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私は、歴史が好きなので
歴史小説をよく読みます。


「本屋が選ぶ時代小説大賞」に、
賞が始まって以来全員一致の推挙による
受賞となった、この作品



もののふ…。
武士…。

武士といえば


「武士道とは死ぬこととみつけたり」

葉隠れの有名な一節を思い出します。

この言葉は、むやみやたらに死に急ぐことを美化している訳ではなく

「武士道」の著者新渡戸稲造は

無駄に死に急ぐんは、勇気やない、蛮勇や

と、した上で

武士たるもの、よい生き方があるように、よい死に方についても、考えとかんとあかん。

矜持を踏みにじられても、死をおそれて、
死ぬべき時に命を惜しむんは武士やない。


という感じで解説したはります。

時代背景を考えたらば、その通りでしょうし
現代でも、国家間の大きな話ではなく、
個人的に戦わないといけない場面だって
あると思いますが

生きてこそやろう

という考えが根底にあるんですね。
私には。

特に、幕末の歴史にふれる時に
武士の世が終わろうとしている中
武士道の名のもとに、優秀な人材が散って
いく様は、言い様のない悲しさを覚えました。


この小説の舞台は、豊臣秀吉絶頂期
幕末とはまた違い
武士は戦いに明け暮れていた時代です。



主人公である才蔵は、肥後を治めるために
やってきた加藤清正にこう言います。


「己が敗北するかもしれぬとの思いを胸に宿す者は情を知り、弱きもの、敗れしものにも恥をかかさぬよう気遣うもの。

相手に恥をかかせることは、己が恥をかくけととすら思うのでござる。

その心得こそが、もののふの道にござりまする。


大挙してやってきた豊臣軍に肝を潰し、
服従せざるを得なかった九州の民を見下した態度をとる豊臣軍に対して、もののふの道を著しく踏み外している、と指摘したシーンですが

死ぬこととみつけたり

よりも、ストンと心に落ちました。


もののふの道=恥を知る心に従う生き方

自分自身に対して
恥ずかしいと思うような生き方はしたくない

私の意思決定の根底には
その考え方があるので

もののふの道を生きることを
体現する主人公の姿に勇気づけられたり
ホロリときたり…。

大賞は伊達ではないな、と思います。

機会があれば、読んでみて下さいね。

しかし…。
私の本の趣味は、本当にオジサンぽい
ですね滝汗

父が読書家で(母もですが)
自宅には父の本が沢山ある環境でしたので

中学生くらいから、ティーンでは
なかなか手に取らないような小説を
読んでいましたニヒヒ

歴史小説好きの原点となった
司馬遼太郎さんをはじめ

浅田次郎さんや

ハードボイルド系まで網羅 笑笑

それらは、すべて
私の中に落ちていると思っています。

よい読書の秋を過ごしましょうね。

また、更新します。