 
 
✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄
 
 
 
 
 
なんの前触れもなく唐突に5歳児に。
 
 
 
と、まぁ、そんな超常現象が我が身に起きたとならば……
驚き戸惑い、そして本当に元へ戻れるかと不安に怯えもするのであろう。
普通ならば。
疲れを知らぬかのような体力やハリ艶溢れんがばかりの若返りを喜ぶ気持ちもあるかもしれない。5歳児化する謎メッセージカードの拾い主がどこかのラブミー部員ばりに妄想癖逞しい気質持ちならば、魔法を疑ったり人類の野望不老長寿へと繋がるやもしれない変化にどこかの研究施設へ貴重な生けるサンプルとして監禁観察実験……などと、妄想したりするやもしれない。
 
 
 
だが、今この時の謎のカードを拾って5歳児化してしまった人物はと言えば、だ。
にぎにぎと小さくなった手が己の手だと動作確認で確かめると、そのままその指で鼻の下をさすさすと触ったかと思えば
「おぉ、髭がねぇ…………おもしろい!」
と、実に楽しげに溢したのだった。
不安も戸惑いの気配のひとかけらもないまでの素晴らしくワクワクした様子でもって。
 
 
 
 
そう。なにせ、彼は普通とは縁遠いような男。
 
 
 
 
 
芸能界なんて華やかな業界で、しかも芸能人を管理プロデュースする側な裏方サイドでありながらある意味ではどんなキラキラ芸能人よりもド派手なるコスプレやらパレードやらな言動で有名なローリィ宝田である。
彼に掛かれば5歳児化なとんでもハプニングだろうが、『どうやって最大限に楽しむかっ!!』なおもしろがる方向性へときっぱりと舵を切ろうと言うものである。
「ルト」
と、お髭のダンディズムおじさまからプリティ5歳児へと変貌を遂げた男は彼に付き従う有望なる従者の名を呼ぶ。
呼ばれれば来るのがさも当然とばかりに、ほんの数十秒程でドアをノックの後に入室した褐色の肌の青年。
呼びつけた雇用主が唐突に大幅サイズダウンな幼児化していようとも……いや、流石に数ミリ程目を見開いて珍しくも驚きを表情に乗せはしたが、通常通りにしずしずと頭を下げると主人が求めた要求を果たすべく動き始めたのだった。
何があったのか?なそんな質問のひと言さえないまま、5歳児化して小さくなった主人の身体サイズぴったりの服を取り出して差し出すルト。
まさに、この主人にしてこの従者ありといえよう。
 
 
 
 
 
時は少しばかり進んで。
羽つき帽子に刺繍の入った膝丈のサロペットのディアンドルなドイツ民族衣装姿なローリィ。そんな一式がしれっとすぐに手に入ったのが芸能事務所な環境のせいだけではないのかもしれない、嫌に本格的過ぎている衣装でもってワクワクと足取り軽くローリィが向かっているのは、彼が直々に手掛ける世界へ羽ばたけ!愛の使者プロジェクトなるラブミー部へと与えた事務所ないの一室である。
唐突な5歳児化。それも、どれだけの時間かは不明とはいえ、少しの間だけの変化であるらしき現象。
せっかくのこの変化!遊ぶのであれば、最大限おろしろくっ!!な、思考に導かれたローリィ。
事務所の稼ぎ頭だろうが彼にかかればお気に入りのおもちゃ。それが、キョーコとセットな実におもしろそうなところに居るとあらば、これが突撃せずにいれようかっ!?なのだ。
蓮のやつ、この幼児が俺だって分かりやがるかなぁ?などとニヤニヤと、どうやって遊んでやろうかと企みながらも、大人からすればちまちまと小さな歩幅で辿り着いたラブミー部室のドア。
ご都合主義感満載なことに、うっすらと開いていたその扉からそっとローリィが中を覗き込むと……
 
 
 
「……ごめんなさい。」
小さくつぶやかれたキョーコの声。
俯く彼女を前には、恋する男の顔をした蓮。
わっかりやすく告白お断り現場真っ最中。
「俺が嫌い?」
低い声の問いに、フルフルとキョーコの俯いたままの頭が左右に振られる。
「……恋愛対象として見られない?」
続けられる問いかけに、ふるりと震えるように揺れていた栗色の髪が止まり、しばらくの間をおいてから小さく、それでも確かにキョーコは頭を左右へと振る。
蓮を恋愛対象として見れない訳ではないのだと。
けれど……
「でもっ……でも、私っ!!」
自分を抱くように肩を掴むキョーコの手。小さく肩を竦めて、愛しい男の姿から目を逸らすように頭を深く俯かせたまま。
泣き声のようにこぼされた悲痛なキョーコの悲鳴に、ぴたりと、キョーコへ触れようと伸ばされていた蓮の手が止まる。
恋に傷付き、愛を否定していた恋愛拒絶者の深く根付いた痛ましいまでの怯え。
触れれば傷付けてしまうとばかりに、空中で躊躇ったまま握り込まれてゆく蓮の指。
 
 
 
拗れたその空気に、唐突に「バンッ!!」と勢い良く開かれたドアの音が鳴り響く。
すれ違いなラブシーン真っ只中なそこへと乱入を果たしたるは、どこか見覚えがあったりな感じの幼児である。
((っ……え?誰??))
場違い感MAXなる5歳児の登場に目をまんまるにする蓮とキョーコを前に
 
 
 
 
「だぁー、間怠っこしい!蓮っ!お前はDARK MOONで恋の演技に躓いた頃から最上くんに本気で惚れてて!!んでもって、最上くんは蓮が他の誰かと紡ぐ幸せが祝えない自分は地獄へ落ちればいいなんて泣くほどに蓮が好きなんだろう!?」
 
 
 
 
ババーン!!と効果音まで鳴り響きそうなまでのまるっと曝け出しな暴露っぷりを披露してみせた乱入者。
見に覚えがあり過ぎるがゆえに、何故それをっ!?と狼狽たその素の動揺が謎の乱入幼児の言葉が真実なのだと物語っていた。
近しい距離感で向かい合っていた蓮とキョーコのふたり。ばちりと、あわさる瞳と瞳。赤く染まる頬。
両想いなのだと突き付けられたこの場で、次の瞬間に蓮とキョーコの反応は極端に別れた。
混乱し反射的に逃げようとしたキョーコと咄嗟に愛しい獲物を捕らえようと伸ばされた蓮の腕。
躊躇いと期待が産んだその些細な差が逃亡者とハンターの勝敗を分ける要因となり……
 
 
 
 
この日、抱かれたい男NO.1なんて称号持ちな恋愛初心者は長年の片思いを経てやっと愛しい想い人をその腕に捕まえたのだった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
さて、めでたくも出来上がった恋人たちから話変わって、不思議な力で5歳児と化していた男はといえば、だ。
三度の飯より愛が好き!な愛の伝道師たるローリィ。
更に、キョーコは親子関係で拗れていた孫娘を救いあげてくれた恩人であり、蓮は長年見守ってその幸せを祈っていた友人の息子。そんなふたりの恋愛の成就。普通であらば飲めや歌えや踊り狂えと狂喜乱舞な乱痴気騒ぎ!!となるだろうところを………
 
嘆き悲しんでいた。
 
どんよりと重たい空気を背負い眉間にしわを走らせ後悔のどん底へと沈み込んでいるローリィ氏(5歳児)。
そう、5歳児である。
酸いも甘いも乗り越え、かわいい孫娘を持つまでの人生の荒波を乗り越えて来た壮年男性。それも、愛やら恋やらに関してはセーブなし縛りでもってな恋愛シュミレーションゲームを徹夜でやってのける下手すればドMじみたまでの粘り強いメンタル持ちの。
だが、今は己の欲求へまっすぐな我慢のきかないおこちゃまなのだ。
そんな5歳児な身体に引き摺られてしまい、うっかりうかうかとどストレートキューピット役となってしまったのだ。
自分が描いたシナリオでもって結ばれた愛にはトキメキも萌えも半減!な信念よりも、まどろっこしい両片想いをくっつけたい!!な欲求の方が勝ってつい気がつくと無意識のうちに乱入な行動を起こしてしまうくらいのお子さまなのであった。
 

 
 
苦難を乗り越え手に入れ育み自力で花を咲かせる甘く美しいトキメキや萌えやら蓮を揶揄ったりで遊ぶ楽しみの機会を、自らの手で摘み取ってしまったのだ。もったいない!と深く深く嘆く幼児。
 
 
 
 
それは珍しくも、波乱万丈にとみ過ぎである輝かしいラブモンスターローリィ宝田の人生において、指折りの後悔の念となったのだとか。
 
 
 
 
✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄
 
 
 
我慢の効かないおこちゃまは直球ズバリッ!とやっちまうぜぃ!な感じの5歳児話でしたとさ。
猫木めはローリィ氏推し☆
。゚✶ฺ.ヽ(*´∀`*)ノ✶゚ฺ



ひとりめは社長をショタショタさせようと決めてましたのよ。
んで、実は拍手コメントにて予想正解なされていた方がいらっしゃいました!すごっ。
\\\\٩( 'ω' )و ////
 


NEXT→ふたりめだーれだ?

 

↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。

 


web拍手 by FC2