生まれてこなければ

本当は良かったのに

(砂の果実/中谷美紀)



本を読んでて、頭を流れてきた曲

『夏物語』川上未映子(文芸春秋)

結婚とか子どもを持つこととか

世間で当然の幸せと言われることに
感じてる違和感が

殴るようなキツめの言葉で形にされてて
どきどき どきどき した

命を生むって怖くないの?
産んでくれてありがとうって、ホントに思える?

死と同じく
生まれてくることの取り返しのつかなさ

子どもを持つことが掛け値なしの善とされ
産む理由は聞かれないのに
産まない理由は問われ続ける

結婚も同じ
家庭を持つことがあたりまえで
結婚する理由は聞かれないのに
しない理由はずっと問われる

そして自分にも問い続ける


でも最後
夏子が妊娠して出産シーンするまでの章には感動して

その夜
結婚して出産する夢を見て

たしかに幸せだったんだよなぁ

生まれること
産むこと
産まないこと

そして、生きること

あたりまえだからとか
みんなそうしてるからとか
誰かのした決断を安易に否定したり
何も考えずに大事な決断をしたり

そうしないように心がける
そのくらいなのかな、できることは

正解は分からないから
自分にとっても
誰かにとっても