これからはゼッタイに素材が鍵 | 老舗ニット会社三代目社長岡崎博之の自分らしく事業承継

老舗ニット会社三代目社長岡崎博之の自分らしく事業承継

東京の下町・墨田区・両国で、糸とセーターを売っている [丸安毛糸]の3代目社長です。 経営者の視点、後継者の視点、アパレル業界人の視点・・で気づいたこと、そして、自分らしく事業承継していく方法を書いています。みんなで一緒に元気になれるようにお伝えしていきます!


「お洋服はZARAでいいわ。」

あるシンガポールの大富豪の奥様が言われた言葉だそうです。

大邸宅に住んで、すべて一流品を持っている人が、、、


それほど、お洋服に魅力がなくなってしまったのか?

欲しくなるものを作り出していないからなのか?

、、、

お洋服が売れない。

これは日本だけのことではなくて、世界的なお話なんです。

昨日行った、IFFの講演で聞いたことです。

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もちろん、全部の全ブランドのお洋服が売れていないわけではありません。

しっかり売れ続けているブランドもある。


そういうブランドはどんなブランドか?

魂を込めて服を作っている


根性論じゃないけれど(笑)、そんな表現をされていました。


パリコレに使っている素材の60%は日本製。

日本製の素材がないと、コレクションが成り立たなくなっているそうです。

それほど、欧米からの日本の素材の信頼度は高いのです。

確かに、愛知県一宮市(生地の産地)には、欧米の多くのラグジュアリーブランドの

デザイナーが足を運んでします。


私たち日本人は、そんないいモノを持ちながら、値段の理由やモノづくりの姿勢の

違いで、中国製のモノを使います。(中国製がワルい、と言う意味ではないです。)


素材の重要性に気づかず、産地に自ら足を運ぶこともなく、服を作ろうとします。

消費者は、そんなことはとっくに見抜いてるから、値段と価値のバランスが合わない

モノは買わないのです。


産地に足を運ばないで、服を作る人たちを、

築地に行かない寿司屋と同じ。

そう表現されて、笑ってしまった。


もちろん、全部がそうとは限らないけれど、フィロソフィーがあり、しっかりしている

ブランドは、素材を大事にします。 それが一番大事で、鍵であることを知っています。

だから、自ら足を運んで、自社のオリジナリティをとことん追求するのです。


誰かが持って来た素材、誰もが買える素材には、見向きもしません。

自分たちで、探し、自分たちで作るのです。


そんなブランドは、値段に媚びることなく、個性と世界観を出しています。

それに共感するファンが、その服を買う。


日本でももちろん、そんなブランドは存在します。

私たちの会社も、もちろんそんなブランドとお取り引きがあります。

そして、まさしく皆さん、素材のオリジナリティを追求しています。


日本の素材は素晴らしい。

これからはゼッタイに素材が鍵

私たちにとっては、とても嬉しい言葉でした。


日本の素材は、圧倒的に春夏素材がイイそうです。

吸水速乾などの機能素材もかなりあるし、これからは合成クモの糸、炭素繊維、、、

新素材が注目されています。


私たちのニットの世界でも、もちろん素材は重要。

だから、私たちは素材の開発に一番時間を使います。

そして、どんどんそれを生み出しています。


以前は、お客様の要望に合わせて、一緒に素材を開発して来ましたが、

残念ながら今は、そのような要望は多くはありません。

なので、素材をデザイン出来る人も少なくなってきたように思います。


新しい発想を持って、私たちはますます素材の開発に力を入れていこうと思います。