おはようございまっす!

ほんのりこだわり5時あっぷ(予約投稿)にございます。

(*⁰▿⁰*) 

 

 

辺境の地な我が家の5周年なお遊び企画っぽいもの『5周年は5歳児でGO☆』なふたりめにてございますよー。

さてさて、ふたりめは誰なのやら?

 

 

 

 

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……ついてない。
 
 
 
なんの前触れもなく唐突に飛び込んで来た者と元からそこにいた者と、その心中は偶然にもそう一致したのだった。
とあるTV局の階段下にあるスペースを利用した狭い用具置き場。
さも緊急とばかりにそこへ身体を滑り込ませしっかりと閉じた扉に背中を付けた男は、居ると思っていなかった先客にチッっとあからさまに苛立った舌打ちを打った。
『どっち行った?』『こっちに走ってたよね?』『今日こそ、絶対に…』
狭い空間の中にいるふたりの耳に、パタパタと走る複数人の足音と誰かを探す声がドアの外から漏れ聞こえていた。
 
 
 
どうやらマナーの悪いファンの追っかけを避け、この用具置き場へと逃げ込んで来たらしき男。
主に若年層な女性から圧倒的な人気を誇っているロックミュージシャンである不破尚である。
各地のツアーのチケットからCDの売り上げまで金に糸目を付けずに長年その人気を支え続けてきた古参のファン。だが、あしらいひとつを間違えばミュージシャン不破尚のマイナスイメージがあっと言う間に広がりかねない分、たちが悪い。
捕まると厄介極まりないのだろう。
尚の隠れた用具置き場には気付かれてはいないが、ドアの外にはまだ近くに人の気配。
この隠れ場から出ていくわけには行かないのだ。
「ったく、ついてねぇ……なんだってこんなとこにガキが」
くしゃりと髪をかき乱しながら口の中で小さくぶつくさと呟く尚。
広いとは言えない用具置き場なそのスペースにいた先客。重ねてありがたくも無いことに見るからに幼い子ども。見たところ5〜6歳といったところだろうか?それが、何故かひとりきりでこんなところに。
そして、じっと口をつぐんだままで尚を見上げるその瞳には飛び込んで来た異質な乱入者が不快とでも言わんがばかりの不満の色がありありと浮かんでいる。
下手に泣かれたりここから追い出してガキに騒がれて追っかけファン達に見つかるのはごめんだ……と、苛立ちをありありと表情に滲ませながらも尚は先客である子どもに改めて目をやる。
 
 
 
 
…………なんか、このガキ妙に気にいらねぇ。
 
 
 
 
 
追っかけファンが諦めるまで移動出来ない手持ち無沙汰な空白の時。
用具置き場に隠れ潜んだまま、尚は先客なお子様をなんとなしに観察していた。
子ども好きどころか騒がしい子どもは煩わしく不破尚のクールな商品イメージ的にもおこちゃまにじゃれつかれたりあやしたりとかなどごめん被るところだ。
尚の目の前のお子様は、どうやら泣いたり騒いだりもしなさそうに黙ったままでいてくれている現状……とても助かる筈なのだが、どうにも尚の気に触る。なんだかどうにも気に入らない。
それも、どうにもその謎のおひとり幼児も同様らしく、尚へ向けて無言の敵対な視線を投げてやがるのだ。
用具置き場に満ちるのは双方にコミュニケーションを取る気ナッシングな重たい沈黙。
 
 
 
 
 
TV局では珍しい幼児。
子役かキッズモデルか?と思う程に幼いながらも整った顔立ち。
身に付けている服も、老舗旅館で本物を見て育った尚の目から見ても高級品。それも、なかなかに尚好みのカッティングやデザインで……思わずどこのブランドだ?なんて考えてしまう。
極め付けに金色の髪と翠の瞳。
そう。などうにも尚の気に食わない幼児な先客はどう見ても外国人なのだった。
長い金色の睫毛に縁取られた深い翠色の瞳。カラコンの薄っぺらい人工色と程遠いくらいの宝石のような美しいその色合い。
さらっさらで光輝くみたいな見事な金色の髪。
毎度の異物感と闘いながらカラーコンタクトレンズを入れ、根本だけ黒なプリン頭なんてだせぇ状態はこのカリスマミュージシャンにはあり得ない!と有名美容師の元へこまめに通って髪を染めている尚。
そして、その目の前にはそんな人工的に作られたニセモノではない本物な輝きを持つ子ども。
完璧なまでの整った美貌と合間って……自分が一番かっこよく目立つの大好きな尚が自分の理想とも言える色を持ったお子様など気にいる訳もない。
「…………カラーの美容室、変えるか?」
髪を労ったこだわりのオーガニックカラーだとか染色後のダメージケアだとかいろいろと手を尽くしてはあれど、黒髪から金へなキツめのブリーチ。どうやったってキューティクルはごりごりと死んでいく。
「それにしても、頭皮へのダメージがな…………いや!この俺様が将来ハゲるとかあり得ねぇけど……」
なんて、そんな誰にも聞かせられやしない事を尚がブツブツと口の中でそんな事を呟いてしまっていたのは……
見るからに外国な幼児にそんな日本語が理解出来るとは、これっぽっちも思わなかったからだった。
 
 
 
そういや、昨日の夜にゴロゴロしながら見たTVでハゲ予防には亜鉛がいいとか言ってたっけな……サプリメントでも取り寄せるか?なーんて事を尚が考えていた、そんな時だった。
コンコンッと、用具置き場のドアが小さくノックされたのは。
すは追っかけファンに見つかったか!?とギクリと身を固めたミュージシャンと裏腹に、それまで大人しくじっとしていた幼児はなんの躊躇いもなくそのドアを開けた。
「コーン。大丈夫?誰にも見つからなかった?」
と、なんでとうもろこし?な言葉と一緒に、ぴょこっと用具置き場へ顔を覗かせたのは、尚がいつまでも自分のものだと信じきっている幼なじみのタレントだった。
なんでキョーコがここに!?なんてキョーコにすっかりと視線と意識を取られていた尚は気付けなかった。
ゆらりと、まるで蜃気楼が揺らぐみたいな一瞬のうちにぐにゃりと金髪碧眼の謎の幼児の姿が揺らいでいた事に。
なんでアンタがこんなとこにっ!!と、用具置き場に潜んでいた不破尚に気が付いて、毛並みを逆立て威嚇する猫のようにドロドロと怨キョを召喚しだした臨戦態勢のキョーコ。
だが、
「迎えに来てくれてありがとう、キョーコ」
甘ったるい低い声。尚に喧嘩をふっかけんとするキョーコの身体をふわりと捕まえる長い腕。
なんでここに敦賀蓮がっ!?と、尚は唐突に現れたやがった気に食わない男に目を見開く。
そんな尚に見せ付けるように、チュっとリップ音とともにキョーコのおでこへとこれ見よがしに触れる蓮の唇。
かぁっと染まるキョーコの頬。
蓮の腕の中に抱きこまれているキョーコの浮かべた、それは幼なじみの尚も見た事がない女の色気を含んだ恋する乙女の可愛らしさ満載の表情で……
はぁっ!?敦賀、てめぇ、俺のキョーコに何してやがるっ!?と、尚が怒声を上げようとした、その前に
 
 
 
 
「あぁ、不破くん。薄毛予防にはワカメを食べるとイイって良く聞くよ?」
 
 
 
 
それはもうキュラッと輝く笑顔でもって蓮は尚へとそう告げてみせた。さもイイ事を教えてあげるよ?とばかりに善人ぶって、にっこりと。
何言ってやがるっ!なんて咄嗟に返せなかったのは、ついさっきまでの尚の頭を悩ませていたそのタイミングの所為か?それとも、洒落たカッティングのデザインだと目を付けていた謎の幼児が来ていたのとおんなじデザインのシャツを敦賀蓮が着ていた所為だっただろうか?
 
 
 
 
はぁっ???
 
 
 
 
金髪碧眼のお子様=敦賀蓮だなんて繋がりやしない尚。
気がつくと謎の幼児もキョーコも敦賀蓮も尚の目の前から消えていて…………
 
 
 
 
尚が今時そんなベタってありかよ?な金屏風をバックに、あの時の謎の金髪碧眼幼児をそのまんま育てたような男と自分のものだと思っていた幼なじみの女の子が並んでいる会見を目にするのは、それから暫しの後の事だった。
 
 
 
 
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ふたりめは久遠くん。
なのにだけどっ!狭い用具置き場なんて萌え空間に一緒に押し込められるのは松くんだったり。
ァ,、'`( ꒪Д꒪),、'`'`,、
 美味しくなくってごめんなさーい!!
 
 

唐突に5歳児化してミニコーンなお姿になっちゃった蓮くんに、敦賀蓮=クオンヒズリがバレちゃうっ!?って慌てたキョコさんがカメラやらを巻くまでに取り敢えずってショタショタコーンくんを隠したのが用具置き場で……な、感じの設定だったりします。笑


 
 
この後、 私でさえかわいいかわいい子どもコーンを堪能出来てなかったのにっ!!って松くんにキョコさんが怨みを募らせたりとか、なにかにつけてヘアケアとかなやんわりハゲ予防な情報で松くんににっこりとわざとらしくも教えてあげるよ?な嫌がらせしたりする蓮さんとか、理想の髪色がよりにもよって敦賀蓮の元の色だってのが認められなくて松くんがトレードマークな金髪辞めちゃったりとか……なんて妄想するとおもしろいかも?
 
 

 
NEXT→さんにんめはだーれだ?
 

 

↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。

 


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