我が家な6周年のお遊び6周年だったので6面体ん中へと閉じ込めてみようかと。からな続きとなっておりますのよー☆

他のお部屋とは別な世界線でのお話でっす!

゛♪(o´・ω・)人(・ω・`o)♪

 

 

↑サムネイルでのネタバレ防止な猫木作な消しゴムハンコ坊くんです。お気になさらずに。

 

 

 

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「俺は、男なんだ。」
酷く、真面目な表情でもって告げられた。
190センチメートルの長身の鍛えられた肉体に甘くはあるが精悍な顔立ち。
世にゴージャスターだなんて謳われている俳優。
今さらまじまじと言葉にして宣言などされなくとも、彼が染色体XYの男性体である事など誰の目にも明らかなことだろう。
そして、蓮は続ける。
「俺は……君を愛してる。」
言葉だけをなぞるならば愛を誓うかのように。だが、その無駄に整った美貌には恋の熱量も愛の甘さは極めて薄く薄ーく。
ただただ、淡々となまでの真剣さでもって。
どうしてこうなったのかと言われると、それは……
 
 
 
 
 
 
 
 
なんて、件の白いプラスチックプレートの裏に記されていたからだった。
この部屋を出るには、太腿部に顔を10分間挟まれないといけないらしい。それも、何気に時間制限付きだ。
救助を待ち、籠城するには水も食糧も何も無いこの部屋。いち早く解放されるには、条件を満たしてしまうのが一番であろう。
だが、この部屋に拉致軟禁されているのはゴージャスターたる男とラブミー部員な女である。
抱かれたい男NO.1なんて赤裸々な称号を持つ男が絡もうものならば……例えそれが挟む方だろうが挟まれる方であろうが、破廉恥な絵になるだろう事間違いなしなのだ。
現に、蓮の隣で白いプラスチックプレートの条件を読んだキョーコは真っ赤な顔でぷるぷると震えてしまっていた。
そして、話は冒頭に戻る。
唐突に自分は男性体であると。それも真顔で告げられたものだから、キョーコとしては存じ上げておりますが、それが何か?とばかりにコクリと頷きながらも頭上にクエッションマークを浮かべるより他なく。
その上更には真顔なまんまで愛を告げられてしまい、もう何が何だか……と、頬を真っ赤に染めつつもぶわっと膨らんだ尻尾を脚に挟むテンパった仔栗鼠ないっぱいいっぱいな状態に陥ってしまっていたのであった。
しかし、それは蓮とて同じ。彼のツボを突くようなキョーコの小動物じみた仕草を愛でる余裕は実はない。
「だから、脚に顔を挟んだり挟まれたりなんてしていたら……反応してしまうと思うんだ
、その……男として…………俺の、身体が。」
らしくもなく、酷く言いにくげなしどろもどろとした口調でもって気まずげに視線を逃しながら、そう告げたのだった。
メルヘン趣味で王子様とお城で運命のくちづけだとを夢見た純情乙女ではあれどもっ!!恋人間には、肉体的接触などなうにゃらかな破廉恥ごとなあれやそれやがある……のは、うっすらとキョーコだって知識として知ってはいるのだ。
ゆえにっ!
身体が男として反応するだなどと告げられて、つい……ついである。つい、キョーコの視線が秀麗な蓮の顔から下へと落とされて……
今までも赤らんでいたキョーコの頬が茹で上がったタコを思わせるみたいな見事な真っ赤に染まり上がり、しゅぴんっ!と逃げるように無意識に身体は蓮から距離を取った。
仕方がないではないか。
実はこのふたり、焦ったいが迄のすれ違いやら勘違いやら曲解やらを乗り越えてやっとのことでお付き合いしはじめたばかり。想いは実れどまだまだ初々しくも清らかな関係のままで。
そんなところにこのとんだハプニングである。
「もちろんっ!ここで襲いかかったりするつもりなんてなくて……と言うか、許しなく何かしようとも思ってはなくて、でも……」
逃げられるだろうなぁと予想はしていても、多少のショックを受けつつな蓮は必須にそう訴えて。
願望や欲はあれど、こんなとこでしでかしたりする事はなくとも。
10分。10分なのだ。ふとももに顔を挟むだなんて破廉恥なあれそれに直結しそうな体制でもって、10分。
男として身体は反応してしまうかもしれない、それでも
「…………嫌わないでくれる?」
キョーコへ縋るみたいに。まるで、懇願するように蓮は告げる。
小首まで傾げて。その上に段ボールに入った子犬まで背後に背負ってみせつつだ。
嫌わないで欲しい。そんなキュン殺ものなかわいいお願いに、キョーコの首はコ首を縦にふってしまっていたのだった。
 
 
 
 
嫌わないとの言質を取った蓮の行動ははやかった。
なにせ、脱出条件に時間制限が記載されてしまっているのだ。
相手のふとももに顔を挟まなくてはいけない。これの達成条件がどちらかがどちらかのふとももに顔を挟むだけならば良いが……両方が挟み挟まれなくてはならない場合、10分×2回となってしまい30分の時間制限での余剰時間は10分しか残されてはいなくて。
そうこうしている間にも刻々と時間は過ぎる。
故に、蓮はキョーコへ選択の余地を委ねた。
つまり……
蓮の顔をキョーコのふとももに挟むか蓮のふとももに顔を挟むか、どちらからが良いのか、と。
詳細な記載がない為不明ではあるが、両パターンが達成の条件でなければ挟むか挟まれるかどちらか一方を達成出来れば脱出が可能かもしれなくて。
けれど、どちらを選択しようとも執着心との戦いは勿論だが、それ以外にも問題点がある。
本日のキョーコの服装はラブミー部の制服として所属事務所社長から配布されたあの目に痛いがまでにドピンク色なツナギ。けれど、現状で問題となるはその派手な色合いではなく、その丈の短さ。
春めいて来た近頃の季節に合わせるようにホットパンツ丈なショートツナギ。
つまり、何も隔てのない直で生なふとももに蓮の顔が直接接触するという事で。
ゴージャスターたる男と言えば、本日も専属モデルを務めるブランドのパンツを着用している。
さりとて、蓮が挟む側になれば何の問題もなく解決かと言えばそうとも言えず。
太腿部に愛しい愛しい想い人の顔を挟む。それは、夜のあれそれな経験値を無駄に積み上げてしまってきた男にとっては破廉恥でいけない事を連想させてしまうだろうもので。
先に蓮が自白した通りに男として身体が反応した場合、その反応部位が至近距離にあり……
下手すれば、至近距離な目の前でそんな蓮の反応を目撃してしまいかねなくって……。
異性との触れ合いなんてものに馴染みなどない歩く天然記念物的大和撫子純情乙女。
どちらを選んだ方がダメージ(?)が少なくて済むかなど蓮にはいまいち不明で。
なので、蓮はキョーコへその選択を委ねる事にしたのだった。
 
 
 
 
待ち受けていたのは、天国であり地獄。
すんなりと伸びた細い脚。直近に感じるすべすべの肌とぬくもり。薄っすらと香る甘い香り。
ゴージャスターたる男の頭の現在地はそんな愛しいキョーコのふとももの間。
天国だろう。なにせ焦がれた愛しいひととの触れ合い。
そして、同時に地獄である。大人しく顔を挟まれている、それ以上何も出来やしないのだから。
自らの長所を我慢強いだなんてインタビューで答えてみせていた俳優。けれど、ことキョーコに関してはやれ枯れたゴム紐だの麩菓子だのと例えられてきた彼の理性。
想い人の心は手に入れた。それはこの上なく彼を幸福で満たし包んだが……心だけでなく、身体も含む彼女の全てが欲しいと、そう渇望してきた男にとっては余りにもきつい生殺し。
恐々恐る恐るな感じ丸出しなまでにそろっとそっと、触れるか触れないか程度に顔を挟むと言うよりも添えられているかのような魅惑のふともも。擦り付きたい撫で回したいくちづけ吸い付き舐めてみたい、もういっそ噛み付いてやりたい!!そんな欲望を頭から少しでも散らそうと円周率やら素数やらを思い浮かべては無駄な努力を重ねるほどのいっぱいいっぱい。
なのにっ!
天然物ゆえに破壊力を秘めたるこのラブミー部員は、「ぉっ、ぉぉぉおてやわらかにお願いしますぅぅ」と恥じらいに真っ赤に染めた頬に薄っすら涙目なんて、不埒な男にはじめての夜を連想させるような事を宣ったり、蓮の肌と触れ合った感触に「ひゃぅっ!」だとかな高く愛らしい声を溢したり……
果てには、「 ぁの……何かで気を逸らしてないと、逃げてしまいそうなので……髪の毛を触らせていただいていても宜しいでしょうか?」なんておねだりまでされて。
くどいようだが重ねて、もう一度言おう。
蓮の顔の現在地はキョーコのふとももの間。ほんのちょっと顔を上げれば愛しい想い人のもっとも秘めたる場所がある、そんな所なのだ。
さわさわと髪を撫でられる。通常ならば微笑ましいような触れ合い。けれど、場所が場合の上にほんのりと接触した生足も相まって……夜の唇と舌を使ったご奉仕をよしよしと褒められているような妄想さえ湧き出してきてしまう始末。
煽られに煽られたギリッギリの天国であり地獄の中、ゴージャスターたる男にとって長い長ぁぁぁぁーい試練のような10分を耐えなくてはならないのだった。
 
 
 
 
 
「あっ!敦賀さん、出口!出口が出てますよっ!!」
幸か不幸か、立場反転して10分間をもう一度な繰り返しをせずとも部屋を脱出する為の出口は現れたようで、キョーコが嬉しげな声がそう伝えてくれているのだけれど……
「うん、良かった。」
耳障りの良い低い声はそう返せども、蓮は視線は出口と反対側の白い壁に張り付いたまんまで、キョーコの方へ振り向きもしない。
いや、正確に述べるならば出来ないとなるのだろう。
なにせ、まだ頬や脳裏にキョーコのふとももの感触やらぬくもりやらが色濃く焼き付いたまま。真っ直ぐ立てないとは言わないが、まだ少し時間が欲しいと言ったところか……。
けれども、彼も日本芸能界にてトップを張る役者である。時間にして1分掛からずになんとか敦賀蓮の顔を貼り付けるように自らを立て直してみせた。なんとか必死にだ。
けれど、ここに無意識かつ強烈な追い討ちを掛けるのが、ラブミー部のラスボスと謳われたる曲解乙女。
「……あの……その、本当に…………反応って……しました?」
もじもじと尋ねるキョーコの瞳に浮かぶのは不安の色。自己肯定感が低く自分に魅力などないとそう頑なに信じ込んでいたが故に、蓮から想いを告げられ恋人となった今でさえも……蓮が自分に肉体的な欲を抱くだなんて心のどこかで信じきれないでいるようで、確かめたかったのだろう。
「してるよ。何?……わからせてあげようか?」
わざと。そう、わざと何時ぞやの夜の帝王ばりに妖艶に微笑んでそう告げたのは
「けっ!結構ですぅぅ!!」
と、そうまたあの時のようにキョーコに逃げて欲しかったからだ。
犯行に及びそうになる前に。
 
 

 
蓮の思惑通りに、真っ赤な顔で脱兎のように蓮から距離を取る目に痛いどピンク色の愛しい獲物にくくっと喉の奥で笑ってみせて。
やんわりと、まだこの愛しい恋人にあの無害な先輩の顔を向けつつも



逃してあげるのも今のうちだけだからね?



なんてキョーコが耳にしたら身体ごと飛び上がりそうな事を心の中でひそりとつぶやいてみたりしつつも……
 
 
 
 
 
ゴージャスターと元ラブミー部員はましろな部屋を脱出したのだった。
 
 
 
 
 
 
 
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蓮くんはこの夜、魅惑のふもももが思い出されてなかなか眠れない筈っ!!
んで、やっと寝れたと思えばやらしぃ夢を見るとかだとおもしろいかも。
ァ,、'`( ꒪Д꒪),、'`'`,、
 
 

猫木以外の誰か楽しいのやら?でありつつ牛歩の如くのっそりと歩んだこのお遊びも、次なる部屋にてラストな予定☆

 
 
次回→ろくへやめ。これぞっ!!ってやつがありますが……おそらく限定ものになる……かも?
_(:3 」∠)_
 
 
↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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