V6『Oh! My! Goodness!』における森田剛氏のボーカルについて | オーヤマサトシ ブログ

V6『Oh! My! Goodness!』における森田剛氏のボーカルについて

以前V6の『Oh! My! Goodness!』っていうアルバムがめちゃいいっていうブログを書いたんだけど、

>過去記事 V6の『Oh! My! Goodness!』ってアルバムがめちゃめちゃいい

中でも特に森田剛氏のボーカルに心を奪われたのだった。

そのときの記事では「森田の表現力に感銘。」というコピペで済ませてしまったのだが、あれからいろいろ聴きこんで、(俺の思う)彼のボーカルの魅力をちゃんと書いておこうと思って、酔ったいきおいでいろいろ書いてみようと思う。
全曲ではなく、とくに感じ入ったものだけピックアップしていきます。

なお特に森田氏のファンになりましたーという話ではなく、OMGにおける森田氏のボーカルの特異性を俺の思い込みと妄想で書き散らかしただけの妄言です。
人って酔うとこんなにも自由になっちゃうんですね。怖すぎ。




>『Supernova』

アルバムOMGにおける森田最初のソロはこの曲のAメロなんだけど、「イージーな関係なんてない」の「イー↑」と、「もうやめようぜ勘違い」の「もう↑」の上がり方が違う。「もう」のほうがよりエッジが立ってる。
あと「夢じゃないしーそーせくしーべーえいっべっ」の「えいっべっ」もかなり鋭角。
こういうこまかいアクセントの変化づけをおそらく勘というか本能でやってるのでは。




>『BING♂』

この曲はとにかく「かわいこちゃんも無言で挙手」のラップに尽きる。

彼らの場合、自分で曲を作ってるわけじゃないから、歌唱のガイドとなるデモテープってものが必ず存在するはずで、誰かの歌を聴いて、そこでメロや歌いまわしを覚えて歌ってるはずなんだけど、(たとえば『Sexy.Honey.Bunny!』のAメロ「愛がすべて、忘れちゃ」の「ちゃ」を破裂音にするとかもデモ時点で細かくディレクションされてるはず)このラップはかなり本人の意思やクセが働いてるんじゃないかと。もっと言えばこの曲に限らず、アルバム全編とおしてそういう感はある。

後半にでてくる「オーイエス、バッラック」も同じで、こういうさりげないひと言にちゃんと表情を残すのがすごい。




>『Maybe』

いいよねーこの歌い出し(バカみたいな感想)




>『D.I.S.』
「チャッチャッチャッチャッ、クラクラクラクラクラーイ」のくだり、他メンバーに比べて音の伸ばしが少ない。スパッと切ってる。
これも先述したエッジを利かせる歌い方と共通してるかと。




>『バリバリBUDDY!』
「最近元気足りないねー」の「ねえ」のアクセント、音階が「ね→え↑」ってなってるんだけど、森田は割合でいうと「ね→(0.5)え→(0.5)」って感じなの。
2番の岡田の場合は「ね→(0.25)え→(0.75)」って感じ。(伝わってるのか)
要は森田って音階の移行(言葉めちゃくちゃですみません)を溜める傾向があって、これってほかの曲でも基本的にそうなんだけど、これがいいの。すごく。




>『大人Guyz』
この曲の「小物までいっちゃおうか」の「か」は思わずハートマークを付けたくなるほどの可愛さなんだけど、アルバム後半に来てこういうチャーミングさを見せられるとグラつくよな(何が)
「見せつけるぜ」のところも、1番のイノッチのボーカルとすごくいい対称性をみせてて素敵。




>『親愛なる君へ』
先述した音階の移行を溜める感じ、「遠い空の下祈ってるー」の「いのーってるー」のところでも垣間見える。
「てるー」って普通「て→るー→」でも全然いいんだけど、細かく聴くと「て→え↑るー↑」って感じになってるでしょ。
この溜めこそが俺の中での森田剛節(ということになりました勝手に)




>『kEEP oN.』
この曲だけリリース時に聴いてたんですが、そのとき最も耳に残ってたのは実は「涙を拭いてー」のところだった。
ほとんど「ふうぃーてえぇーー」って感じ。
このワンセンテンスだけでもほんと独特なんだよなあ。




>『orz...』

おもろい。




番外
>『FLASH BACK』
この曲の森田ソロはすべてが聴きどころじゃないかな。





実は前回のブログを書いたときに色々反響をいただく中ではじめて知ることがいくつかあって、そのなかのひとつに森田氏のボーカルが“キャラメルボイス”と称されていることに驚いたのだった。
えー、キャラメル? 甘いっつーよりはすげーエッジ立ってて攻撃的じゃん! と。

でもそのあとでいくつかOMG以前の楽曲を聴いてみたところ、確かにキャラメルに例えたくなるスイートさを醸し出しているものもあり、だから要は『Oh! My! Goodness!』というアルバムは森田氏のエッジーな部分をより引き出した作品だったんじゃないかと。
そしてそこに俺はまんまと引っかかったという。




昔、ラジオで菊地成孔が「歌がうますぎる人は、うますぎて歌が奇形化していく」っていう事を言ってて(そのとき例に出てたのは井上陽水や森山直太朗)

で、別にそういうわけじゃない(=別に歌がうますぎるというわけではない)んだけど、森田剛の歌も、なんか普通じゃない。
変とまでは言わないけど、アクセントの付け方も、息の吐き方も、なーんか独特。
それってどういうことかというと、「なにも参照してない感」ってことなんだと思う。

例えばEXILE一族の若い人たちってみんなおなじ歌い方じゃないですか(極論言ってる自覚はある)
あれっておそらく一族の先輩の方々の歌唱法を参照してるんだと思うんだけど、これまったく揶揄でもなんでもなくて、それはそれで素晴らしいことだと思う。いいものを受け継ぐって立派な精神ですから。

その一方、なにかを参照することなく、その人だけにしかできない表現をする人もいて、『Oh! My! Goodness!』で聴ける森田剛の歌はそういうものだなーと思う。
音階の溜め方も、息の吐き方も、そこかしこから漂う「なんかこの人からしか出てこない感」。
で、そんな個性が活きるのも、V6というグループの中だからこそなのだろうとも思う。
今回は森田だけをピックアップしたけど、聴けば聴くほど個性的だもんなあ6人とも。




わー! ここまで書いて特にオチがない! わー! わー!
今年ライブあったら一回見てみたいなあ。
その前にOMGのライブDVD見ろって話か…