壁|д')…………ども。計画性ナッシング猫木めにございます。
 
 
そう。本日のこちら、この前にちらっと書き散らしたポップアップ広告でみた漫画なものが元ネタだったりないきなり結婚しちゃったりな年下ショタ子クオンくん×年上キョコさんなものな続きだったりでありますよ?
良く考えたら、書きたいとこまで書けてないなと…………
続き需要があるなんて嬉しいコメントもいただいてたので調子に乗ってしまいました。んで、書いてみたら無駄に長くて。
あはは←笑えない。
_:(´ཀ`」 ∠):
その上、なんだかいらない設定がにょきにょきしちゃいそうな気配があったので、次でなんとか纏まるといいな!!な願いを込めてな中編にてございますのよ☆
 
 
 
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落ち着いたシックな色合いの、だが、急ごしらえにしては贅を尽くした室内。
揺らめいている燭台の火の数は少なく、薄暗いその広い部屋に所在なさげに、ぽつりとひとりたたずむ少女。
キィッと、従事たちが扉を押し開く音と共に部屋へと来るは、この部屋の主人たる幼き少年王。
部屋の中央には大きな大きな天蓋付きの寝台。
そう。ここは今宵、初夜を迎えたる新王と王妃の為に新たに設えられた寝室であった。
 
 
 
 
 
しずしずと従事の微かな足音が遠ざかってゆく中、自分の妻となったばかりのキョーコに声をかけることも、手を引くこともなく、まるでキョーコを無視するかのように無言のまま寝台の上へと乗り上がるクオン。
政略結婚とはゆえ、今日、国を挙げての盛大な式を終えたばかりの新婚にしては余りにも冷た過ぎる夫を追って、キョーコも寝台の上へと膝を乗せる。
ひんやりと夜の空気に冷えたシーツの上、ぺたりと腰をおろし向かい合うふたり。
キョーコが自分より頭ふたつ分低いクオンの顔を覗き込めば、感情の乗らない翠の瞳と固まったような冷ややかな表情。
けれど、ぐっと噛むように結ばれたクオンの唇の端に、微かな震えを見つけたキョーコ。
おずおずとけれど確かに、内緒話でもしてるかのように潜めたささやき声で、呼んだ。
「…………コーン。」
それは、自分の名前すら上手く発音出来ないまでに幼かった頃からの、ふたりだけの秘密の呼び方。
礼法が厳しく定められた王城が堅苦しいと、タカラダ公爵家にお忍びで遊びに来ていた前王夫妻に連れられていたクオン。
乳母やメイド達に大事に大事に仕舞い込むように育てられていた令嬢だったキョーコにとって、生まれてから初めて会った自分よりも小さな幼児。
人見知りな所のある難しい子どもだった筈なヒズリの幼い王子は、何故ゆえか、ひとめでキョーコに懐いた。
それはもう、微笑ましいを超えて家族愛が強過ぎる前王と王妃が大人気なく嫉妬するがまでに強烈に。
てとてとと、まだ身近な手と足でもって必死に自分の後を追ってまわる幼き王子。
にぱっと、全開スマイルでもって自分へと親愛を表してくれる小さな存在は、そのふわふわで手触りの良い金の髪も合間ってまるで仔犬のように愛らしく……キョーコの胸をキュンと撃ち抜いた。
まるで、血の繋がった姉と弟のような幼なじみだったふたり。
成長と共に、呼ばれなくなってしまっていたふたりだけの呼び方。
そんな自分を呼ぶキョーコの声に弾かれるように、キョーコの身体へと抱き付くクオン。ぎゅっとしがみ付く腕は強く、そして震えていた。
「…………っ……」
キョーコの胸へ顔を埋め、それでも息を詰めたままのクオン。
「コーンと私は家族になったの……だから、大丈夫。」
弟を諭す姉のような優しい声と、背中を撫でる手。
「ぅ……ぁ……っ、とおさま……かあさま」
震えた喉から絞り出されるような、小さな小さな泣き声。
心構えもないまま余りにも唐突に、その幼き背に背負わされたこの国の王としての冠と責。
王となったクオンが零せなかった涙。
父と母を亡くしたばかりの7つの子が歯を食いしばるように耐えていたそれを、やっと、吐き出すことが出来た両親の死を悼む涙。
キョーコの身体にしがみ付くまだ幼いクオンの腕は、溺れる者のようで。
それでも、声を殺し顔を伏せたままで涙を見せようとしないクオンを隠すように守るように抱き締めているキョーコ。




新婚初夜の夫婦と言うよりも、強い雨風の嵐の中を必死に肩を寄せ合うまだ幼い姉と弟のようなふたり。
 
 
 
 
まだ12ながらも、青き血をひく貴き者としての教育を施されていたキョーコ。
ハッピーエンドの絵物語のお姫さまに憧れるような幼さを残したところはあれど、それでも、この国の幼き太陽を護り支える者として、その生を使おうと心に決めたのだった。
何を犠牲にしようと。
姉のように、家族のように、その隣で。
 
 
 
 
 
 
 
「…………ごめん……なさい」
やがて、泣き疲れた少年王が眠りに落ちる直前に溢した詫び言。
それは、誰に向けられたものであったのだろうか?
キョーコは未だ、知らないまま。
 
 
 
 
 
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キョコさんとわんこ王子は微笑ましい幼なじみでしたとさ。
 
 
 
次回→仔犬が大きく育ちます予定。たぶん。
 
 
 
↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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