壁|д')
さて、本日のなんだこれ?なこの話。この前に書いた甘さなお話のいらない続きのような……そんなしろものだったりしやす。
あと、訳がわからないまま無駄に長いです。
そんなでもよろしなお暇なお方は、なまぬるーぅくお付き合いをばどぞー☆
 

 

 

 

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本当に……見ていて飽きないよね?
 
 
 
 
にんやりと多少だらしなく唇を緩ませようとも、そこはそれ!完璧を誇るかのような美貌と溢れんがばかりの色香を備えた芸能界一のモテ男。
兎にも角にも、絵にはなる。それこそ、敦賀ファンやらただのミーハー気味な一般人やらから映像を作り出すプロな監督やカメラマンに美を描き出そうとする芸術家なんぞやらが今の蓮の微笑みをひと目見ようものなら、こぞってスマートフォンやカメラやらスケッチブックなんかを取り出し、絵を残そうとするに違いない程に。
けれど、ここは今の蓮にとっては煩わしいだけなそんな有象無象な第三者など存在してやいない蓮自宅であり、彼のほかかに今のこの空間に存在するのは愛しい愛しい恋人のキョーコだけで……
そして、当のそのキョーコが蓮に背中を向けるようにラグの上に蹲ってもだもだと悶えているのだから、そんな鼻の下を伸ばすみたいに緩んだ蓮の顔などを見る者など存在せず、ただただ心の赴くがままに蓮は恋人を愛でていたのだった。
 
 
 
 
ぎゅうぎゅうな過密スケジュールの合間を縫ってなおうちデート。
ほんのつい数分前まで蓮のかわいいかわいい恋人は今蓮が腰かけているソファーの隣に座っていたのだけれど……
拗らせ良い先輩面で近い距離を保ちながらも燻り焦がれた長き片想いを経て、やっとのこと捕まえた想い人との恋人としての『お付き合い』ももうすぐ9ヶ月が過ぎようとするところ。
交際開始当初こそ、陸の上で溺れるが如き混乱と動揺を呈していた恋愛初心者純情乙女キョーコも、経験値だけを積み上げた隠れ遊び人たるお方によるお伺いからの実行、時折りペテン師的言いくるめやら不意打ちなどを受けつつ、恋人同士な『お付き合い』なスキンシップに慣らされつつあった。
その筈だ。
事前申告必須だったハグも半年を過ぎた辺りから申告なしな即時実行でも蓮の腕の中かは飛び上がって涙目で逃亡しなくなってくれていた。
それに、つい先ほどの出来事ではあるが子犬やら大魔王やら召喚しつつ強請りに強請って拝み倒してではあるが、愛しいキョーコからのキスだってしてくれたのだ!チョンっと軽く触れたから触れないかな物足りないレベルの接触ではあれども、重度に拗れ焦がれた想い人からの恋人としてのくちづけだ。浮かれてなにが悪かろう?
かわいいだの好きだの愛してるだのといったどストレートな口説き文句がぎゅうぎゅうに絡み付くハグとセットでもって雨霰の如くキョーコへと降り注ぎ……結果、キョーコは根を上げた。
久しぶりな恋人からの心臓がもたないから待ってほしいな涙目でのギブアップである。
腕の中の愛しい獲物を逃したくはないけれども、ここで強引に出て純情乙女の心臓耐久度が初期リセットされようものなら目も当てられやしないと、しぶしぶにも抱き寄せる腕を解きべったりとくっついていた恋人との距離を取る。
途端、あからさまにほっとしたキョーコの様子に少し拗ねてやりたいようは気持ちにはなるものの、真っ赤な顔で息を整えつつ時折りチラッと視線を投げてくるのがかわいくて堪らない。
愛しい相手が自分を異性として意識して見てくれている。ただそれだけでこんなにも嬉しくなるのも、ただの先輩としか思われてないと凹みに凹んだ過去の苦さゆえだろう。
そんかキョーコからのチラ見熱視線を楽しんでいた筈が…………
やはり、彼女は規格外。何かと蓮の想像の斜め明後日を行くのがキョーコなのである。
チラッとな視線の何度目だったであろう?
蓮の顔へと向けられたキョーコの視線は当然ながらそんな恥じらう恋人を愛でる素振りを隠そうともしない男の瞳とぶつかった。ばちりと、合った視線。甘く見つめ合ったりキスを求めるようにそっと瞼を伏したり……なーんて甘い事はなく、速攻で逸らされてしまう。
ついと、キョーコの視線が蓮の顔から首筋を伝うように胸元へと落ちた………………と、思えばだ。
「ど……て……ぅして、私は……」
すっとキョーコの表情が冷えたかと思えば、ぶつぶつと口の中で小さく何かを呟きはじめる。
ん?と、そんな恋人たちの甘い空気からの変貌に蓮がしばし戸惑っているうちに、だ。
みるみるとキョーコの変貌は進んでいく。
ソファーの上でじたじたと悶えるだけでは足りなくなったのか、そのまま転がるようにラグの上へと降りて蓮に背中を向け「あぁっ!なぜっ!?……何故、あの時、私はっ!……視線を下に……ほんの少し下に向けるだけでっ!!」と口走りながらも何かを盛大に嘆いているよう。それはもう、一世一代の取り替えしようもない過ちを悔いるかのように。
もし、ここに他の誰ぞやが存在しようものならば、必死にキョーコを慰めようとするのだろう。
だが、蓮は本当の本当にキョーコが心を痛めた時にはどれだけひとり静かに心を押し殺そうとするのかを知っている。
それに、自分の世界へとトリップするキョーコなど慣れたもの。惚れた欲目が詰まりに詰まった男の目にかかれば、両手に顔を埋め首を振り大袈裟なまでに嘆くキョーコの奇想天外っぷりもかわいくって仕方がないものなのだ。
元気に遊ぶ仔猫でも愛でるかのように穏やかに、ラグの上でこちらに背を向けている恋人の後ろ姿を眺めていた蓮。
 
 
 
 
けれど、けれどもだ。
世に抱かれたい男NO.1だとか謳われている男、そう健全な若き青年なのだ。
ふかふかのラグに沈むしなやかな脚や華奢な背中。
細い首筋とその白い首にかかる少し無骨なシルバーのチェーンのコントラストが、蓮の心の仄暗い程の独占欲を満足させる。と同時に、その白い首に噛み付いてやりたいという獣めいた欲を煽る。
やっと想いを実らせた恋人なのだ。腕に抱いて肌を暴いて快楽に溺れさせて自分だけのものにしてしまいたいと、そんな男としての欲望も当たり前にある。
が、湧き上がるような不埒な思いに我慢我慢と蓋をしてみせる。
どうせあと少しだと、自分に言い聞かせるように。
思い返すとあれは2ヶ月ほど前のこと。
いつも通りな蓮の自宅でのまったりおうちデート中。これまた通常通りに、恋愛初心者マークさんの心臓耐久度を上げるべくゆっくりじわじわとな恋人とのスキンシップを楽しんでいた、そんな時だった。
つい……つい、抱き寄せた腕の中、胸に擦り寄るようにおずと甘えてくれるキョーコがかわいすぎて、つい。
「……今夜は、返したくないな」
うっかりポロりと蓮の口から零れ落ちてしまった本音。ストレートに夜を誘うようなそんな低い声に身を竦めさせると叫ぶように声を上げた。
「こっ、困りますっ!!」
咄嗟にだったのだろう。瞬時に叩き落とすかのようなその拒絶の声に、しまった!と純情乙女を相手に性急過ぎたと男がそう悔いた。
軽蔑されただろうか?もちろん、キョーコが許してくれるまで無理強いするつもりなんてないのだと、どう訴えて挽回したものか……
硬直したようにキョーコを抱き抱えたままな蓮がキョーコへの言い訳に口を開く前に、気付く。ぽそぽそとこぼされ続けている小さな声に。
「あの、その……今夜は、あの体調が……いや、悪い訳ではないのですが……でもっ、困るというかその…………」
ぺしょりと眉を下げて、けれど嫌悪感など感じさせない赤い顔でもじもじとそう言葉を濁しているそんなキョーコの様子に……決して鈍くはない男は思い至る。女性には定期的にデリケートな体調の変化があるのだと。
そして、唇を緩ませる。キョーコが自分とどうにかなる、そんな夜を拒んでいる訳ではないのだと。
ある意味では愛しいキョーコからのお許しがもらえたような状態に、蓮はやっと大人の余裕を取り戻す。
かわいいかわいい恋人なのだ。大事にしたいと。
はじめての女の子とはなかなかに身体にも負担になるとも聞く。次の日にもぎっちりなスケジュールの仕事へ……なんて事にはさせたくない。
はじめてなのだ。メルヘン乙女なキョーコの思い出になるようにムードだって整えたい。
それに、蓮は学習していたのだ。純情乙女相手にいきなりでは心臓がもたないと逃げられないように、前もって宣告してやらねばならないと。
そして拗れた恋を叶えた人気俳優は頼れる自称兄へと懇願したのだ。恋人と揃ってなオフを。
ぎっちぎちな売れっ子看板俳優のスケジュール変更に頭を悩ませながらも、ニヨニヨと協力してくれた敏腕マネージャーのおかげをもって……
そう。流石に海外へとはいけなかったが、恋人との『お泊り』旅行予定なオフと約束をもぎ取っている男。
二度と恋愛などしないと言い張っていた恋愛拒絶者に焦がれていた頃のフツフツとした思いに比べれば、今の我慢など然程のものでもない。
そう、どれほど紙縒りだとか枯れたゴム紐だとか言われた理性ではあれど、先の見えた我慢くらいしてみせようってものだ。
今すぐにでも寝室に連れ込みたいような良からぬ思いを押し殺し、だが、ひとり挙動不審に悶えるキョーコをかわいいとは思いつつ、そろそろ恋人が構ってくれやしないのが寂しくなったらしき男。
キョーコの後を追うようにラグへと降りるとまだ悶絶し続けている恋人の背後へと這い寄る。
 
 
 
 
「あぁ……思い返すもとっさの仲居魂が口惜しいっ!あの時、勇気を出して隈なく拝見していればっ!!せっかくの敦賀さんの……」
どうにも蓮の何かを見たかったのだと悔いている様子なキョーコの身体に腕を絡ませるように抱き寄せると細い肩に顎を乗せ、耳ともで囁くように尋ねる。
「俺の、何がそんなに見たかったの?」
坩堝めいた無念の渦をひとりぐるぐるしていたキョーコな耳に唐突に届いた低い声。なまじそれが思考していたとうの本人なものだけに、ぴきょり!!と肩を竦めたキョーコは口走ってしまったのだ。
「日本女子らしからぬハレンチな願望を抱いて申し訳ありませんでしたぁぁ!!」
と、はっきり高らかに。
思わず口から素直に飛び出て暴露してしまった己の言葉にヒッ!!と今更息を飲む迂闊でかわいい恋人を腕にぎっちりと捕らえつつ。
まさか、ふと思い出してしまったヤンマガ兄妹時のお風呂ハプニングで生肌を拝見し損ねた過去をとキョーコが悔いていただなんて予想など出来ないだろう男は、思いがけない恋人からのそれもどうやら自分へ向けたハレンチ願望宣言に驚きに目を見開きながら……
 
 
 
 
 
あぁ、こっちは先が見えてるから今はまだ我慢我慢と必死に耐えてるって言うのに……この娘は、どうしてくれよう?と、ゴム紐やら紙縒りやらを繋ぎ止めるのにギリギリしつつ。
「へぇ……ハレンチな願望なら、俺も負けるつもりはないけど?ねぇ、俺のかわいいキョーコちゃん」
だが、それでもにやりと酷く楽しげにその唇に笑みを乗せると
腕の中の愛しい獲物へと事前予告な戦線布告のようにそう告げてやるのだった。
 
 
 
 
 
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甘さって……どうすれば作れるんでしょうか?
_:(´ཀ`」 ∠):
 
 
 
じわりじわりと純情乙女の心臓を慣らし鍛えながらも、キョコちゃんのかわいさやら奇想天外っぷりに振り回されちゃってる蓮くんとか……かわいいんじゃないかと。いや、どうだろ?
 
 
 
猫木んとこの蓮くんはどうにも速攻いただきます!に手がはやいか、かわいさゆえにヘタれにヘタれておっそいかの二極化しがちだったりですの。
お粗末にてございやした!
ァ,、'`( ꒪Д꒪),、'`'`,、
 
 
 

↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。

 


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