西山が育休だった2週間で担当患者さんの能力がキープしてたり、少し落ちてたり、良くなってたり、劇的に良くなってたり。

やっぱり患者さんに依存させたらダメだなと再確認できた2週間でした。

西山じゃないとダメという患者さんを作ると、西山がいなくなったら、基本的に能力が落ちてしまう。

これは分かっていたこと…。

それでも沢山担当する中で、どうしても依存的になる患者さんもいる。それが、高次脳機能障害があると尚更修正が難しい。

経験年数が経てば経つほど難しいことが増えてきますね〜。

考える内容が変わるだけで、わからないことだらけは変わらない。

だから、私は思う。

分かった時点で、成長が止まる。

「分かった!」

というところで、自己成長を自らストップさせるから。

「分かった!」

と思った次の瞬間にまた新たな疑問が生まれてくる。

その無限ループに陥ることが、成長することだと私は思う。

それが考えるということだと思う。

そしてそして、

中には劇的に良くなってた患者さんもいました。

これは素直に嬉しいですね〜!

明らかに身体が違う。

動きが違う。

育休前から一緒に診ていたOTが頑張った結果。

最初は解剖すら知らなかった子が、今では患者さんを劇的に変化させることができるように、しっかりと考えられるようになっていた。

これは本当に凄いこと。

毎日の積み重ねの大切さを学びました。

育休から復帰して、何をしたのか聞いている中で気がついたことをみなさんにシェアさせていただきます!

成長が止まってしまう時は、


◆input量不足(勉強不足)
◆output量不足(理解力不足)
◆モチベーションの低下
◆自分が何をしたのか覚えていない
◆繋げ方がわからない

という5点がメインになると思います。

◆input量不足
最初は、
当たり前だけど、知識量が明らかに足りないのに、その足りない情報の中から答えを探そうとしてわからないと嘆いてる1年目。

うん。当たり前。

あなたの頭の中にある情報からでしか考えることが出来ないのでわからなくて当然です。

知識量を増やしましょう。

この段階で悩むのであれば、専門職は諦めた方がいいです。

知識量を増やすのは、本人にしかできないことなので、あなたがやるかやらないかだけ。

◆output量不足
この段階で止まる人が多すぎる気がします。
自分の意見を言えない人って日本人だから仕方ない…っていう人もいるけど、私たちは専門職で患者さんにはもちろん家族にも自分がしていることをきちんと説明しなければいけない。インフォームドコンセントは医師だけでなく我々理学療法士も必要なこと。
そこも含めて専門職の仕事。身体を診るだけが仕事ではないので、それは学生の時から知ってもらいたい。
バイザーに質問されて答えるという繰り返しを投げ出す学生は、そこまで考えて仕事を選んだ方がいい。
熱心なご家族であれば、きっとあなたよりも知識が多いですよ。バイザーよりも質問してきますよ。当たり前です。誰よりも良くなってもらいたいから。
それに応えられる理学療法士が少なすぎるので、
話すのが苦手ですというのであれば、そこも含めて勉強する必要がある。
本当に理学療法士として働きたいのであればね。

◆モチベーションの低下
3年目によく起こりがちな、モチベーション低下。

これって、

ちょっとだけ診れるようになって、「治せるようになった」と勘違いして、新たな知識や技術を入れないからその上のレベルを知らずに
「なぁんだこんなものか」とモチベーションが低下する場合。
もったいないので、上のレベルを探していきましょう!

あとは、

まったく勉強せずにダラダラ3年過ごしてしまう場合。

前者にはちょっと上のレベルを先輩が見せてあげることができれば、やる気を取り戻すことができる子達が多い。
後者は論外なのでその時点で辞めてもらって構わない。

◆自分が何をしたのか覚えていない
意外と多いのかもしれません。
自分がしたことを忘れてる理学療法士。
自分が何をしたのかきちんと覚えて説明できますか?
それがないと、成長が必ず止まってしまいます。

何故でしょう?

それは、仮説検証の繰り返しができないから。

前回と同じことをできないから。

同じ声かけで、同じタイミングで同じ刺激量で同じことをする。

こんなに難しいことをしなければいけない私たちはやっぱり誰にもできる仕事ではなくて専門職。

それをしっかりと理解して仕事をしていければ、必ず結果はついてくる。

西山がそうだったので。


◆繋げ方がわからない
患者さんが何で良くなったかわからないという理学療法士。
ここで悩む方々は、もう少しだから頑張ってほしいところ。
評価結果をどう繋げていいかわからない。
もちろん評価ができてる前提です。

繋げ方がわからないというのは、いいことだと思います。
実際のところ…これが正解です!というのは無いから。

正解を探す人が多いんだけど、そんなものありません。

右肩が上がらないという患者さんに対して、

肩甲上腕関節周囲の筋をマッサージすれば上がるようになるよ。
いやいや、
肩鎖関節が大事なので肩鎖関節の動きを出せば上がるようになるよ。
いやいや、
肋骨が…
いやいや、
肝臓が…
いやいや、
反対側の小指が…
いやいや、
右の側頭骨が…
いやいや、
胸椎が…

わかんなくなりますよね。
そして、
最初に肋骨を触って上がらずに、肩鎖関節を触って上がった場合、多くの理学療法士は、肩鎖関節に問題あったかぁと結論づける人が多い。

ちょっと待って。

肋骨を触る前に肩鎖関節だけ触ったのであればそれでいいけど、肋骨触ってしまったから肩鎖関節だけに問題があったというのは違うのでは?

肋骨を触らなかったら肩鎖関節だけでは良くならなかった可能性もある。

でもそれは2度と同じことができないから永遠にわからない。

明日になれば、患者さんの覚醒状態や炎症の状態などなど、昨日の身体とは全然違う。

だから、難しいしいつまでたってもわからない。

わからないから、自分なりの理論をしっかりと持つことが大切。

右の肋骨を動かせば、肺も肝臓も動くし、胸椎ももちろん動く。
単独に肋骨だけ動かすということがまず難しい。
皮膚から感覚も入力される。
下手な人が動かすと重心まで移動させてしまい、全身の筋緊張の分布まで変わった状態を作ってから肋骨を動かしてしまう。

結論。

何が正解かわからない。

学問が違えば見え方が変わってくる。

だから、いろいろな方法があっていい。

だから、いろんな考え方があっていい。

自分の学んできたことを信じて着実に進んでいこう。

その先に患者さんの心からの笑顔があるから。