ブログに日々是好日というタイトルをつけたのはもう11年も前のこと。
禅について何も知らず、簡単につけた。
最近、森下典子さんの日日是好日という茶道家のエッセイを読み、その映画をみて。
喫茶店を営む私のこの10年ちょっとの月日は、日々是好日なのではないかと、。
新型コロナウィルスが蔓延し、日常生活が変化して2、3ヶ月。
おうちもいいけれど、たまには、おもて(外)へ出掛けようよ〜
という意味を込めて名付けたおもて珈琲。
知らない者通しが何となく集うカウンター。
お友達通しお喋りするテーブル。
そのどちらでもなく、そっと隙間に佇むお客さま。
色々な形で場を共有している。
人が行き交う場所。
気持ちも情報も、、時としてウィルスだって行き交ってしまう。
困った。
店は開けているけれど、どうぞご自宅で安全にお過ごしください。
断腸の思いでそう発信する日々。
いつだか、お店のことを本で紹介してくださる機会を頂いたとき。
インタビューされながら、勝手にお話をするお客さまとも、
全く話さないお客さまとも、
同じように無言のコミュニケーションを取りたいと思っていて。
何も言わないお客さまとも無言のコールアンドレスポンス!をしている、
はず、だと思っていますと話しました。
インタビューのその方は少しクスリと微笑んでおられました。
その時、話しながら、確かに笑っちゃうな、、と。
そして、こうしてコロナ禍において、あるであろうと思ってきた、
無言のコールアンドレスポンスは、本当にあったのです。
これまで挨拶程度にしか言葉を交わさなかったお客さまたちの
言葉にしなかった声を日々感じています。
お近くの方はぽつりぽつりと店を訪れコーヒーを一杯、色々とテイクアウト、
また来ますとか、頑張ってね、、なんて声を掛けてくださる。
遠くからはコーヒー豆の発送を依頼されたり。
お店が無くなったらさびしいからね、、と
そんなみなさんの熱いレスポンス
何というか、それぞれがそれぞれの形で私の日々に現れるのです。
新型コロナウイルスで世界中の多くの方が亡くなったり病に伏したり
失業したり、、独裁が進んだり、暴動が起きたり。
生きてるうちにこんな経験をするなんて〜と
得体の知れない不安の中を今も過ごしています。
大きく見ると辛い局面です。
しかし、日日是好日
今日も目の前のことをやる。
淡々と来てくれるお客さまを迎える。今日、知ることが沢山ある。
店を開ける。
誰かが来るかも知れない。
それが今、私の励みとなり糧となり、癒やしとなっています。
この淡々とした日々の作業が好きだったんだと、
今また楽しく思い心躍ったりしています。
この日々はいつか、世の中の分岐点、大きな発見や変化、進化に、つながるんだろう。
今まで通りの世界には戻らないかもしれない。
淘汰されてしまうのかもしれない、でも、何かやっていく道があると思って。
皆さん、どうかどうか元気にまたお会いしましょうね。