はてさて、何じゃこれ?な本日のこのタイトル。
何かと言うとですね……
2時とはいえ物書きの端くれたる猫木もですね、婚約破棄もの?になるのかなって、ですのってお話を今ぽちぽちと書いてる最中なんですけど、世にあまたにある婚約破棄もの。(どうにも流行りらしい)
聞いたところによると、お話の最初の最初な第一話冒頭いきなり婚約破棄宣言されちゃうのがお約束なテンプレートのひとつなのらしく。
ですの。では転生説明トークだったので、そのお約束なテンプレに乗ったものもやってみたくなって……つい、勢いで。
_(:3 」∠)_
こんなんいいから中途半端なやつの続きを書けよ!ってお声が聞こえてきそうで、誠にごめんなさーい!!
 
 
 
勢いのみ!なしろものにて、なんでも良いやってなまぬるーぅいお心にて暇潰しにでも、どーぞー☆
 
 
 
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「今宵、我が宴に集まってくれた皆の前で告げたい!偉大なるこのフワ国の王太子たる俺に相応しくない婚約者キョーコの犯した大罪により、婚約の破棄と我が国からこ追放を言い渡すっ!!」
 
 
 
 
煌びやかに飾り立てられたダンスホールにその声は高々と良く響いた。
緻密な模様の描かれたフロアの中央。高い天井に吊り下げられた美しいシャンデリアの光はそこに立つ者を照らし、そして背後に長く暗い影を作り上げていた。
見る者の目を存分に意識したであろう豪奢な衣装に大袈裟なまでの身振り手振りに台詞回し。
そこに、舞台上でスポットライトを浴びる道化師を見るか、カリスマを溢れた若き未来の統治者と見るかは……それを瞳に映す者の器次第と言ったところだろうか。
さて、そんなこの国の若き王太子が唐突に、それも国を挙げて寿ぐ祝宴の場にて宣告した婚約破棄と国外追放。
それを受けたうら若きひとりの令嬢。
すらりと姿勢良く伸びた立ち姿に飾り気の少ないドレス。
「まぁ、麗しいショー様に不釣り合いな地味でパッとしないお方だと思ってはおりましたが……」
「今日もエスコートなしでお一人でのご参加でしたものね?」
王太子の婚約者……だった貴族令嬢。ぽつりと取り残されるように遠巻きにされ、ざわざわと取り巻くのは彼女を悪く囁く噂声。
産まれたその時より身の回りのほぼ全てをメイドや従事によって整えられてきたであろう貴族令嬢にとって、婚約破棄に国外追放となればそれはもう死刑宣告に等しい。
筈なのだが…………
未来の伴侶とる筈だった婚約者からの強い拒絶と断罪に、さぞやさぞや困惑と怯えに歪ませ震わせているのだろう筈だった令嬢の表情はと言うとだ。
淑女の微笑。
マナーの教本にお手本として載せられていそうな程に完璧に整えられたやわらかな微笑。
目を引かぬ地味で控えめな印象しか無かった令嬢。
なのに、その優雅な笑みは酷く人の目と意識を惹きつけた。まるで、魅了するかのように。
いつの間にやら音楽の演奏は止まり、人の不幸を愉しむような騒めきを囁いていた人々の口も閉ざされていた。
重い重い、息を吸うのさえも躊躇ってしまうような沈黙が、広いダンスホールに落ちる。
「……っ!」
婚約破棄と断罪を言い渡した王太子の先程までの自信に満ち溢れ威風堂々とした佇まいも、そんな予想外の事に揺らぎ剥がれ落ちかけている。
こんな……こんな筈じゃ無かった!みたいな心の声が聞こえてきそうな有り様。
さもありなん。
彼の計画では、婚約破棄を突き付けられたキョーコは戸惑い自分の犯した罪とは何であるのかを問うたり何でもするから捨てないで泣いて縋る、その筈だったのだから。
なのに、キョーコは微塵も驚いた様子もなく揺るがぬ淑女の微笑。
王太子はぐっと苦く息を飲み込むが、彼が公のこの場にてはじめてしまった断罪劇。
「だがっ!俺も鬼ではない。キョーコが心から懺悔し悔い改めるのならば、慈悲を」
思うようにいかない地団駄を踏みたくもなるが、この王太子はかっこいい自分がたじろいだぶざまなさまなど晒すのが許せぬナルシスト。
描いていた計画へ強引にでも持っていこうと用意していただろう台詞を口にするのだけれど……
「いいえ、王太子殿下。わたくし、キョーコは殿下よりの婚約破棄と国外追放、謹んでお受け致しますわ。」
よく通るキョーコの凛とした声が、王太子の言葉を遮り、婚約破棄と国外追放を受け入れるとはっきりと言い切ったのだった。
敢えてなのだろう。家名を名乗らず名前だけを名乗るその様子は追放を受けた自分はもう既に家から縁を切られ貴族ではないのだと、王太子の慈悲を真っ向から拒絶してまでいるのだ。
従順そのものといった目立たず大人しい王太子の婚約者。そのイメージを裏切るかのような、王家への不敬と捉えられ兼ねない余りにもな拒否りっぷりに、誰もが驚きに硬直し言葉を失くしてしまっていた。そんななか
「では、皆さまごきげんよう。」
ふわりと、淑女の笑みを更に深くしたキョーコは別れの挨拶と共にカテーシーを披露してみせた。
それは、広がるドレスの裾から指の先まで計算尽くされたように絵になり優雅で酷く美しく……
けれど、思わずに目を奪われたその次の瞬間にはキョーコはくるりと踵を返すとそのまま流れるようにホールの扉へと歩き出したのだった。
足音もなく、その癖に、エスコートを必要とする筈な正装ドレス姿の淑女とは思えぬ程のスピードで。
「っ!!キョーコを……逃すなっ!捕えろっ!!」
焦りの滲んだ切羽詰まったような王太子の怒鳴り声が響いたのは、キョーコのドレスの裾がホールの出口へ消えたほんの数十秒後。
王家の者からの命に、弾かれたように騎士達がキョーコを追って走り出す。
王宮の長い長い廊下、その何処にもキョーコの影形も既になく。
残されていたのは、逃亡者にしては律儀に揃えて脱ぎ捨てられていた踵の高いハイヒールにボタンとリボンで取り外しが出来るようになっていたらしきドレスの膨らんだスカート部分のみ。
「くそっ!国境の関に知らせを飛ばせ!キョーコを……この国から逃すな!生きて捕えろっ!!」
キョーコを捕捉出来なかったら騎士へ、八つ当たりもあからさまな怒鳴り声でもってそう命じる王太子にもはや余裕など見当たらない。
祝宴に招かれていた者達からの冷ややかな視線に白けた空気。
どれもこれもが、自分の計画とは全く違い変わり果てた現状に苛立たしさも隠せぬ王太子。
その夜、王家へと忠誠を誓った騎士団総出による探索が行われたのだが、キョーコ嬢が見つかる事はなかった。
 
 
 
 
そう。唐突な婚約破棄をされた悲劇の婚約者だった筈の貴族令嬢キョーコは、どこで王太子の今宵の企みを知っていたのかは不明なのだが、前もって逃亡の準備をし、そしてまんまと逃走を果たしてのけたのだった。
 
 
 
 
 
 
 
はて、そんな滑稽なある意味茶番劇のような酒宴の夜から3日。
あの後、国境の関には厳重なる検問が敷かれており、キョーコが関を越えこの国を出た様子はない。
キョーコ嬢の家はもちろんの事、親戚筋から友好があった家々にまで探索の手は伸ばされ、草の根をわけるかのように捜索は続けられている。
絶対に捕まえてやると王太子の執念を感じさせる程に。
なのに、着替えひとつも侍女の手が必要な筈の貴族のご令嬢が3日たった今でさえキョーコは見つかってやいなかった。
では、そんな当のキョーコは何処で何をしているのか?
 
 
 
 
 
 
「わたしにぃ、押し付けてた仕事もぉ……めんどくさい外交なんかもぉ……たまぁ〜にどうしても食べたくなるんだって、誰にも見つかんないようにこっそり作って持って来い!なんて無駄にかっこつけて言ってたお子ちゃま好みなアレもぉ〜!ぜ〜んぶ、なし!!
ばかショータロー、ざまぁ♪」
 
 
 
ケラケラと頬を赤く染めご機嫌な様子で零すその姿は誰がどう見ても、完璧なる酔っ払い。
逃亡者キョーコは酷く楽し気にワインの入った部骨な木製のマグを持ち上げると、乾杯と杯を鳴らせ盛大にのんだくれていた。
この国一の美丈夫だと謳われていた王太子も霞むかと思う程に、それはそれはもうまさに神が創りたもうた芸術品なまでに恐ろしく整った黒髪の美貌の男を隣に。
 
 
 
 
 
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とりあえず、初っ端いきなり婚約破棄ぶっ放しなのをやってはみたものの……
はたしてこれで本当にこの有り様で、テンプレに乗ったと言えるのでありましょうか?
猫木にはよくわかりませぬ。
(´д`)
 
 
どこでどうであったんだ?な蓮さんと一緒に呑んでらっしゃるキョコちゃんがこれからどうやって国から出るのかやら、蓮さんの設定のあれこれやら、キョコちゃん逃しちゃった松くんの側のあれそれやら……いろいろ続きっぽい妄想はあるにはあるんですけれど
まぁ、誰が楽しいんだ?それってのと、先にですの。の方の続き書けよって話ですよねぇ。笑
_:(´ཀ`」 ∠):


 
 
↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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