本日は 第二回「中国現代文学を語ろう会」
でした。
今回も沢山の方にご参加いただき
楽しく刺激的な会となりました。
皆さま本当にありがとうございました
今回選んだ作家は張愛玲です。
彼女の作品はこれまで長編、短編と何冊か読んできました。
私にとって「難しい!…でももっと読みたい」と思わせる彼女の作品
皆さんと読むという時にこの難易度の高さがネックになるのかも
と案じていたときにねずみのチュー太郎さんのグッドアイディア!
昨年秋に岩波書店から出版された濱田麻矢先生の翻訳本
「中国が愛を知ったころ」
を使って日本語、中国語どちらの言語でもOK
この本に収められた三篇から好きに読むということとなりました。
この三篇はそれぞれ違った個性を持つ作品で、彼女の魅力を知るのに最適な選集だと思います。
本日出た感想や意見で
私が記憶に残ったものをいくつか箇条書きで…
①第一炉香 (沈香屑 第一炉香)
杨太太
*おばさんの意図と意地悪さ(つつじに煙草を棄てるシーン)
*生き方(打算的な結婚をして恋愛の時期を逸する)
薇龙
*生き方(おばさんとは対照的に自分で選択する強さ)
*乔琪に出会ってからの心の動き
太太は幸せではないと気づき、自分は愛を選ぶ
*ラストの描写から読み取れるものは何か
*当時の社会での生きづらさ
←結婚をしなければ生きていく場所がない等
②五四遺事 (中国が愛を知ったころ)
*中国の恋愛とは?
*お妾さんはどんな立場?気持ち?
*ブラックユーモア(三美团圆)
*タイトルについて(英語タイトル)
*服装の描写(翻訳のキャラコなど時代をうかがわせる表現の良さ)
お洒落さ、色の美しさ、素材等
③同学少年都不贱(同級生)
*同性間の感情
*胸についての描写の多さ
←母性愛に飢えていた?
(個人的にこの日本語タイトルがとても
好き)
④その他
*読者にとって異次元の特別な世界
上流階級の話だから人気が出たのでは?
*上流階級であってもハッピーエンドではない
*翻訳本表紙の女性について
←新しい時代の女性
他にも沢山の話で盛り上がり
特に印象的だったのは「作者の人生」「時代背景」というふたつの言葉が多く聞かれたことです。
私もこれらがとても気になって
他の作品を読んでいくなかで感じたり知ったりもしましたが
彼女の生きた人生、時代はどんなものだったのだろう
という疑問が常に頭のなかにあります。
生い立ちや時代についてはある程度知ることが出来ますが
彼女の心の中に何があったのか
知り得ないけど知りたいのです。
この点で張愛玲という作家は
際立って魅力を持つ女性です。
最後に今、散文の《流言》
この本を読んでいますが
とても面白いです!
今まで読んできたものともリンクし
彼女の頭の良さ、ものの見方
なども知ることが出来て
お勧めの1冊です
そして今日教えていただいた
余斌の《张爱玲传》ぜひとも
入手して読みたいと思います。
「語ろう会」第三回も楽しみです。