アートブレイキージャズメッセンジャーズ | オカハセのブログ

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1940年代半ば頃。
それまでジャズの主流は「スウィングジャズ」(グレンミラー、カウントベイシー、ベニーグッドマン等)でした。
その主流から外れたそれまではアンダーグラウンドだった「ビバップ」という、アドリブをとことん追求するスタイルが、少しずつメジャーになっていった(因みに「モダンジャズ」とは「ビバップ」以降のジャズの事を言い、「スウィングジャズ」以前を「クラシックジャズ」という)。

ビバップは曲のアレンジや構成などにはあまり拘らずとにかく即興演奏を競うスタイルなので、深いジャズファン以外には少し難しいモノになっていきました(楽曲を聴くというよりも即興演奏そのものを聴くというものなため)。
またコード進行に対しての高度で理論的なアプローチが演奏するのも聴きやすさも難しいモノにしていきました。

1950年代半ば頃になると、それまでの「ビバップ」で築き上げたコード理論を生かしつつも、ある程度は構成やアレンジなどをカッコ良くして聴きやすさも感じられる「ハードバップ」というスタイルが流行ります。

このバードバップを作りあげた元祖とも言えるジャズバンドのひとつが「アートブレイキージャズメッセンジャーズ」です。

アカデミックなことは聴衆が付いてこられる程度にして、カッコ良さや勢いやアレンジの良さなどを追求し始めたのです。
アートブレイキージャズメッセンジャーズは「モーニン」という曲を世界中に大ヒットさせました。この時のトランペッターは「リーモーガン」、そしてテナーサックス&音楽監督は「ベニーゴルソン」。
この頃のこのバンドはリーモーガンの少し生意気な不良っぽさと、アートブレイキーの少々乱暴なんだけどカッコイイドラムが、多分それまでのジャズの分かりづらさを薄めてくれたのだと思います。
今日の記事はフロントにリーモーガンとベニーゴルソンを配置したジャズメッセンジャーズの動画を5つ紹介します。



●「モーニン」

日本でも大ヒットしたジャズナンバー。
これがオリジナルバージョンです。
テーマの後のリーモーガンのラッパが「粋」でカッコイイ。




●「アイリメンバークリフォード」

この曲は、1956年に25歳の若さで交通事故死してしまった天才トンペッター「クリフォードブラウン」を偲んでテナーの「ベニーゴルソン」が1957年に書いた曲。

リーモーガンのラッパは不良っぼさを少しだけ封印して追悼曲として真面目に(笑)吹いてます。




●「ライクサムワンインラブ」

フランスのパリにある「サンジェルマン」というジャズクラブのライブ☆
これもリーモーガンのアドリブがカッコ良過ぎて大好きなテイクです☆




●「チュニジアの夜」

雑!です(笑)。
でもカッコイイ。


最後の最後にシンバルの土台がぶっ壊れます(笑)。
ていうか、ワザとに壊れるまで叩いてる?(笑)



●「モーニン」(ウィズ ヘイゼル)

「ライクサムワンインラブ」と同じくパリのサンジェルマンのライブ録音です。リーモーガンのアドリブの最初と最後のフレーズはある程度決められていたものだということがわかります。
それにしてもこの録音は決して良い録音ではないのですが、正に無加工な(マスタリングはしているでしょうが)録音でライブの臨場感が凄く伝わってくるのでワクワクします。こういう録音は下手にきれいに録ったものより好きだったりします。


このモーニンの正式なタイトルが「モーニン ウィズ ヘイゼル」となっているのは、客席に座っていたゴスペル歌手の「ヘイゼルスコット」が、ボビーティモンズのファンキーなピアノソロ中に感極まって客席で何度もシャウトするというハプニング!
それに伴い回りの客もバンドも盛り上がって行く。
これが正に【ジャズの即興の現場を捉えた】聴きどころのひとつになっています☆
同じ騒がしい聴き方でも【聴いてない騒がしさではなく、演奏に参加型の(笑)騒がしさ】はいいですね。

是非とも低音が出る環境で【大音量で】聴いて下さい(笑)。





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