まるで異世界からやってきたような奇妙な姿をした
カンブリア紀、5億年前に生息した生物たち。


分類不能だったそれら生き物たちは
最近、多くの化石が発掘、研究がなされ
その姿が明らかになりつつあるようだ。


ネクトカリス 学名(Nectocaris pteryx )


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頭はエビ、体は魚・・・
あきらかに類縁関係が遠い節足動物と脊椎動物が
融合した生物のようで、分類が明らかでなかった
カンブリア紀の不思議生物のひとつだ。


しかし、最近では
ロイヤル・オンタリオ博物館が収集した90点にも
およぶ新標本によって、ネクトカリスの正体が
明らかになったようだ!


それはエビでもなく、魚でもなく・・・
イカやタコ、といった
軟体動物の頭足類であるという。

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なんでも、柔軟な触腕をもち、タコが墨を吐くのと同じ器官があり、
遊泳中にはそれを使い海水をジェット噴射して泳いでいたと
見られているという!


この時代に生息していたということは
最古の頭足類ということになる。



そして最近、もうひとつ。
分類が明らかになったカンブリア紀の生物がいる。

オドントグリフス 学名(Odontogriphus omalus )
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学名の意味は「歯の生えた謎」

扁平な体を上下にくねらせて泳ぎ、
頭部と思しき部分には小さな歯が並ぶ。
そのまま歯の生えた謎である。


それは1点の化石から描かれた姿だ。


しかし
2006年、ジーンバーナード・キャロンが収集した
189点にも及ぶ良好な化石から軟体動物であることが
わかったという。

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これはそれら多くの化石から「歯舌」があることから判明したからだ
歯舌とは軟体動物の多くが口の中に持つヤスリ状の舌のようなものであり
岩の表面の藻などをこそぎ取る機能をもっているという。


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またオドントグリフスにはカタツムリやアワビの
ように腹足をもっていることから
従来、謎の遊泳動物として描かれたオドントグリフスであったが
明らかに海底の岩などにへばりつく底生動物であったことが
伺える。


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