モトクロスがある生活

モトクロスがある生活

1989年生まれの河村広志が日々の日常とモトクロスがある生活を赤裸々に綴ります。

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2019年以来のJEC 全日本エンデューロ選手権の第1戦・第2戦に参加してきました。


クラスはIB

国際B級です。

「A級じゃないの!?」と何人かに言われましたが、あまり僕を買い被らないで欲しい。この1年くらいはほとんど乗っておらず、さらに磨きがかかっております。


第1戦の広島は雨が降ってマディコンディション。手も足も出ずタイムアップ(になりそうだったしマディだったし意気消沈)でリタイア。


第2戦は2DAYS

オンタイムエンデューロのルールや変更に翻弄されつつ辛くも地元いなべで3位入賞。

買い被らないでと言いつつ何とか面目は保たれたかなといった所でしょうか。



IBクラスで圧倒的な強さを見せる酢崎選手。

モトクロスの関東選手権NBクラスでも破竹の勢いで勝ちまくっているらしい。驚き。

モトクロスのNBなんつったらジュニア上がりのヤング達がゾロゾロいるわけだから。


第2戦ファイナルクロスはスターティングゲートを使用してのスタート。

スタートは得意な方なのでここは出させて貰いますよと1コーナーに飛び込もうとした瞬間、やっぱり来たねインからグイグイと酢崎選手。


絶妙にコンタクトするかしないか、いやちょい当たったなってくらいの突っ込み!

いいねいいね「前に出させるか」って気持ちの入った幅寄せ逆に嬉しいねーと思ってたら酢崎選手スリップダウン。


フッ、まだまだ若いな!お先にぃー!


ってアクセル開けた瞬間に自分もスリップダウン。あれは何とも言えん恥ずかしさがあったな。


自分もまだ若いという事が確認出来て嬉しかったのと、レース後に酢崎選手から「河村広志さんは絶対に前に出させちゃダメだと思ってたんで」という言葉を頂戴して私、大変光栄でした。


同じグループで走った青木選手も酢崎選手と同年代で僕との年齢差は倍。

彼も綺麗な走り方をするけど、ちょいちょい変な感じするなーと思って聞いてみたら怪我を押しての出場だったんですね。


まだ若いんだから今はしっかり治してー とかおじさんみたいな事も言いたくなっちゃうけど、16歳くらいの「自分は!今しかないんス!」ってゆーのもわかる。わかるぞ!


きっとこれから日本のエンデューロ、引いてはオフロードバイク界で活躍されるであろうヤング達。

怪我なく楽しくレース出来るといいな。





有難い事に参加されていた他のライダーの方からも声掛けて頂いて嬉しかったです。


何人かに聞かれたのが「ジャンプ飛びたいけど怖いんです」や「ウィップ(スクラブ)ってどうやるんですか?」という質問。


普段からモトクロスコースを走ってみえる方からも同じ事を聞かれる事が多々あります。



ジャンプに関しての僕の答えなんですが


怖いなら飛ばなきゃいい。


これに尽きます。


本当に無理して飛ぶ事ないです。


危ないしね。ジャンプって。

ふつーに考えて。



ただこれだけだと"河村広志ただの嫌な奴"で終わっちゃいそうなのでもうちょっと踏み込んでモトクロスのジャンプというものを考察していきたいと思います。



ここからは完全に僕の私的考察(僕のブログなんで当たり前だが)なのでそこん所よろしくお願いします。異論はもちろん認める。




そもそもジャンプはなんで飛ぶの?って話です。


モトクロスの醍醐味!ジャンプカッコいいじゃん!という感情は抜きにして語っていきます。



ジャンプって邪魔なんですよ。

障害物競走で言う所の障害。


ずーっとアクセル全開で走れた方が速いですよね。でもコースには2連ジャンプやテーブルトップもある。


もの凄いダウンフォースを生み出すスポイラーなんか付けて走ったらアクセル全開で地を這うような走りが出来るんじゃないかと思ってるんだけど、そもそも発想がアホっぽいと言うか、アホが考えた頭良さそうな答えみたいというか、現実問題それは無理。


じゃあどうするかって言うと、


速く走る為に「しょうがないから」ジャンプする。


となるわけです。


ジャンプを一気に飛ぶ事によって障害をまとめてクリア出来る事になります。

ジャンプを飛ばないより飛んだ方が速い。だから飛ぶようになるわけですね。


要はモトクロスレースにおいてジャンプは速く走る為の手段でしか無くて目的にはなり得ないという事です。


これが僕が思うジャンプの本質です。

当たり前の事のようだけど、意外とこれを知らずに「ジャンプを飛ぶ、飛びたい」だけにフォーカスしてる方が多いように思う。


嫌な奴になりたくないんだけど、今の時点ではまだ「なんだかんだ言って飛べねー奴は大人しくしてろって事だろ」って言われちゃいそうな気がしているのでもうちょっと聞いて欲しい。



続きましてジャンプの進化について


通常モトクロスのジャンプはそのジャンプの角度、着地斜面までの距離に合ったスピードで進入し、ジャンプします。

※ 僕らはこの事を俗に"合わせる"と言います。

凡例:「あそこは合わせないと危ないよ」「あそこは合わせて飛ぶより飛びすぎるくらいがいいよ」



しかし、現代のモトクロスはただジャンプに合わせて飛んでいるだけでは勝てなくなってしまいました。


今度は「ジャンプしたは良いけどこんなに上に上がって滞空時間が長いと速く走れない!しかも手前で速度落とさないと飛びすぎちゃう!」となったわけですよ。



時は90年代アメリカ。

"King of supercross"ジェレミー・マクグラスは連戦練磨の無敵状態。


新しい時代に突入していました。もちろんバイクの進化もありきだけど、それほどマクグラスの存在はセンセーショナルだった。


ジャンプで言うと進入速度をあまり落とさず、尚且つ飛び過ぎないように飛ぶ、いわゆる抜重ジャンプ。

簡単に言うと、身体とサスペンションを使って垂直方向の力(飛ぶ力)は逃がして進行方向への力をなるべく殺さない飛び方。


BMXのレースは抜重の極端な例ですね。ちなみにマクグラスはBMX出身。


ウィップもある意味抜重ジャンプの一種だと僕は思っているけど、ウィップの場合は手前、もしくはジャンプ直後のコーナーへのアプローチという意味合いも含まれていると思います。




さらに

人間は欲深い生き物。

もっともーっと速く走りたい!となるわけです。

速く走る為の探究心が悪魔的。


00年代に入るとこれまたアメリカのジェームズ・スチュワートが"スクラブ"と呼ばれるスキルを確立させます。


画像を貼りたい所だけど色々面倒なので

「stewart scrub」でググってください。出てきた画像がソレです。

ソレを見てもよくわからんですよね。気持ちわかります。


多くのライダーが色んな手法でトライしただろうけど、これに関してはスチュワートが確立させたと言っても過言ではないでしょう。



スクラブの最大の特徴。

抜重ジャンプで垂直方向に力を逃がすだけでは足りないと感じたんでしょうね。今度は水平方向にも力を逃がしてやろうとなったわけです。



というようにですね、先述した「悪魔的」になぞらえると人間は悪魔に魂を売るような方法で速く走ろうとするわけですね。


でもね、それでも速く走りたいんですよ。


かくいう僕も先日のファイナルクロスのジャンプ中に前を走っていたライダーを抜かした瞬間が何回かありました。

同じ飛距離のジャンプで同じタイミングで離陸しているのに僕の方が速く着地する。


これは僕がスクラブとまではいかないまでも先述した技術の何かしらを応用して走っている証拠だと思います。


でも僕の中でスクラブしてるとか抜重してるとか、そういう意識はもはや無いのです。


速く走る為にはそういう走り方になっていく。

という言い方になります。

自分で言っといてちょっとカッコいいじゃない。


じゃあ結局抜重だかスクラブだかわかんねえけどどうすればいいんだよっ!て話。


速く走る練習しているうちに嫌でもそういう飛び方になっていっちゃうので心配しないでください。



なので、結局地道な練習の積み重ね。

もうね、ほんっと地味な練習って嫌んなっちゃうけれどこれに尽きる。

道のりは人によるけど近道は無い。多分無かった。多分しようとした時に骨とか折ってた。



「chapter1でジャンプとかもやってください」も言ってもらった事あるけど、それもうchapter10以上いってます。


ジャンプは怪我をするリスクが非常に高い。



目的

速く(気持ちよく、上手く)走るため


手段

ジャンプ飛ぶ(スクラブする)


この関係性を間違えると怪我しやすくなっちゃうので本当に気を付けてください。



唯一例外として挙げるとするならFMX。

あれはまさにジャンプの為のジャンプ。


だから「ジャンプ飛びたい」「ウィップしたい」と思っている方はモトクロスよりFMX志向だと思います。



でもさー



ジャンプ飛んでさーー



バチッと捻れたらさーーー



カッコいいんだよねーーーー



その気持ちもとてもわかる河村広志でした。

📸muneoくん


今年に入ってから「オフロードバイクを始めたい人、始めたばかりの人に向けたHow to動画」と銘打って『chapter1』というプロジェクトを開始しました。

 

「プロジェクト」とかカッコよく言ってるけど「プロジェクト」って言いたかっただけです。

そんなに大それていなくて、単純に「オフロードバイクってこういう情報少ないよなー。あった方がいいよなー。」というノリでやっています。

 

例えば釣りを始めようと思ってYouTubeで「釣り 初心者」って検索しようもんならんものすごい数の動画が出てきて、逆にどれをどうすればいいの状態になるんですよね。

 

もちろん始めるハードルの高さや元々の競技人口の違いはあるけれど。

 

オフロードバイクって意外とその辺が薄いなと。ライテク動画は結構あるんですよ。

その動画までたどり着く前が欲しいなと思って。そこにフォーカスしていきたいなと思って始めたのがchapter1です。

 

chapter1とは「第1章」みたいな意味です。なんか、響きもかっこいいじゃない。と自分では思ってます。

 

第一回は、まずこれがやりたかった。「コースを走るうえでの注意点」

 

 

いきなりコース走るのって怖いですよね。

転んだときどうすればいいのーとか。

 

初心者の方とコースを一緒に走った時にすごく感じた事。

「バイクで転んじゃった」という事実にビックリ、又は呆然としてしまうんですよね。

 

当たり前だけど初心者の方って自分の事で手一杯になっちゃいます。

 

色々手ほどきしてくれる人がいるのが一番いいけど、今の時代、それをネットで事前に知れたらいいじゃない。

前の晩見とくだけで少しは心の余裕を作れるんじゃないかなと。

もちろん実際にコースを走っている人に聞くのが一番良いですけどね。

 

 

第2回からはオフロードバイクを乗るうえでの装具を選ぶポイントを紹介しています。

 

 

 

自分で作っといてアレですが、だいぶ端折って紹介してます。

 

喋ろうと思えばいっくらでも喋れちゃうんですよ。どれが良いとか、エンデューロをやるならアレよりコレが良いよとか。

 

オフロードバイクという趣味では既存の存在である僕たちは知らないうちに莫大な情報を持っているんですよね。

その情報ってほとんどが経験で出来ているものだから「何もわからない状態」の方に向けた情報ってのは、そのほんの一部だけでいいよね。ってことでこんな感じになってます。

 

せっかくやるなら淡々と説明するよりはお喋りする感じで楽しくしやりたいなーと思って鈴木友也さんにご協力いただきました。

 

そしてこの動画を撮影、編集、そして企画も一緒にやってくれているのが「むねお君」です。

本人は「僕はそんなに表に出なくていいんで…」と言ってくれているのであえて大々的には登場していません。が、

むねお君のおかげでchapter1が成り立っている事をこの場を借りて感謝したいと思います。ありがとう!!

 

あとですね、「オフロードYOUTUBER戦国時代 」なんつって紹介してくれることもありまして。

 

大変ありがたいことです。

 

ただ、こう、いわゆる「プロレス的」な感じで盛り上げて頂いていると思うんですが、一応断っておきます。

 

誰とも何も戦っていません。笑

 

例えば近いところで言うと馬場大貴選手のチャンネルでもライテクや装具の紹介等しています。

 

 

内容が被っているように見えてもこの動画は大貴にしか出来ない紹介の仕方をしているので、僕としてはこちらも是非見てほしいのです。

 

「違うこと言っててどっちが良いのか迷っちゃう」ってなるかもしれないです。

 

いやいやそれがいいじゃない。どれにしようか迷っちゃうって、それ楽しいやつじゃん。

 

何をすればいいのか、どれを選べばいいのかすらわからない状態から考えたら一気に選択肢が増える贅沢感。

 

ライテクもそうだと思うんですよね僕。

「あの人はこう言ってたけどこの人はこう言っていた…。どっちが正解?」みたいなことありませんか。

どっちも正解だし不正解です。

 

それを聞いて、自分でやって、考えて、どっちが自分に合ってるのか試して、失敗して。自分で導き出したそれが経験であり正解だと思います。

最後は自分という最高にズルい結論。

 

要は「お前の言った通り装具を揃えてお前の言った通り走ったら大けがしたぞ!どうしてくれんだ!」って人はきっと向いてないから辞めておいた方がいいと思います。って事です。

 

ケースバイケースな事がかなり多い競技ですからね。

 

ただ、それでも楽しいと思ってずっとやってきたものなので、僕に出来ることをやれる範囲でやっていこうと思っております。

 

趣味はなるべく楽しくやりたいですよね!ってことでこれからもよろしくお願いいたします!

2019年全日本モトクロス選手権 最終戦からもう1か月以上経ち、今年ももう終わろうとしております。

今年はIA1クラスに出場し、ランキングは28位で終了しました。

 

とりあえず大きな怪我無く終えることが出来ました。ほっ…

 

今年も全国各地でたくさんの方から応援して頂いたお陰で走り切ることが出来ましたよ。

 

 

いつレースを辞めるか決めていたわけではありませんが、今の現状、僕の気持ちを総合的に考えた結果、フル参戦はもうしんどいなという結論に至りました。

 

 

モトクロスライダーは色んな形でレースに参戦しています。

チームに所属し、チームとレースを共にする人。

メカニックからライダーまで全部ひとりでこなす人。

家族でレースを転戦する人。

 

うちはずっと父と一緒でした。

 

きっと父は僕がまだレースに出たいと言えば協力してくれると思います。

 

が、レースに出る僕のモチベーションがもう限界に達していました。

 

色んな理由でバイクを降りるライダーがいる中で、大きな怪我も無く、円満にレース活動を終えることが出来るのはある意味幸せなことかもしれません。

 

ただ、この歳になっても父と全国各地へ行ったり、共通の会話が出来たっていうのは嬉しい事。

もし、こどもを授かったら、そんな風になれたらいいなとさえ思います。

 

高校生の頃、一度は辛くて辞めたモトクロスをまた再開して、それなりに頑張って、なんとか国際A級になり、最高峰のIA1クラスに出場した。

上位を争うようなライダーにはなれなかったけど、こんなところまで来られるとは思ってなかったなぁ。

 

 

最終戦が終わった後、こんな僕でも何かがぽっかりと抜けた感覚がありました。

 

今後何をしよう。

 

いまだに答えは出ていませんが、ダートバイクライフを楽しみたい人、ダートバイクに乗ってみたい人に協力が出来るような活動をしていきたいと思っています。

 

幸い僕の周りにいる人たちはそういう事に関して非常に協力的な人たちばかりなので、積極的に巻き込んで、巻き込まれていきます。

 

 

先日、ゆとりカップに遊びに行きました。

 

MFJの選手権。

「選手権はハードルがちょっと高い…」という方向けの草レース ダートバイクプラス。

「いやダープラカップでもハードル高ぇよ怖ぇよ…」という方に向けたゆとりカップがあるんです。

 

まさに初めてレースに出たいという人にうってつけの大会。

 

去年のゆとりカップの様子を見てて

「主催側がいくらゆとりも持ってと言っても、レースになると皆ゆとり無くなっちゃうよなー」

と思ってはいたんだけど、今年のゆとりカップを見てて思いました。

 

レースってそういうもんだと。

 

 

レースってゆとり持てなくなるんですよ。緊張していっぱいっぱいになるんですよ。

 

 

だけどそれがレースなんです。

 

ゆとりカップはそんな本物の「レース」を体験できる。

これってめちゃくちゃ素晴らしい事。

 

 

レースは練習では絶対に体験できない。

 

だけどレースには出てみたい。でも失敗するかもしれない。怖い。っていう人の背中をちょっと押してくれる。

 

主催の二人ががあれだけ口酸っぱく「ゆとりをもって」と言い続ければ、大会自体の雰囲気もそうなるし、実際そうなっていました。

 

モトクロスに限らず、「体験する」「体感する」っていうのが、やっぱり一番手っ取り早い。

ゆとりカップはそんな人たちの為の優しい受け皿になっていました。

 

 

はじめてバイクに乗った時のワクワクがきっと僕の中にもまだ残ってて、そんなワクワクをきっと他の人にも味わってほしい。

だからこれからもバイクに乗ります。

人に楽しんでもらう為には、まず自分からという事で、これからも自分ファーストで楽しんでいきたいと思います。

 

これまで応援してくださった皆さん、サポートしてくださった企業様、本当にありがとうございました。

 

そしてこれからもよろしくお願いします!

 

河村 広志