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リオの空は青かった。
飛行機が雲をくぐると手のひらが汗ばんできた。

着陸のための急降下が始まると心臓が苦しくなり、機体が揺れるたびに胸がドキドキした。

車輪が地上に着陸した瞬間、ホウっという ため息と共に拍手が沸き起こった。
機内を見回すと、誰も彼もがニコニコと幸せそうに笑っていた。


リオデジャネイロの空気は とても乾燥していて、物がくっきりと見える。
身体の温度が上がり、何だか楽しい気分になってきた。

リオの税関を出ると、荷物を運んでいたポーターが近づいてきて、
「俺はブラックマーケットだ」
と英語で言った。
三十ドル渡すと、ゼロがたくさんついたお札を大量にくれたので、何だか得した気分になった。