Factか、Dataか、という話。

 

私が見ている組織では、必ず価値観を定義しています。

この価値観が何に使われるるかというと、採用基準だったり、

制度だったり、もちろん、事業の意思決定に使います。

 

これはそんなに難しいものではなくて、

「こういう事を大事にして業績を伸ばしていきたいよね」

「こういうふうな人と働きたいよね」

というリストです。最近は大体3つにまとまってます。

 

今、複数組織をマネジメントしていますが、全ての組織に存在しています。

で、そのうちのひとつに「Fact Driven」という項目があります。

 

データドリブンのほうが一般的なのですが、なぜあえてFactDrivenなのか、

という事を書きます。

 

回答はシンプルで、

データ化されていないファクトも存在しているから

という事になります。

 

例えば自分の担当サービスに新しい機能を入れたとしましょう。

 

ユニークユーザー、リピート率、利用率、etcetc。

それらが見えるという事は素晴らしい事です。素晴らしい分析ができるでしょう。

 

しかしながら一方で、「利用者が思わず顔をしかめた」「耐えきれず舌打ちした」

みたいな情報はデータ化されていません。

 

でもこれは厳然たるファクトで、おそらく重要な事です。

 

そういう情報も、結局総合して特定指標に収斂されるという話も通用するでしょう。

それでも、紛れはあるのです。

 

例えば、一定確率で存在するインタースティシャル広告。

通らないとコンテンツが見れないのですから、離脱率にはそれほど影響を与えないはず。

 

でも、データに現れないファクトとして、おそらく舌打ちなどを生んでいるのです。

それは長期的に、離脱率ではなく、そもそもの訪問率を押し下げる要因にも

なるでしょう。

 

データを通じてファクトの一部は理解できます。

でも、必ずデータ化されていないファクトが存在するので、

我々の価値観の説明文では「観察も重視しろ」という事が書いてあります。

 

観察は、時としてデータ化されていないファクトを炙り出すからです。

ですので、我々が重視しているのは 「Fact」 Driven なのです。

 

ただ、ここは重要なところなのですが、私自身はデータ分析がすごい好きです。

暇さえあればなんらかのデータを出してみるくらいに。

 

重要なのは、データを眺めてるだけで「全部分かっている」とは言えませんよ、

という事です。