先日、中学の同級生同士が結婚した事を知った。
知った。のだから本人から聞いたのではなく、同じく同級生だった一人から又聞きしたのだ。
私の中学は同級生同士で結婚している者が何組か居る。
だから、彼らの結婚に関してもそう珍しくも感じなかったのだが、ただ他のカップルとは少しだけ事情が違った。
————女性の方はシングルマザーだった。
もう何年前になるだろうか。
同窓会でみんなと久しぶりに再会した際、それをキッカケに私はちょくちょく当時の不良グループとギャルグループの集まりに良く誘われるようになった。
きっと大した意味も無いのだろう。気まぐれみたいなものだ。
だから、私も気まぐれに参加した。
勿論、「元」不良だし、「元」ギャル(いや、当時も立派にイケイケだったな)なのだから遊びと言っても健全なものばかり。飲み会やら花見やら海やらBBQやら。
俗に言う「リア充」という遊び方と言えば分かりやすいだろう。
だから私は気兼ねなく参加出来た。
少し柔らかくなった、かつての不良達の表情。相変わらず良く笑う彼らだったけれど、私の話に良く笑ってくれるのは中学生時代からずっと変わらない。
ギャルグループは何人かが結婚して居り、中には息子が居る者も。初めて見る「同級生の子供」にえらく感動を覚えた事を今でも時々思い出す。
彼らは立派に生きていた。
就職して人生、地に足をつけて立派に歩んでいた。だからどうって事も無いのだが、当時は私だけがその中でフリーターであり、バンドなんかをしているものだから少しだけ情けなくもあった。
でも、久しぶりに会ったのだから当たり前のように「今何してるの?」という会話が交わされる。
地元の居酒屋で私は自分の「今」を正直に語った。別にこれでバカにされようとも構わなかった。それくらいどーでも良い仲だった事は間違いない。
しかし、それを聞いた一人の女性は私に握手を求めてきた。
「そう言う事、胸はって言えるのカッコいいよね!」
私は「はぁ……」と言った形で握手を交わした。その時は何だか良く分からない気持ちだった。
でも、その言葉のおかげで何かが救われた気がした。ホッとしたような、そんな感じ。
「でも、もし就職したいとかあったら言ってね! 旦那の職場とか紹介するから!」
そう言って笑う彼女の顔は昔と変わらず愛らしいままだった。
その時は彼女がまさか妊娠し出産した後に離婚してシングルマザーになるとは思いもしなかった。
中学当時からギャルでルックスも良かった彼女は高校卒業後、水商売で華々しくトップに上り詰めたりと派手な人生を歩んでいた。
しかし、その時の旦那に出会ってから、ストンと落ち着いてしまったと聞いた。
旦那はロケバスとかの運転手をしていたと思う。定かではないが、そんな感じだったと思う。
一体、何があったのか分からない。私もその内すっかり彼らと連絡を取り合わなくなり、自然にプツリと関係が途絶えてしまったから今さら、知る由もない。
でも、彼女は、華々しく人生を謳歌していた彼女はシングルマザーになった。
いつか、私が困った時には手助けしようと言ってくれた彼女の、きっと大変だった時期に何も出来なかった事は少しだけ心苦しい。別に私に何が出来たって訳でも無いのだけれど。
大変な決断だったと思うが、当人でないので想像するより他無い。でも、きっと想像を超えた苦悩があったのではないかと思う。離婚とはそんな簡単なものでもないのだろうきっと。
だから彼女の決断は勇気の一歩に違いない。と思いたい。
願わくば彼女には今度こそ幸せになってもらいたいと思う。
そして、彼女と結婚を決めた男子の方だが、彼はかつて私とバンドまがいの事をしていた。二個上の兄がいた彼はいつの間にかベースを始めていて、彼に感化された不良グループの一人がドラムを始め、ギターを弾けるモテモテ男A君(私にギターを教えてくれた男)と私で彼の家に集まってはお兄さんの持っているCDを聞きあさっては、練習したりとバンドっぽい事を何となく行っていた。
彼のお兄さんが出る高校の文化祭で見たブルーハーツのコピーバンドに感動したりと卒業式での解散ライブ(私達の初ライブ。事件事件の大変なものだった)色々な思い出があるが、割愛。
彼とは同窓会前に一度、近くのコンビニで会った事がある。高校卒業して数年くらいの事、たまたま出会ったコンビニの駐車場で互いの身の上話をしながらコーヒーを飲んだ。
鳶職をしていた彼の煙草を吸う姿は別に前からずっと見慣れた物だったので感慨深くもなかったが、暮れ時の空にふーっと煙を吐いた後、ポツリと言った
「どこで道、間違っちゃったのかな」
と言う言葉は今でも覚えている。
私がバンドをしていて、彼はもうベースを触ってもいなかった。聞けば卒業ライブから触っていないらしい。
理由は聞けなかった。聞きたくなかった。きっと大した理由もないのだから。
彼は結局、不良なのだから。
今、思えば最悪な考えだが当時の私はそう思ってしまったが為に、彼の小さな疑問に辛辣にも「中学からじゃない?」と答えてしまった。
彼は「そっか、そうだな」と渇いた笑い声を上げて、あの日とかわらぬクシャッとした笑顔を見せた。
後悔とは何なのだろうか。人生においての「後悔」とは一体何なのだろうか。
彼も彼女もきっと今まで沢山の後悔をした事だろう。私もそうだ。
しかし、その後悔が無ければきっと今回の結婚は無かったと思う。
今の幸せは無かったと思う。
後悔が無ければ出会えなかった幸せ。果たして今回の二人の「幸せ」は本当なら必要なかったものなのだろうか。後悔が無ければ幸せなのだろうか。
私は彼らの結婚を聞いて一気にそんな感情が溢れだし、良く分からなくなってしまった。
彼は婿養子になった。「子供の名前がまた変わるのは可哀相だ」らしい。保育園に通う子供の事を気遣うことが出来る男になっていた。私にパンクを教え、えらい低い位置でベースを弾いて、不良だった彼は。やっぱりいつ見たってかっこ良かった。
それが嬉しかった。やっぱり私達は何も変わっていないのかも知れない。
後悔と決断を重ねた末の二人の答え。
私は二人に心から幸せになって欲しいと思った。
ちなみに私も同じく変わらずチャランポランな生活をしている。いつか、また二人に会った時は言ってやろうと思っている。
「今でもバンドやってるよ」
「どこで道、間違えたのかな」
きっと変わらぬ答えが返って来る事だろう。そして大いに笑い合うのだ。
何故なら、そこに後悔は無いのだから————。
って、今回は趣向を変えた昔話と言うか思いの丈をぶちまけたのだけれど。
と言うのもこのブログのアクセス解析を見た所、マーハルの写真をあげた記事が爆裂にアクセス多いのよ。腹立つ事に。
マジかよっつって。私のブログに皆、マーハル見に来てんのかよっつって。
だから漫画ばかり紹介していてはダメだと思ったの!
要はバランスよ!
だから、これからも漫画を紹介しつつ、時折マーハルの写真を意味も無くあげて、こういう思いの丈をぶちまけてやるわよ!
でもやっぱり最後はこれ!
ギャラクシー占星術~!
いいこと? 私がやりたいのはこれなんだから!
いくわよ!
明日の運勢一位は————————。
射手座のあなた!!!!
狙い撃てよ! 好きな子いんだろ? じゃー撃てよ!
いつまで迷ってんだよ! ウジウジしている間にノーコン野郎がその子のハートに向かって矢を射ってるぞ!
下手な鉄砲数撃ちゃ当たるって言うからな! いつまでも余裕ぶっこいてたらいつの間にかマグレでノーコン野郎に射抜かれてるぞ!
早う撃ちんしゃい!
ってな感じで一歩踏み出すに最適な一日よ。小さな一歩踏み出してみたら?
何かのキッカケを掴んでみたらきっと次の日が楽しくなるわよ!
さーて、私は誰を狙い撃とうかしら!
ではでは、チョーキング~!