ばあちゃんはテレビっ子。
歩けないから。
腕も不自由だから。
一日中じっと車椅子に座っているしかないから。

元気な頃はテレビに無関心だったばあちゃん。
今は 「だいすき」 と話す。

テレビの音は聴こえていない。
外付けのスピーカーや集音器をそばに置いてもダメだった。「音」としては聴こえるけど何を言ってるのか理解はできない、と。
だから、
字幕が豊富でリアクションが大きいバラエティ番組を好む。
お笑いも好き。
動物が出てくるのも喜ぶ。
着ぐるみ系はもっと喜ぶ。

「そらジロー
「くもジロー
「ぽつりん~
「ふなっしー
「ねば~る君ー

いつのまにかいっぱい覚えた。
彼らが映るたびに私は呼ばれる。

「可愛いーね、可愛いーね~

もうそれはそれは、
瞳をキラッキラさせながら言うんだな。
人は老いて子供に返るって、
まじまじと感じさせられる。



「あらっ♪くまもんがいる~、くまもん~


ん?くまモンって言った?
ばあちゃんの口から初めて聞いた。

おばあちゃん、くまモンってなあにー?

「これー、この黒いのー、くまもん~

ほんとだ、おばあちゃん。熊だねー

「???く・・ま・・?」
「黒いのーー、くまもん~~


(笑)
ばあちゃんには、くまモンが熊ということも、熊本県のゆるきゃらだということも理解できない。もしかしたら、熊という生き物がいることも忘れているかもしれない。
でも、くまモンを覚えた。

またひとつ覚えた。





ゆるきゃらの訪問サービスとか、
あったらいいのになぁ~・・・笑


nyankohime
いつもありがとうございます