鳥類は恐竜から進化した。
それは紛れもない事実である。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-恐竜から鳥への進化

しかし、その姿や生態はずいぶんと変わり果てた。

世界を君臨した恐竜たちが6500万年前に絶滅し、
恐竜から派生した鳥類たちがわずかに生き残ったが、
地上での覇権は勢力を伸ばしつつある哺乳類たちに
とってかわられた・・・。


しかし、
恐竜絶滅後、その間もない頃から
鳥類の中で、肉食恐竜の面影を色濃く残す者たちがいた!

「恐鳥類」と呼ばれる肉食鳥だ!


ガストルニス(ディアトリマ) 属名(Diatryma )


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ディアトリマ

恐竜が絶滅して間もない新生代・古第三紀・暁新世(6500万年~5500万年前)
から現れた恐鳥類。
体高2m、体重は200kgにもなり、翼は退化しているが、
後ろ脚は力強く、この後脚で獲物を押さえつけて、
長さ40cmもある手斧のようなクチバシを振り落として
強力なダメージを与えたといわれている。
2本の後ろ足で立っていた

肉食恐竜と姿や生態がよく似ていたことだろう。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-獲物を狩る恐鳥類

北アメリカやヨーロッパで生息しており、
当時のその地で頂点捕食者として君臨していたという。
まさに恐鳥類は肉食恐竜の残党軍であったといっても
過言ではないだろう。


しかし、
この時代は哺乳類の適応放散と繁栄は著しく、
肉食の哺乳類でも
優れた瞬発力で一撃必殺の狩りを得意とするネコ科動物や
高度なチームワークで追尾型の狩りを得意とするイヌ科動物といった
より進化、カスタマイズされた肉食哺乳類が現れるようになった。


恐鳥類は獲物をめぐる競合にその劣勢を強いられたのは
間違いないだろう。


だが・・・、恐鳥類には最後の砦があった。


当時、他の大陸から海に隔てられていた南アメリカ大陸

ここはネコ科動物やイヌ科動物が足を踏み入れることのなかった
島大陸であったのだ。
川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-恐鳥類たち

ここでは恐鳥類のフォルスラコス ケレンケン などの
恐鳥類は栄えており、頂点捕食者として
君臨し続けていたのだ。
川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-パナマ地峡の形成

しかしその時代も、長くは続かない。
300万年前、パナマ地峡の形成により、
北アメリカ大陸と南アメリカ大陸が陸続きになってしまったのだ。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-迫り来る肉食哺乳類

北アメリカ大陸からパナマ地峡に渡り、
サーベルタイガー やオオカミなどが南アメリカ大陸に
やってきて、競合をさらされることを余儀なくされ、

ここでもやはり恐鳥類は不利な立場に立たされた。

そして、
約40万年前、最後の恐鳥類であるティタニスが絶滅し、
肉食恐竜の残光はその灯火を潰えることとなった・・・。