オカリナ遍路[19]人は良いんだけど社会不適合な永久遍路おじさん | オカハセのブログ

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今日のお題も前回のオカリナ遍路[18]や、その数日後に書いたオカハセ講座に通じる話です。

四国お遍路中、時々出会う仙人の様な風貌の永久遍路のおじさん(お爺さんに近い)がいた。
そのおじさんは僕がオカリナを吹くことを知ると「ホンヤミカコさんが僕に自ら自身のコンサートの招待券をくれて観に行ったことがある」と話していました。
だけど、何回か出会い話しをしていると【この人は言わなくてもいい様なひと言で人間関係を気不味くする人だ】と気がつく出来事が2〜3ありました。
ある意味真面目だからつい言ってしまうのでしょうが【自分が正しい】という傲慢さが鼻に付いてしまうのでしょう。ポリシーはもちろん大切にするべきことですが人に押し付けた時点で傲慢なものになってしまうから…
まあ、以前の僕も似たようなタイプの人間でしたが…

確か香川県に入ってから少しの時間一緒に歩きました。そしてあるお堂の前でお参りも兼ねて休憩しました。僕はオカリナを奉納して般若心経を、彼は一通りのお経や真言を唱え終わった時。

永久遍路さん「いや〜暑いなぁ」
と言うので僕は日陰の場所を指差して

「こっちに日陰があるから涼しいですよ」と言いました。

永遍さん「あん…そんな日陰で休む様な奴は遍路を辞めたほうがいい!」
と、妙に偉そうに言いました。

僕「おじさんの考えはよくわかったけど…   そこは語る部分では無く『ありがとう』と言う部分ですよ。おじさんのポリシーやスタンスは他人には関係ないんですから…」

永遍「………」
僕とふたまわりは歳の離れた彼はたちまち不機嫌になり黙り込みました。

会話もないし、僕は何も言わずに先に出発しスタスタ歩きました。
その後何処かのお寺で再び会いました。

僕「あっ、こんにちは…」

彼は僕の顔を見ずに「こんにちは…」と。

そして善根宿の「まん○ら」という場所で再び会いました。彼は善根宿では無く近くの公園にテントを張り寝るらしい。相変わらず僕と目を合わせず他のお遍路さんと話しをしている。

夕飯の支度をしようと思って「あっ!おじさんご飯は食べたんですか?」と訊くと。

「そんなもん食べられるわけないだろう!何も食ってねえよ!」と吐き捨てる様に剣のある言い方で言った…

僕は「ああそうですか…」と言ってその後無視しでもいいのですが、何も食べてないのはかわいそうだし、それに彼は彼なりにお寺をちゃんとまわりながらの托鉢して一生懸命回っているから、彼の怒りがわからないわけでも無いので、

「これから夕飯作るので良かったら食べていきますか?」と言いました。

彼は「ありがとう」を言うタイミングを失った様なバツの悪い顔をしてました。そんな彼が少しおかしくてかわいかった(笑)。

食事が済んだ頃には彼の頑なな心が少しほぐれた様で

「お兄ちゃん、ご飯本当にありがとうな」と笑顔で言ってテントに戻って行った。

「お兄ちゃん悪かったな」とは言わなかったけど、僕はふたまわりくらい歳下だし、それに【悪かった】という気持ちは充分に伝わった。

って言うか、僕はこの時は既に「お兄ちゃん」ではなく【41歳のおじさん】だったんだけどね…






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