哺乳類を筆頭に敵に襲われる心配の多い鳥たち。
とにかく安全な場所へ飛んで移動するわけだが、
歯の持たない鳥たちはゆっくり食べ物を噛んで食事することなく
とりあえず飲み込んで体の中にいったんキープする。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ハトの内臓図

たいへん消化の悪い食べ方だが
筋胃(砂肝)と呼ばれる胃袋に
あらかじめ飲み込んでおいた小石や砂があり、これを利用し
食べ物をすり潰して消化の助けにする。いわば歯の代わりに
なっているのだ。


さて、この鳥の習性を利用し絶滅させられたという鳥がいるという。

史上最大級の鳥類と言われるジャイアントモアだ!


ジャイアントモア 学名(Dinornis maximus


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ジャイアントモア
頭までの高さは3,6m、2階の窓に顔をのぞかせることができる高さで

体重は250kgもあったという巨鳥だ!

ジャイアントモアが生息していたのはニュージーランド
太古の昔からの絶海の孤島で長らく鳥類の天敵であった哺乳類が
生息しない、いわば鳥類の楽園であった。


そのため、ジャイアントモアは翼は完全に退化、
地上での悠々自適な生活を送っていたようだ。


しかし、西暦1000年頃、海を渡ってニュージーランドに
移住してきたマオリ族によって一変する。


マオリ族にとってウシなどの哺乳類がいないニュージーランドでは
ジャイアントモアのような大型動物は重要なタンパク源になったのだろう。


狩猟による乱獲でジャイアントモアはたちまち生息数を減らしていったという。
その狩猟方法とは・・・。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-焼け石を飲み込むモア
鳥類の小石を飲み込む習性を着目したマオリ族が
焼け石をジャイアントモアの飲み込ませ
内臓を火傷させて死ぬまで待つというものだったらしい。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-脚に打撃をくらうモア

また、脚に棍棒などで一撃をくらわすと
2本の脚のみで立つジャイアントモアの容易にバランスを崩し、
動きを止めて、その後、袋叩きにしたという・・・。


そして、17世紀に初めてヨーロッパ人がニュージーランドに訪れた頃には
すでにモアの生きた姿は見られることなく、残っているのは骨のみであった。
ちなみに
「モア」という名の由来は
ヨーロッパ人が絶滅したジャイアントモアの存在を知るべく
「モア ボーンズ(More bones!)」もっと骨を、と原住民に
言ったところ、原住民がそれを鳥の名前と勘違いして、
モアと呼ばれるようになったとか。


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