続きです。
その函館のJAZZ喫茶はおばあちゃんが1人でやっている店で、僕が「コルトレーンはよくわからない」と言うと「じゃあこれを観てみなさい」とビデオをかけてくれた。
確か「コルトレーンレガシー」というタイトルだったと思います。
1959年頃のマイルスデイビスのグループで「ソーホワット?」(まるけんとのユニット名の元)という曲のコルトレーンの存在感のあるテナーサックスソロから始まり、所縁のあるミュージシャンのインタビュー映像を挟みながら、コルトレーンカルテットの1961年頃と1963~4年頃の2つのスタジオライブ映像の、合計3ヶ所のライブ映像(どれもテレビ番組演奏映像)が入っているビデオです。
このビデオを観終わった後、自分の中で何かが変わっているのを感じました。
店を出て函館駅までの下り坂を走りながら「コルトレーン凄すぎる。やっぱり違う。」と1人ごとをブツブツ言っているくらいノックアウトされました。
その時ハマっていたカルト宗教の洗脳がみるみる解けていくのを感じました。
今から考えると、深層心理がカルト宗教から離れるための理由付けの為に、大袈裟に感動したのかもしれません。
ここまで劇的な体験を通じなければ洗脳は解けなかったと思いますから…
なにせ一瞬にして解けましたからね。
おかげですっかりコルトレーン中毒になりました。
函館駅のゴミ箱にカルト宗教の教義本とノートを全て捨てました。
この日僕はサックスを始める決意をしました。
実際にはこのしばらく後に大阪でアルトサックスを手に入れる事になります。
最後にまだアバンギャルドに傾倒する以前の1958年のコルトレーンのバラード曲を↓
オカハセ