海や山や森や、自然の中に入っていってその自然と対峙すると人間って表情が変わってしまうんだ。

みんな自分を取り戻したみたいな顔になる。


"私、長いこと彼から傷付けられて我慢しているうちに本当に自分がダメな女みたいな気分になってた。一人じゃなんにも楽しめないような、そんな気分になってた。

でもね、今日初めてあんなきれいな海のサンゴを見てすごいって思ったの。すごいって。

私一人だって、いろんなことと出会えるんだって。

この人生、私の人生だったんだなあってそう思えた。”


自然に目覚めた女って、あんまり男を必要としなくなるんだよ。

孤独であることの楽しさを世界から教えてもらうから――


(田口ランディ/幻冬舎文庫)



おばけ。 「孤独」って難しいと思う。でも、他人に流されず他人と比べず、自分と向き合って自分の判断でありのままの自分をよしとして受け入れる。その過程を「孤独」として解釈できるんじゃないか。

きっと、自然と深く関わると、それは神様と1対1で向き合ってるようなふうになるんだろうな。

自分を満たすのも、空っぽにするのも自分次第。

そういう意味で、人は誰しも孤独。