叫べども叫べどもこの夜の涯て DVD 感想 | Sugar

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日々のことをちまちまと
コス関連もですがそれ以外も書いていきます(^^)


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まず初めに。
当方は舞台を生では見ておらずDVDで初めて見ました。はてラジもほぼ知らないです。知らなくても楽しめるということでしたので。
これから先に感想を書いておりますが、「良かった!」という意見だけ求めている方は見ないでください。つまり、批判もあるわけです。
感想を読んで嫌な気持ちになっても、知りませんので自己責任で宜しくお願い致します。

心の広い方のみお進みくださいね〜


























正直、少し期待しすぎたかなぁという感じです。
私は舞台というよりどちらかといえばミュージカルが好きな人間ですが、お芝居を見るのは好きです。
でもこの舞台は、見た後に私は何も感じなかった。
「泣けたー!」とか「感動しました!」という意見がTwitterでも飛び交っており、私は涙腺がおかしいのか?と思いましたが、私は涙脆いです、かなり。
オケコンとかミュージカルとか普通に泣きますから。
ただ叫べどもは、一体どこで泣いたの?って正直聞きたくなってしまうぐらい私の涙腺は刺激されませんでした。

DVD収録、音響も良くないなぁという印象。演出上、拡声器とかのノイズが入ってるのは仕方ないとして、音楽とのバランスがおかしい。
音楽を絞りきるまでに喋り出して、「えっ?」と聞き取りにくかったり、人によって声を拾ったり拾えてなかったり...マイクは一人一人についてない感じがしたな。舞台についてる感じだった。見間違い?(津田さんの腰が膨れてたんだが、あれはマイクのトランシーバー的なとこではないのか?)
あと場面によっては役者が早口で他の演者に被ったり何せ見ていてもセリフを聞きこぼすところがかなりありました。

世界観とか設定は面白いと思う。
ラジオに規制がかかって、天気やニュースしかできない。
それに抗うラジオマン達と検閲官との話だし。
ただ、設定が良いのにそれを上手く使いこなせてない感が...
近未来っていう設定だとラジオ以外にも通信手段はいくらでもある訳だしラジオにこだわる意味が分からなくなる。逆に古い時代にして唯一の娯楽というか楽しみであるラジオに規制がかかり...の方が私は良いかなぁ。
役者さんの演技について詳しく書きますね。


まず、アキヲ役津田健次郎さん。
叫べどもは津田さん目当てで購入しました。
ただ、なーんかうーん...って感じで。
925の津田さんを初めて見た時、私ビビビッて来たんですよね。津田健次郎半端ない!役者凄い!
見終わったあとも、こうガッシリと心を掴まれるところがあって簡単に言えば魅力を感じたわけですよ。
写真集も言葉や映像じゃないけど、そういうのがなくても津田健次郎が作り出す世界観というか雰囲気というか流石役者だなと思わせるところが沢山ありました。
でも叫べどもはアキヲではなく津田健次郎。
演技が少し硬いなぁと。
つまり役にあまり面白みを感じなかったんですよね...
母とも一緒に見たんですが、「何か津田さん一杯一杯だね」って思わず2人で呟いてしまった。
見てる側も余裕がなくなる演技で、深みがなくてただただ叫び続ける熱い人。
アキヲの魅力を私は感じれなかったなぁ。
勿論良いところもあったけどそれを上回るぐらい周りの役者さん達が凄くて。
そうだなぁ、終盤マイクに向かうと喋れなくなるアキヲの吃音は流石津田さん。ゾッとするぐらい上手いのに、ガーガー叫ぶのは本当に喉壊してるみたいで台詞も聞き取りづらくて勿体無い。
ゆっくり、柔らかい話し方をすると凄く魅力的な声だからそういう所をもう少し大切にして頂きたかったな。


藤原祐規さん演じるギンゾウ。
どんな演技をされるんだろうと思ってたんですよね。
私は悪くないと思いました。
表情もコロコロ変わるし、アキヲと言い争うシーンは藤原さんの勢いに津田さんが若干押されてた気が...
役にメリハリがあって私は嫌いではなかったです。ただ、他のキャスト(下に書く方達)のインパクトが半端なく、印象が薄くは感じたなぁ。


トカゲ役の高橋広樹さん。
アキヲやギンゾウとは敵同士となるラジオ検閲官のトップ。
いやー、恐れ入りました。
台詞回しが上手い上手い。ずば抜けて上手い
。後、聞き取りやすい。
所謂見ている人が心地良いと思う話し方って言えば良いのかなぁ。抑揚のつけ方が上手いんですよ。
悪役というと検閲官なのでおかしいんですが、悪役ほど嫌悪感を抱く役ではなくて非人道的なとこもあまりなく(ギンゾウは殴られてましたけどね)好感を抱きました。
またスナックの明美ちゃんもやられてて、顔芸にはやられた。客席が笑いに包まれるのが分かります。
後半は人間らしいところもあって、役を深める良い演出だと思いました。主演以外の人間関係が出てくるのは面白い。


次、トカゲの部下、シッポ役河合龍之介さん。
この方は写真を見た時に何だこの整いすぎたイケメンは!というのが第一印象でしたね。
トカゲとシッポは白い軍服を着ているんですが似合う!銀縁眼鏡も素敵!
このイケメンは一体どんな演技をするのだろうかと思いつつ...
まず、色々衝撃的でした。
前半はよくできる部下って感じで1つ1つの所作が美しい。指先、足先までシッポになっているのが分かりました。口数も少なく控えめな印象ですが後半は全てが爆発した印象。
河合さんの役者魂を感じましたよ、あの1人芝居には。いやー、恐れ入りましたという感じです。
あれはどの役者でも出来るというわけではないなーと。
しかもそれを上手く笑いにも変えてらっしゃって...お上手な方だなと思いました。
ただ、衝撃が半端ないです。
本当に(笑


トウジ/ゼツボウショウネン役の宮崎翔太さん。
凄く可愛らしい人で、フレッシュさ溢れる演技が光ってましたねー。
トウジはアキヲの弟で病気の為ずっと病院にいるんですが、正に少年!という演技で。
可愛いなぁと思わず思っちゃいました。
アキヲに「僕、死ぬの?」っていう所でまだまだいっぱいやりたいことがあるんだって早口でその色々をトウジが並び立てるんですが、それがまた健気なんですよ..。
病気だからみんなが当たり前のことが出来なくて、まだまだやりたいことがあるんだと。
外国に行きたいとか、変な動物触りたいとか、いろんな建物を見たいとか、遊園地行きたいとか。
若いから彼女がーとか恋したいとかそこまでなら分かる。
だってトウジだって1人の青少年ですからね。
ただ、「お尻」「おっぱい」ワードが出たのにはちょっと待てとなった。
分かる分かるよトウジって頷きながら見てたシーンなんだけど、一気に冷めた。
泣かせたいの?笑わせたいの?どっちなの⁉️ってなりましたよ(笑
そりゃ年頃の少年だから、そういうことも頭では考えてたでしょうよ。でも、それを台詞で出さないでくれーってなりましたよ...。
中途半端に、しかもこんなシーンで下ネタは入れないで欲しかった。
彼の演技が良いだけに残念。


タクシードライバーのイワオイワオ役タモト清嵐さん。
24歳なのね!この人。
子役からデビューされて芸歴は長いようで、年齢に対して凄く貫禄ある演技で吃驚!
24とは思えないぐらい周りの大人達に馴染んでおりました。むしろかなり攻めてらっしゃったなと。
だっていくら舞台とはいえだよ?45歳の津田さんとほぼ対等に話せてて(勿論演技の中でね)自然な演技だったんだよなぁ。
Wキャストの鈴村さんがどういうイワオイワオを演じられたのかは知りませんが恐るべき24歳!


キャプテン・ドッグマン役小林健一さんとイイヤマ役森田成一さん。
お2人はいいエッセンスだったなぁと。小林さんはお客さんの心を掴むのがお上手だなと思ったし、(上手く笑いを取れてた印象)森田さんは舞台での演技を初めて見れて何だか新鮮でした。
声優の時とはまた違う演技が出来る方と分かり吃驚。(FFXのティーダの印象が強いんですよね...)



そんなこんなで、なんか色々ごめんなさい!
生で見れなかったのにDVDだけ見て偉そうに書いちゃいました..。
まぁ、これは私の独り言だと思っていただければと。人には好みがあるしね。
津田さんの演技とか構成とかに関して批判しちゃったけど、津田さんのことが嫌いになったとかじゃないです。津田さんのことは応援してるし、こう色んなことに挑戦する姿は見ていて本当に凄いなと思います。
ただ今回はやっぱり925とかとは違って津田さんが1人で長い間練りに練ったものではなくリスナーさんからの色んな意見を混ぜこぜにしたりした結果、少し舞台にまとまりがなく混沌としていたかなって。
少なくとも私は、見たくなったら見るだろうけど暫くは見ないかなって印象です。
つまりこの舞台で観てる人に何を伝えたいのかが抜けていた気がするんです。
例えば、途中でも書いてましたが時代設定がもっと古くてテレビがない、携帯がない、ラジオしかない時代だったなら...。
今みたいなネットを介する淡白な人間関係ではなく、人と人との繋がりが深い中でラジオに規制がかかったなら...トウジのような子の存在も浮きたつかなと、私はそう感じました。
今の時代、トウジのような子は稀ですからね。


んー、何回か見れば魅力が出てくるのかな??