知り合いが子猫を連れてきた。
ゴミ捨て場に置いてあったという。
まだヘソの緒がついたままの子猫を、知り合いは育て、離乳期に差し掛かったので貰い手を探していると言う。そして白羽の矢が我が家に立ったのだ。
とりあえず会ってやってくれ、とわざわざ連れてきた。
以前先住猫と拾ってしまった子猫を育てた経験のある私は、大丈夫だろうとタカをくくっていた。
しかしくくりきれない者がいた…まるである。
目を見開いて巻き舌で熱い息を口から吐いて、デカイ図体の者が手のひらサイズの子猫を嫌というほど威嚇していた。
部屋から逃亡していく癖に、ドアから顔だけ出して威嚇するだけして逃亡…を繰り返す。
知り合いは『ちょっと考えてみて』といい、子猫を連れて帰っていった。
その時まだ私は安易に考えていた。なんとかなるかなと…しかし、まるは頑なに拒否反応を解こうとせず、六時間が経過。
少し落ち着いたかなと安心し、ゴハンもペロリと食べ夜は一緒に寝てやっといつも通りに戻った…かと思いきや、翌日にハンガーストライキを決行してきやがった。
大好きなカリカリを与えても、よく食べる缶詰を開けても見向きもせずにダランと寝ている。
食べるよう勧めるため抱っこすると、巻き舌で喉の奥から息を吐き、離せとジタバタ…離すと部屋の隅でジト目でこちらを見ている。
かなりの強敵…落ち着いた頃を見計らってウサギ毛のおもちゃをワキワキ動かして気を引こうとすると、それに向かって唸ってパンチを繰り出す
ああ、そうだった…
君の幸せを約束したんだよね。絶対三人で幸せになろうねって…そうだよね。
考えを改めなければ…子猫を迎え入れることだけではなく、いかにまるが幸せであることができるのかを。
旦那に話すとまるの代役で『まるは一人っ子がいいー』と…確かにそれが答えなんだよね