寒邪とは (六気六淫) | 世田谷区北沢一丁目・整体院長の健康日誌(旧・冷え性改善教室)

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旧タイトル『冷え性改善教室』。東京都世田谷区北沢一丁目にある整体院 『快バランス整体院』 院長・渡辺勲のブログ。腰痛、肩こり、骨盤調整、偏頭痛から冷え性まで、様々な症状を改善する整体と、整体院での日々の出来ごとを綴ります!

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冷え性改善教室へようこそ!


整体師の渡辺です。






前回の記事で、冷房の中にいると開いた汗腺から 『寒邪』 が浸入

して…ということを書きましたよね。


さらっと書いてしまいましたが、このあたりのことは、まだ詳しくお話

したことがありませんでした。


西洋医学では病気の因子としてウィルスがありますが、東洋医学に

は、ウィルスという概念は有りません。


その点で、寒邪のように病気の原因になるものを 『邪』 と呼んでい

るんですね。


もちろん、それは寒邪だけではありません。


今回は、寒邪をはじめとした、東洋医学での病気の原因についての

お話をしたいと思います。






東洋医学では、まず人間が病気になる3つの因子として 『外因・内

因・不内外因』 があると考えています。


外因は、人の体の外にあって病気の原因になるもので、気候の状態

などがこれにあたります。


内因は、主に人の体の中にあって病気の原因になるもので、精神的

な状態といえばいいでしょうか。


そして不内外因は、外因、内因どちらにも属さないもので、飲食物や

疲労、遺伝などの要素を指します。





で、寒邪はどこに入るのか…といえば、外因になります。


外因では、人間を取り巻く自然界の気候の状態を、六つの状態・概

念に分けて、これを 『六気』 と呼んでいます。


六気は 『風・寒・暑・湿・燥・火』 という、6つの状態に分類されて

います(寒、出てきましたね~)。


ただ六気は、自然界にあってそのままの状態では、特に人体に害を

及ぼすわけではありません。






この六気が病気の原因となるのは、まず、それぞれが多くなりすぎ

たり、不足したりと 『バランスが崩れたとき』 です。


例えば、冬の寒さが厳しすぎたり、本来暑いはずの夏が涼しすぎて

もいけません。


さらに、人間の体が六気に対して 『極端に抵抗力をなくしたとき』

も、六気は病気の原因になります。


例えば、大きなストレスなどで、自律神経のバランスが崩れている

場合などが、それに当たりますね。






このように、六気が病気の原因になった場合、六気は 『六淫』

なります。


このとき、発病原因となった “風・寒・暑・湿・燥・火” の状態が邪

ということになります。


それぞれ 『風邪・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・火邪』 ということに

なるわけですね。


やっと “寒邪” が出てきましたね~。






六淫の簡単な性質は、以下の通りです。



● 風邪


風邪が病気を引き起こすのは、春先が一番多いと言われている。


主な症状は、くしゃみ、せき、鼻づまり、頭痛など。


さらに風は変化が早く、寒や湿などの他の気とも結びつきやすい

性質がある。風邪(かぜ)は万病の元、と言われるゆえんである。




● 寒邪


寒邪は、肌を守る陽気を傷つけやすい性質あり。


寒邪が体表に入ると悪寒、発熱、頭痛などの症状が出る。


さらに体内の深部まで寒邪が達すると、吐き気、腹痛などの症状も

ともなうようになる。




● 暑邪


暑さに対する人体のバランスが崩れると、暑邪は人体を襲う。


このとき地からくるものを「火」、天からくるものを「熱」といして捉える

こともある。


症状的には頭痛、口の渇き、イライラ、熱が出るといったものが典型

的な熱病の症状になる。




● 湿邪


湿邪による症状は、湿っぽい季節に起こりやすく、体内の水分が上手

く排出できない状態になる。


症状としては、関節を侵すと関節の痛み、運動障害、運動制限を引

き起こす。


内臓的には食欲不振、消化不良などを引き起こし、湿邪に侵されると

除去しにくく、症状が長引くと言われている。




● 燥邪


燥邪の症状は、自然界の乾燥状態に似通っており、体内の水分不足

の状態をさす。


症状としては鼻孔内乾燥、鼻血、口の渇き、唇の渇き、喉の乾燥や、

痛みが出る。




● 火邪


火は熱が盛んになった状態で、熱邪でもある。


症状的には高熱、顔面紅潮、目が赤い、尿が赤いなど全身的、局所

的に熱の状態をしめす。



以上が、六淫それぞれの簡単な性質です。細かく触れると分かりにく

くなるので、最低限の部分だけ書かせていただきました。


特徴的な部分を見るとお分かり頂けると思いますが、六淫は、本来的

『季節との関連性』 が深いものなんですね。






冷え性というのは、当然、寒邪が引き起こす症状です。


では 『夏の冷え性』 というのはどうなんでしょう。


だいぶ長くなりましたので、このあたりは、次回に続けていくことにし

ましょう。


それでは、また明日!