ここに越してきて早4ヶ月…以前の土地開発では盛んだったであろう名残が残るこの界隈…今や忘れ去られた産物となり、高齢化も手伝って空き家が多い町である
我が家もそんな一軒をリフォームし住んでいるのだが、長いこと放置されていたせいか、ただ単に自然に取り囲まれてるだけなのか、草木の成長が著しい。
空き家は我が家の回りにも多く、隣と向かいが空いている。しかし庭は綺麗に手入れをされている…当然住んでいると思い聞くと空き家だと言う。情報乏しい外から来た我々は、その情報を信じるしかなく、ご挨拶は割愛するしかなかった。
しかし、両方ともたまーに姿を見せ、慌ただしく庭の手入れだけをして帰っていく人がいる…管理してる人が庭師でも頼んでいるんだ…などとのんきに構えていたが、たまに泊まって行かれたりしてる…庭師が泊まるわけはない。持ち主さんだ
しかし予告なく来て突然帰ってしまわれるので、なんとなく機会を逃してしまっていた。…もはや今更どの面下げて…と思うと、気も重くなった。
ある日またまたのんきにベランダで洗濯物を干していると『奥さん、奥さん!』と呼ぶ声がする。NHKめ、とうとう来たかそれとも新聞勧誘かいや、宗教かまさかリフォーム業者うちはリフォームしてあるっつうの…と、一瞬にしてこれだけ思いついた。
だが違った。お隣の庭師と思っていた家主さんだった
とっても気さくな方で、あちらから話しかけてくださったのだ
我が家はようやくお隣さんにご挨拶ができた。いつお会いしてもいいように、粗品を用意しておいてヨカッタ
聞くところによると、ここらは昔は大層賑やかだったらしい。子供が巣立ち、高齢化の波に飲まれ、一軒また一軒と空き家になったという。うちの前の所有者さんは草木が好きで、大きな柿の木を庭に育て、いつも立派な実をつけていたという。
旦那は柿が好物なので、大層悔しがった…先に知っていれば木は切らないでと頼めたが、時既に遅し…
それに活気あった頃は、漫画家の永井豪氏が住んでいたという…えーっ、あのマジンガーZの、デビルマンの、ハレンチ学園の
いまはもうとうの昔に引っ越して行かれてるが、そんなスゲー人が、こんなド田舎の片隅に
ああ、もっと早くここに住みたかった…お話してみたかった…子供の頃、めっさお世話になりましたと伝えたかった~
まぁ歴史ですなぁ。自分が知らない知り得ないここらの昔話が聞けて、なんか愛着が湧いてきたある日の出来事
とりあえず、お隣とお話できたことにより、うちに侵入しつつある木の枝のお手入れの件も話しやすくなった…のかな(笑)