ご訪問ありがとうございますニコニコ
西村マイです。


今日は、魅了されて
一気読みしたファンタジー小説を
ご紹介しますウインク


二年前の本屋大賞受賞作品で、
すっごく気になっていたんですビックリマーク



お庭のジニアがキレイに咲いていますラブラブ



大鹿に跨がり戦うカリスマ的な英雄、
彼の異名は「鹿の王」。
鹿の王が侵略者と闘い、祖国を取り戻す
物語

↑読む前の、タイトルと表紙からイメージした
私が勝手に思い描いていたあらすじびっくり


実際は、全然違います笑い泣き

まず「鹿の王」は、カリスマ性のある
超強い若いリーダーではありません。


主人公が語る鹿の王の姿に
ぐっと気持ちが惹き付けられます。

その姿は、まさに英雄と呼ぶに
ふさわしいけれど
英雄と祭りあげるにはあまりに痛々しい…。


激しい戦いの物語だと思っていましたが


人は自然の一部

産まれて

生きて

そして死ぬ

雌雄ある生き物であれば
ひとつの例外もない自然の摂理


その一瞬の生をどう生きるのか

なぜ、病に倒れる人と
天寿を全うする人間がいるのか
それは「神の意志」なのか

なぜ、人と人は関わり合いながら
生きるのか

そんなファンタジーっぽくないことが
書かれていて、びっくりしましたポーン




著者は、文化人類学に精通している方で
物語の中の民族や国の在り方が
よくある、

弱小国若しくは衰退した大国VS新興勢力の侵略者

のような、単純な善と悪に分ける構図では
なくて

一言で言うならば融合がテーマである
ような気がします。


中世ヨーロッパでは、十字軍の進軍の際に
異教徒=敵とみなして戦いを繰り広げながらも
その美しい文化の影響を色濃く受けて
自国に取り込んだように
(十字軍は、派遣したヤツが悪いと思いますがムキー)


いつの間にか、敵であったはずの国のあらゆる
ヒト、モノ、コトが、自分を形成する血肉の一部になっていく融合の過程と、そこに至るまでの葛藤や戸惑い。

ファンタジーでありながら
そんな現実的な視点が盛り込まれていて
本当に読みごたえがありました。


繰り返しますが、主人公は超絶強い若いカリスマリーダーではありません。

規格外の魔法とか
超人的な剣さばきとか
一人で一軍壊滅させるような圧倒的武力は
持ち合わせていないので、漫画みたいな
痛快さはありません。



しかし、人間という弱い存在が
短い生の中で

病をおそれながらも
打ち勝つ方法を考えたり

異文化を受け入れ
融合し、助け合いながら
力強く生きていたりと

胸が熱くなるような感動が
読後に残る作品です。


最後までお読みいただき
ありがとうございますニコニコ