知人が精神科医からセクハラ診療を受けたことはこのブログの過去記事でお知らせしてきたところであります。

 

この件で、病院側の窓口の総務課長とやり取りしている中で、りわりん春日が「病院側の苦情対応に対する勘違い」について気付いたことがありましたので、今回はそのことをお話します。

 

「証拠がないから対応しない(できない)」という勘違い

 

総務課長はやり取りの最初から「証拠がない」と言っておりました。

「証拠がないから訴訟はできない」は日本語として正しいですが、「証拠がないから苦情対応できない」というのは日本語として大間違いなんです。

 

「証拠がなくても苦情対応はしなくてはなりません」

 

苦情対応というのは裁判と違って誰が良いか悪いか白黒はっきりさせるという性質のものではありません。

苦情を受け付けた場合は、苦情が発生した背景を調査し苦情内容が発生する可能性を認めた場合は必要な改善を行うというものです。

 

今回の知人の例でいいますと・・・。

知人の事案で証拠がなかったのは「密室状態での診療でセクハラが行われていたから」です。

その苦情申立に対して病院の総務課長は「証拠がないからなんも対応しなかった」と言っているのです。

 

(`・ω・´) みなさん、もうお分かりですね。この総務課長は苦情対応の意味と目的を知らないのです。知っていたとしたら正しい対応はこうでした。

 ↓

「証拠はないけど苦情者は診療中に医師からセクハラを受けたと言っているので診療状況を調査してみよう(調査)

「あっ!!この苦情者の診療中には他の立会者もなく医師と患者だけの密室状態になっていたではないか(状況認識)

「こんな密室状態で診療していればセクハラが起こる危険性がある(危害分析)

「今後の診療中には必ずクラーク(医師の事務補助)などの立会者をつけて医師と患者だけの密室状態にならないようにしよう(改善)

 ↓

苦情を受け付けた場合は、苦情が発生した背景を調査し苦情内容のようなことが発生する可能性を認めた場合は必要な改善を行う・・・とはつまりこういうことです。

 

(`・ω・´) この病院の総務課長のように「証拠がないから苦情対応しない」なんてことをしていると、同様の被害者を増やし続けてしまいます。このような「苦情対応についての勘違い」をしている人間を苦情対応の窓口にしているこの病院の管理者としての罪は実に重いと申せましょう。