我が家な6周年のお遊び6周年だったので6面体ん中へと閉じ込めてみようかと。からな続きとなっておりますのよー☆
゛♪(o´・ω・)人(・ω・`o)♪゛
 
 
 
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「ちょっと待ってくれ。それは、本当に実在する生き物なのか?」
あからさまに怪しんだ目でもって蓮が尋ねる。
「ちゃんと実在しますっ!全体的に丸っこい形の小型の蟹ですよ!」
そんな蓮に対するキョーコはもちろんだと自信満々なまでに応えてみせる。と思い出したかのように付け加えた。
「因みにですが、脚一本で大人ひとりが死ぬと言われるほどの毒がありますので、絶対に食べてはいけません。」
「!?食べられない癖にマンジュウなんてなんで付けたんだ?」
ブツブツと、納得出来ないとばかりに不満げにつぶやいてしまっている蓮。
そんな蓮をニヨニヨと楽しげに見やりながら
「さぁ、敦賀さん!『スベスベマンジュウガニ』の、にですよ?」
「…………『ニス』」
 
 
 
 
さぁ、このふたりが何をしているのかと言うとだ。
話は少しだけ前の時間へと遡る。
『◯◯しないと出られない部屋です。』と、そんなふざけた説明が書いてあったそのプラスチックプレートは軽く触るだけでポロリと簡単に壁から剥がれ落ちた。
そして、その裏面にはこう記されていたのだった。
『遊び(健全)』と。
捻りなく素直に考えるならば、それが◯◯に入る条件を示しているのだろうと思えた。
つまり、この部屋を出たくば遊べ、と。
「遊び……何故わざわざ(健全)?」
床から白いプラスチックプレートを拾いあげ、キョーコは不思議そうにこてんと小首を傾げる。
「遊べって言われても……この広さだしね?」
そんなキョーコの隣で、蓮はそう意見めいた言葉を投げる事によって(健全)からキョーコの意識を逸らす。
なにせこの男。恋愛初心者でありながら経験値だけは積み上げた過去を持ち、健全でない悪い大人な遊びに心当たりがあるのだ。
そして、押しあぐねていた恋愛拒絶なラスボスをやっとのことで追い詰め口説き落としめでたくキョーコの彼氏の座を射止めたばかり。
恋人同士となったとは言え、その相手は歩く天然記念物的純情乙女。
不健全な遊び的に手を出そうものならば手痛い返り討ちに合うだろう未来が見えている。紙縒りだとか枯れたゴム紐だとか言われてしまっているが、理性を手離して逃げられてたまるものかっ!?
つまり、犯行に及ぶ訳にもいかないのに狭い密室にふたりっきりなんてこのシチュエーション下において、わざわざ(健全)だなんて意識させられたくないっ!!なのである。
そんな彼氏のもやもやフラストレーションなど知りもしない彼女なキョーコ。
「う〜ん……このスペースでは『鬼ごっこ』も『かくれんぼ』も無理ですし、『カルタ』や『あやとり』なんかのおもちゃや道具もないですからねぇ…………出来そうな遊びと言うと」
走り回る広さも隠れられる場所もない何もない室内。
さて、それでも出来そうな『遊び』と言うならば
……と、ここで蓮とキョーコはお互いを見やり顔を向き合わせると同時に声を揃えたのだった。
「「しりとり!」」
 
 
 
 
と、まぁ、この部屋を脱出する為に蓮とキョーコが『しりとり』で遊びはじめてから1時間と25分程の時間が過ぎた。
『しりとり』なんてものは『ん』で終わる言葉を言えばそのゲームを終える事の出来る簡単な言葉遊びなのだ。
部屋を出る為の『遊び』をどう条件付けているのかは謎だが、たぶん勝ち負けが付くまで遊べと言う事なのだろう。
ゆえに、おそらくではあるが、部屋を出るその目的の為には適当なところでどちらかがわざと『ん』で終わる言葉を口にしてやれば良い……その筈だったのだけれど
なにせ、このふたり、実はどちらもかなりな負けず嫌い。
 
 
………………
「スキャンダル」
「留守」
「スマイル」
「ルームサービス」
「スクロール」
「ルキアノス」
………………
 
 
 
と、まぁ、部屋の脱出そっちのけ。その日本語は本当に存在するのか?やらてんてこ舞いは知らない癖になんでそんな言葉は知ってるんですかっ!?なーんて心の中でこっそりと思い合うような勢いでもって発熱した『しりとり』を長々と続けてしまっていたのだった。
とはいえ、勝負事とは勝ち負け白黒付けられるものである。
いつの間にやらすっかり熱中して真剣に『遊んで』しまっていた蓮とキョーコのしりとりにも、やがて、終結の時はやって来るのである。
 
 
 
 
 
 
 
「んふっふ〜♪」
ついついと、ご機嫌な鼻歌がこぼれてしまう。
なにせ、偉大なる先輩にして演技の神と崇め奉る前には打倒!敦賀蓮!!を誓ってしまっていたキョーコなのだ。
無事にあの部屋から脱出出来て一安心な事でもあるが、なにより『しりとり』とは言え、あの蓮を相手に勝ちを収めたとなれば多少調子に乗ってしまうのも仕方がないのかもしれない。
「敦賀さん!しりとりの勝率を上げるには『る』『ぬ』『れ』『ら』『ね』で終わるように言葉を考えるといいらしいですよ!」
その文字からはじまる言葉自体の数が少ないもので攻めるのが勝負の鍵なのだと、自慢げにキョーコは語ってみせる。
ここでもう一度繰り返すが、蓮を相手に勝ちを得たキョーコは少々調子に乗っていたのだ。
そんなご機嫌なキョーコを横に、どこか少し面白くなさそうな顔をしていた蓮は答える。
「そうだね、俺の名前が『ん』で終わって無かったら『れ』で攻めてたかな。まぁ……次に最上さんとしりとりする迄に『す』で終わる言葉を調べておくよ。」
と、なんとも不可思議な事を。
だってそうであろう?先程までのしりとりを思い出せばやたらと『す』で終わるワードを出していた蓮。だからこそ、キョーコは流石敦賀さん!産まれながらのセレブリティはしりとりなんて庶民な遊びは馴染みがないのだと、蓮がしりとりに不慣れなのだとこそりと納得していたのだから。
けれど、強くない文字だと解っていながら、それでもまだ『す』に拘るのだと、蓮はそう言っているのだから。
何故??と、そうありありと顔に出ているキョーコ。
そんなキョーコの紅茶色の瞳をまっすぐに覗き込むように、蓮は告げる。
 
 
 
 
 
「そうすればいつか……言ってくれるだろう?『好き』って。」
 
 
 
 
この唇から言って欲しいのだと、そう教えるようにキョーコの唇を指のはらでやんわりとなぞりながら。
かぁっと、鮮やかに赤く染まりあがるキョーコの頬。
にやりと、楽しげに笑ってみせる蓮を目の前に……
 
 
 
 
(健全)な遊びで白星を得た筈が、どこか負けたような気持ちになってしまったのだとか。
 
 
 
 
 
 
 
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こちら、コメントにて花の色はさまよりいただきましたお題。


『健全なお遊び』をしないと出られないお部屋。

 

 

でしたー!

カルタ?しりとり?あっち向いてホイ?あやとり?ゆびずもう?

との事でしたが、カルタはふたりじゃ出来なくない?やら、ゆびずもうは蓮くんの握力で?やら、あっち向いてホイを蓮キョさんずでやろうものなら凄いハイレベルでの動体視力な争いになりそう……やらでしりとりをしてもらう事に


 
 
 
壁|д')
こう、しりとりに託けて、キョコちゃんに『好き』って言ってもらいたがる蓮くんとか、かわいくかいかなぁ……と。笑
 
 

因みに、しりとりで『スベスベマンジュウガニ』と言って嘘つけ!と疑われたのは猫木めの過去にございます。
 
 
 
楽しいお題をありがとうございましたー!
 


次回→ふたへやめ。まだなーんにも決めてないぜよ!?


 
↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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