ひっそりリリースされ、社内報で紹介されましたところで、
Publisher adTechnology Association という組織をはじめましたので、ご紹介のエントリーです。
サイバーエージェントにはアドテク関連の開発しているエンジニア組織が大きく2つあります。
それが、「アドテクスタジオ」と我々「Publisher adTechnology Association(略称PTA)」です。
PTAは、その名の通りパブリッシャー(及びメディア)を母体としたアドテクノロジー組織です。
メディアを母体としたアドテク企業だと、海外ではGoogleやFacebookが有名です。
国内ではLINEさんやGunosyさんなんかもメディアとしての強みをてこにした
アドテクノロジーを開発していますね。
で、できたばかりの我々の組織がどんな組織かを書いておきます。
■誰が含まれている組織なのか?
PTAは、
・株式会社AbemaTVの広告部門
・サイバーエージェントメディアディベロップメント事業本部(略称MDH)
・株式会社AJAのの開発部門
の3部門のエンジニアからなる集合体です。
また、秋葉原ラボにも協力してもらってプロダクト開発をしています。
一部ディレクターもいますが、エンジニアだけで全部で50名を超える組織です。
■何を目的とした組織なのか?
PTAの目的は、ノウハウの流通と適材適所、そして、採用と育成です。
例えば、一般的に広告プロダクトを作る場合、こうしておいた方が良い、というノウハウがあります。
例えば、予測システムを作るためにPredictorとLeanerは分けようとか、
細かいところだとadvertiserとagencyは別個のID体系だが、アカウントもまたIDも必要である、みたいな。
こういった広告独特のノウハウは持っていれば反映できるのでかなり時間をショートカットできます。
実際、今AbemaTVの広告部門にはMDHとAJAから応援で2名ずつジョインしており、
予測モデルやアカウント構造といった広告独特の知見をシェアしながら進めています。
彼らが時期が来て元のグループに戻った時には、
動画についての知見を古巣のプロダクトに活かす事もあるでしょう。
■何が特徴の組織なのか?
1)広告と共に、メディアグロースを一緒に考える組織である
我々はメディアなので、メディアのグロースも一緒に考えるようなプロダクト、アプローチが存在します。
例えば、外部メディア企業にも提供している「AJAレコメンドエンジン」は広告収益の他に、
提供先サイトのグロースも重要な指標になっています。
儲かれば良い、という事だけではメディアは成り立たないのです。
将来、事業を立ち上げたいというエンジニアにとっては、両方学ぶ事のできる面白い特徴があります。
2)メディアである
我々は、あくまでもメディアであり、パブリッシャーなので、ユーザー保護についても重要な項目であると
考えています。最近だと、下記のような機能をAJAでリリースしました。
CA子会社、不適切な広告クリエイティブをAIで自動抽出
https://japan.cnet.com/article/35117417/
アドネットワークやDSPによっては法令違反の広告が審査されずに流れてしまうことがあるのですが、
それを防ぐための仕組みです。
メディアの立場として、幾度となく悩まされた問題がこの機能に結実しました。
3)ボーダーレスである
最後に、キャリアについてボーダーが余りないのも特徴です。
エンジニアリングを起点に、例えば事業を見るサイドに行ったり、
データサイエンスの領域をやったり、はたまた広告ではなく、メディア作りそのものに関わったり。
逆に、元々メディア作りをしていたエンジニアがPTAに来るケースも結構あります。
そういうキャリアのぐるぐるをかなり容認しているのは、
越境人材が増えるとコミュニケーションが円滑になるからです。
ただ、一方で全ての部署でビジネスサイドのすぐ横に座って、一緒に事業をやっていくスタンスなので、
うるさいオフィスが嫌いな人には結構つらいかもしれません。
メディアであると、トラフィックソースやデータを自分たちで保有しているのも面白い特徴なのですが、
ここらへんは書き出すとキリが無いので、気になる方は是非、ごはんでも行きましょう。