チャー助を保護したのは、2020年11月。
私達が、毎月第3日曜日に里親会を開催しているポニーの森に捨てられました。

犬種はトイプードル、本来はクリンとした毛並みが可愛らしい小型犬として人気のある犬種です。

保護時のチャー助は、トイプードルとは判断がつかない位なんの手入れもされていなくて毛は伸び放題でボサボサ、推定10歳位の高齢犬、その小さな身体で相当な苦痛に耐えながら生きてきたと思われるような悲しげな表情を浮かべていました。

私は、どのような環境で生き抜いてきたのか、チャー助に少しでも楽で幸せな犬生を送ってもらえる事を思い、苦痛から解放されるようなケアをしてあげなければと考えていた所、ツイッターを見て里親希望の方からの申し出がありチャー助に会ってもらったところ、即決で家族として迎えたいと言って戴きました。

譲渡後、チャー助からハッピーに改名されて、初めて会った里親様の温かいハグに心を満たされ、幸せな犬生のスタートを切ったのです。

里親様は、直ぐに病院で検査をして戴いた結果、糖尿病とすい臓が悪く、皮膚炎もあり悪い事が重なりました。

皮膚炎の状態は悪く直ぐにはトリミングは出来ず、治った後には毎月トリミングに通って綺麗にして戴きました。

でも、糖尿病のため直ぐに目が見えなくなり耳も聞こえなくなりました。

ハッピーは、高齢と持病のせいで体力的な鈍さはあったものの、糖尿病とすい臓の治療を続ける日々でしたが、私達に癒やしをくれたとの事です。

里親様は看取るという覚悟、生きるという希望にかえる力で接して戴きました。
体調が良い時は笑顔で元気一杯、庭を走っていたとのこと。

少しずつゆっくりと元気を取り戻して行くための貴重な時間となったのではないかと思われます。

ハッピーの生き抜こうとする姿に勇気づけられた里親様。少しでも楽に1日でも長く生きて欲しいと願い、懸命にケアをし治療をして下さいました。

ハッピーの命の輝きは、時間の長さや日数ではなく愛される密度だと思うのです。  
里親様のお陰で、3年間懸命に生き抜いたハッピーのことを想うと胸があつくなります。

よっかいちaiやワンニャンB0OK、ほか色んな雑誌にも写真を応募されて掲載されたとの事です。
親バカだけど写真写りの良い可愛いいハッピーだったとも言ってみえました。

そんなハッピーが、10月7日に急に具合が悪くなり10月9日3時半に旅立ったと連絡を受けました。
 
10月10日、ハッピーを見送る為に斎場へ行く車の中から西の空に、偶然にも虹が掛かっているのが見えました。
あの虹の橋をハッピーが渡ったのだと気付きましたが、里親様も同じことを思われたようです。

2020年11月22日から2023年10月9日までの3年間、愛する家族との出会い、また毎日の幸せな暮らしの喜びは、ハッピーにとってはまさに奇跡だったに違いないと思います。

もと飼い主に捨てられたハッピーでしたが、3年間共に過ごした愛する家族と最期の時を一緒に迎えることが「動物と生きる」という事ではないかと私は思います。

命が消えるその瞬間まで「うちの子」でいてもらうこと。

それは私たち飼い主に出来る1番の愛情表現。大好きな人に見守られながら旅立てることには、大きな意味があるのではないでしょうか。

何の不安もなく愛される日々を生きる命があります。

天に還って、その身がなくなっても尚、愛する家族の心の中に存在し続ける生命があります。
命が尽きてしまっても誰にも知られず、誰にも悲しまれることもない命があります。

その命の違いは何?と考えずにはいられません。
今回のような出来事は、私達の気持ちが満たされ、保護活動を続けて行くための大きな力となりました。

人間の事情で、動物の尊い命が振り回される悲劇が起こらないようにと願うばかりです。

保護した時のチャー助↑





里親様宅で見せた笑顔のハッピー










皮膚炎が治りトリミングに行ったハッピー




虹とハッピーのメモリアルパネルを里親様が作って送って戴きました。